第四十八話 サイレンの音と白い輝き
第四十八話 サイレンの音と白い輝き
メリーゴーランドの店を出て、プラプラとお土産を買いに行った。とりあえず定番のイチゴのハンドクリームを探したのだが、見つからない。
「デザイン変わったんかなぁ〜」と早苗ちゃんに言うと
「変わったんぢゃない?!タイも洗練されて来てるみたいだし、いっちゃんが来たの大昔でしょ?!」
「まあね、昔は人気があって、タイ行くなら買って来てって、アルバイトの女の人達に言われて買って来てばらまいたよ」
「へぇ〜」
「更に彼女が来る時も買って来て貰った」と余計な事まで言ってしまった。
「アタシにはもっと高いやつ買ってよね」
「わかったよぉ〜」
と、つまらない会話をしたなぁ〜と思ったが、
「丸男にはウイスキーかなぁ〜」とごまかした。タイのウイスキーは結構美味い。
珍しいからかも知れないが、ちゃんと作っているウイスキーは安くても美味しいのだ。名前は忘れたが、赤いラベルだった様な気がする。
「ああ、これや、ホン・トーン、安いけど、結構美味いよ」
「へぇ〜」とか早苗ちゃんはテキトーに相槌を打っている。
「早苗ちゃんには、何を買ってあげたら良いの?!」
「安物で良いわよ、お金ないでしょ?!日本に帰ったら学校卒業して、ちゃんと働いてよ」おお
「どっちやねん、ヒモでもイイとか言いながら」
「冗談よ、怒んないで」笑笑
「まーしゃあないなぁ〜何とかします」笑笑
本当に金ない時の冗談は意外にも傷つく、まあなるようにしかならないのでどーでも良いが。少しずつ現実が近づき始めた。
「とりあえず、丸男と飛魚の連中にはウイスキーとドライフルーツでいーんぢゃね?!」
「そうね」
結局なんだかんだとお土産もいっぱい買ってしまった。
「かずみには何を買って行こうかな〜」
「あまり高価なものぢゃ無くて良いよ、お土産はシンプルイズベスト、ちょっとした現実に使えるものの方がいいよ、キーホルダーはだめだけどね」笑笑
「確かに、あれはイラッとする」笑笑
「小学生も今は買わんやろなぁ〜」笑笑
「笑笑 でも迷うわねぇ〜」
「ぢゃあ、わかった、俺が買ってあげるよ、目を瞑ってて」
「えっ」
「一分くらい」
「長いわよ」
「いいから」
その間に、いっちゃんが代わりにかずみちゃんのお土産を買った。
「帰ってからねぇ〜」笑笑
「期待するわよ、しょうもなかったら56す」笑笑
それから、ホテルに帰って来た。
早苗ちゃんともちろん最後の晩なのでやりまくったが、あまりお酒も飲まずまったりとしていた。
「ねえ、何をかずみに買ったの?!気になるわ」
「しょうがないな、開けてみて、別に包装紙は貰っているから、開けても大丈夫」
早苗ちゃんは、紙の袋を開けた。
「何これ綺麗、三つもあるやん、紙を束ねるやつ?!ヘアピンみたいな?!」
「カレンシルバー、髪のアクセサリー カレン族の人が作っている」
「へぇ、でも何で三つなの?!私とかずみと?!」
「早苗ちゃんのお母さんに、大事な三人に」
一瞬、静かなホテルの空気の中で、外のうるさい音が聞こえて来た。救急車の音が鳴っていた。早苗ちゃんは、黙っていたが、いっちゃんがウイスキーのボトルをあけるとすぐにゆっくりと抱きついて来た。
「明日帰るの嫌になった、帰るの辞めようか?!」
「なんかタイに駐在していたサラリーマンみたいになってる」と言うと、
「カレンシルバーって綺麗ね、とても丁寧に一生懸命に作っているのね、優しくて強い」
「早苗ちゃんみたいに?!」
「あなたみたいにね」笑笑
続く〜




