表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/67

第三十二話 洗濯物

第三十二話 洗濯物

 早苗家の雰囲気は悪くなって来たが、例の女の人の話はしなかった。もっと悪くなるからだ。

 しかし、このままだと更にもっと悪くなるのは明らかだった。それで、親父抜きの家族会議が始まった。弟はまだ子供だが、この手の話は、逆にみんなで話した方がいい。会議をやって話をした方が溜め込んでるものを吐き出す事も出来るからだ。

「親父騙されてないか?!まさかお母さんの生命保険のお金まで使っていないやろなぁ〜」と、お兄ちゃんが言うと、早苗ちゃんが、

「そんな事をしたら親父殺す」と早苗ちゃんが言った。弟は、最初、

「飲み友達くらいいいぢゃん、姉ちゃんは、考え過ぎだよ」と親父の味方をしていたが、早苗ちゃんの怒りが半端なかったので、圧倒されていた。

 本来早苗ちゃんはおおらかなのに、よっぽど商店街で見た二人の姿に嫌気がさしたのだろう。

「で、どうしようか、親父に言うか?!」とお兄ちゃんが言うと、

「あたしが言うわ!!」と言う早苗の表情は、鬼の形相になっていた。

「いや、ヤバいなぁ〜それぢゃ喧嘩になるぞ〜」とお兄ちゃんが言うと、

「私は嫌よ、二、三年経っているのならまだしも、半年しか経っていないのに、しかもあんな品のないひと、格好悪いわよ、綺麗な人ならまだしも」

「容姿はいいぢゃん、関係ないよ」と弟が正論言うと、ますます早苗ちゃんは、般若の顔が怪獣の様にになって、

「今夜あたしがきっちり言うから」で、話は終了してしまった。


 それから、一時間くらいして、お父さんが帰って来た。

「お父さん、あのね」

「あの女の人」

「ああ、咲ちゃんか?!もう帰ったよ」

「もう、帰ったって、あのねえ」

「四国になぁ〜 息子さん達と一緒に香川の親元に帰るらしいわ、子供育てるの大変だから。シングルマザーやからね、おじいちゃん、おばあちゃんがいた方が良いんだろう」

「えっ、」

「は?!お前まさか、付き合っているとか思ったのかよ、笑笑 そんなモテねえよ。色々相談に乗っていただけ、もう会えないし」

 でも、もう会えないと言う意味が、恋人と別れるので会えないのか、友人と別れるから会えないのか、早苗ちゃんにはわからなかったが、少し笑っているお父さんは、悲しそうにも見えた。早苗がいけすかないだけで、本当は、あの人は、優しいお母さんだったのかも知れない。少し黙った後、早苗ちゃんは、

「好きな人が出来たら、付き合っても良いのよ」と今までと真逆の事を言っていた。

 お兄ちゃんと弟は顔を見合わせていたが、お兄ちゃんが、

「早苗は、ちょっと心配しとってん、騙されてるんちゃうかなぁ〜って」

「ははは、阿保か?!」と言って、お父さんは二階に上がって眠ってしまった。

 それからお父さんが洗濯をしなくても誰も文句を言わなくなった代わりに、お父さんはそれから、少しだけ早く帰ってくる様になったのだ。


「なーんや、良いお父さんぢゃん」

といっちゃんが言うと、

「それがね、彼女作っていいよと言ってから本当に若い彼女を作っちゃったのよ」

「え〜っ!!」

と、いっちゃんはびっくりしたのだった。


 続く〜

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ