第三話 寿司屋
第三話 寿司屋
土曜日の昼間、駅前は、いつも近所の酔っぱらい達が十時半を回ると店の開店前とかから呑んでいる。
この街は優しい。なのでこないだの喧嘩なんて最近では見ない。珍しい出来事だった。
毎週の様に土曜日か日曜日の朝十時半を回るとLINEが飛んでくる。
『飛魚、』と飛魚や他の魚のイラストが来ると、常連がもう開店前から呑んでいるのだ。『りょ』と返事を送って向かうのだが、今回は『女の子も来る』とLINEを打つと、『別嬪か?!可愛くなかったら、おまえ自分で金払えよ笑笑』と返事が来た。
呼び出したら、退職前の独身者はお金に余裕があるので払ってくれるのだ。
無職の人間にありがたい。いつも感謝している。自分自身も現役の時には良くお金をばら撒いたので、その話を周りから聴いた酔っぱらいの友人達が奢ってくれるのだ。
「本売れたら返してやる」と言うのだが、全く売れない。笑笑
しかし、今回は女の子も連れて行くので、喜んでくれるだろう。しかも金払うし。
十一時に夏子ちゃんと待ち合わせしている。夏子ちゃんと、ちゃん付するのが自分は好きだ。
敬語の代わりみたいで、俺は敬意を払っている。
最近コンプラで会社では使えないらしいが、プライベートは会社ではないし、おいらにとっては敬語だ。
最近の世の中は息苦しい、世捨て人ではない一般の人々も息苦しいだろう。
少しのトラブルで直ぐにSNSはざわつく、弱い者が安全な場所から更に弱い者を叩く、自分自身もそんな時がある。修行が足りない。
さて、十時五十分になった。そろそろ夏子ちゃんだ。改札の向こうから
「いっちゃ〜ん」とやって来た。
「ちゃんと時間前に起きたよ」と色白の彼女は相変わらず美しかった。自分より更に少し背が高い所が更に大好きだった。
「じゃ、おっさんの寿司屋の『飛魚』に連れて行ってあげる」と言うと、
「楽しみぃ〜」言っていた。
寿司屋に入ると、
「おう、いっちゃん」と常連の連中が何人かいた。
「女の子連れてるやん」と例の社長が言っていた。
「構うのほどほどにしてくれよ」と言うと
「わかったよ」と返事が来た。
「お嬢さん、何か握ろうか?!」と大将が言うと
「ん〜 今日のおすすめで。光るのある?!」と言うので、
「通やなぁ〜」と横のおっさんが言った。
(おっさん関わってくんな)と思いながらも「寿司屋は好きなんや」と言うと、
「だって実家がお寿司屋なんだもん」と言い出した。
「そりゃ、プロやないかい」と言うと、大将も「何処のお寿司屋さん」と聞いて来た。
「札幌でやってる」と言った。
「へえ行ってみたいなぁ〜」と自分が言うと「今度連れて行ってあげる」と夏子ちゃんは言ってくれた。
それから、常連客も絡んでくる事もなく、ゆっくりと二人で話す事が出来た。
色々話しをして行くと、彼女はコンピュータの専門学校に行ってたらしい。
なので、自分より詳しくて、こっちは時々なんのこっちゃと思う事があったが、
彼女の専門はCADなので、更にわからなかったが、色々質問は出来た。
「ねえ、人間ってコンピュータと会話出来ないの?!」と聞くと笑い出して、
「アセンブリとかやってるの?!」と聞かれた。
「いやぁ〜来週からやるみたいやけど、教科書みたら英語の大文字がいっぱい並んでいて何のこっちゃと言う感じだったよ」と言うと、笑いながら
「コンピューターに一番近い言語って感じかなぁ〜人間はコンピューターが話す機械語は理解出来ないから、一番近い共通の言語って感じ、世界中で話されている英語みたいな感じかなぁ〜英語なら通じるけど、現地語はわからない。なので、英語ならお互い意思疎通は出来るみたいな?!
もしもあなたが訛りがきつくて日本の標準語が話せなかったとしたら、C言語がきちんとした日本語で、アセンブリが英語?!
ちょっと私も説明下手くそかなぁ〜 笑笑」
「余計わからんわ 笑笑」
続く〜




