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第二話 ポインタ

第二話 ポインタ

寿司屋で馬鹿話も終わり。

帰って寝る事にした。

ポケットの中にはもう、五、六万しか残っていなかった。いつもの事だ。

 冷蔵庫の中のハイボールを取り出してステンレスのグラスに氷を入れる。

 ハイボールを並々と注いで一気に飲む。

パソコン立ち上げて、ビジュアルスタジオを開く。ひたすら写経だ。

 わからない事も無いが、何故か覚えられないのだ。C言語なんかで戸惑っていては、次のアセンブラの言語などわかるわけもない。とにかく写経だ。

 お手本ファイルの横に空のファイルを並べてひたすら写す。

 今までMacintoshのヘビーユーザーだったやつが、いきなり、Windowsのキーボードなんか簡単には覚えられなかった。書いてていつも引っ掛かった。その都度イライラする。

 そもそも、ビジュアルスタジオのファイルの保管場所をテキトーにやると、全く動かなかった。何故にハードディスクとかを分割しているのかも訳がわからなかった。

「一個でええやん」といつも思っていた。

 Windowsなんか、職場でしか使ってなかったし、アルバイトのおばはんに入力丸投げして、現場に出ていたのに、いちいち元のファイルからコピーしたりの所謂、作法が全く理解出来なかったのだ。それでも、ポインタの手前までは、必死こいて一回目の写経を終えた。学校に来ている連中の中には現役のプログラマーが何人も居てる中で、自分の様な全くのど素人には地獄だった。

 それでも、郵便、物流の仕事をやっていたので、アドレスくらは理解出来た。

 それとメモリ割り当てくらいは、Macのアプリで設定はやっていたので、何とかイメージはついている。

しかし、記憶力はやばい、今まで覚えた住所は、何万件何処では無いのに、何故に書けないのだろうか?! 理解は出来る、しかし、書く時にコマンドをよく忘れるのだ。関数も自分自身で作りたいが、“ハーローワールド”くらいしか、見ずには書けないのだ。まあ、しょうがない。それでも向上心だ。

 と、思いながら、ウイスキー飲みながら書いている。

「しかし、あの子は可愛いかったなぁ〜」

LINEには、「今度はゆっくり来てね」と書いてあった。

(あ〜今日の喧嘩は派手やったなぁ〜そんな元気も俺にはねえ)と思ってパソコンを閉じてしまった。

 それから、残りのハイボールを飲み干して眠ってしまった。

 4、5時間が経って、目が覚めて、LINEを見ると、弟妹LINEには、「母ちゃんが、今度は弟の家に行く」と書いてあった。

 (いい加減にしてくれよ、ひとりで暮らすとか行ったり、妹の家に世話になったり、ひとりで暮らせないのかよ)

 母親は傲慢で寂しがり屋だ。非常に面倒な人なのだ。

 すぐに電話がなったので、弟かと思ったら、キャバクラのあの子だった。夏子と言う、例の北海道の娘だ。北海道の夏子ちゃんだ。良く出来た話だ。笑笑

「ねえ、まだ少しお金残ってるでしょ、同伴なんかしなくて良いから、ご飯連れて行って」と言う。

 救世主みたいに、心が少し救われた感があった。

「良いよ、五、六万残っているから全部使ってしまおう」と言うと、

「やったぁ〜お寿司がいいなぁ〜」と言うので、

「近くでイイ?!」

「うん」

 と言うので、例の大将の所に連れて行こうと思った。

 心がやっと晴れて来た。


 続く〜

 

 

 

 

 

 

 

 

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