表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/22

第十二話 タコ

第十二話 タコ

 立ち飲みに行くと、王道を行く店だった。初めて入ったが、女将さんともすぐに仲良くなれた。

「おでん、美味しいわねぇ〜」

「うん、タコが美味しいだろ?!」

「そうね、そんなに浸かってないけど、味美味しい」

「これは上等の良いタコを使ってるなぁ〜単価たぶん高いよ」

「そうなの、美味しい」

「昔さあ、今はもう無いけど、地元の立ち飲みで、おでんのタコばっかり食べていたら怒られた事あるよ」

「えっ、そうなの」笑

「せっかくイカリで買って来たのに、毎回毎回、あんたが全部食べてしまうんやから、と、店のおばあちゃんに怒られた事あるよ」

「なんでもやり過ぎてしまうのね」笑笑

「そーなんよねぇ〜また他の立ち飲みでも、シメサバ何回もおかわりしてたら、常連客にも怒られたよ」と言うと、早苗ちゃんは爆笑していた。

「そのシメサバの立ち飲みのマスターとは、親友みたいに仲良くさせて貰っていたのよ、おいら専用の米酢があったし、俺だけね」

「へぇ〜 仲良かったんだ」

「うん、時々の生牡蠣がある時は、酢を器にドボドボ入れて、米酢ストレートで食べていて、もちろん薬味など無しやで」と言うと、

「変にマニアックなのねぇ〜」と、早苗ちゃんもタコを三本食べている。

「あんたも一緒やん」と言うと、

「うふふ」と笑っていた。

 それから早苗ちゃんは、カラシをいっぱいつけて、鯨とか食べ出した。所謂“コロ”とか言うやつだ。

「あんたも、マニアックやん」と言うと、

「あたし達似てるかもね」とか笑っていた。

 それから、豆腐や、ねぎまを食べて、

「次行こか?!」と自分が言って、そのお店を出た。

 それから、ショットバーみたいな所も行ったが、少し腹減って来たし、

「十三はまだいっぱいお店があるから、今日はこれくらいにして、締めの卵行く?!」

「卵?!」

「うん、寿司屋のスウィート卵焼き、女の子大好きだよ」

「へー十三?!」

「地元だよ、近いし、電車ですぐだよ」

「ちゃんと帰れるようにしてね」

「わかっているよ、ああ、丸男とかと行ってる店だよ」

「飛魚?!」

「うん」

 なんぼテンション上がったとはいえ、そんなに金もないので、最後は『飛魚』で締めようとおもっていた。ちょっとずつでもお金結構掛かるのだ。

 『飛魚』は安いし、気に入ってくれるだろう。

 阪急電車に乗って『飛魚』に着いた。

 丸男がいた。

「おい、お前らもう付き合ってんのか?!」

「ちげえよ、十三巡りしてたんだよ」

「丸男さん、気が早いわねぇ〜 ご飯行っただけよ」と早苗ちゃんも言った。

「ちぃ〜流石いっちゃん手がはえなぁ〜」

「お前には負けるよ」

「で、卵焼き頼むんだろ?!」

「そう言う事です」と言うと、皆んな爆笑していた。

「大将例の」と言うと、

「わかっているよ、いっちゃん復活だな」と言って、作業に取り掛かった。

 前出の様にここの甘い卵焼きは最高だった。おろしをつける場合とつけない場合がある。出来かた次第で変えるのだ。なので文句は言わない。最高の卵焼きが出来上がる。

「とりあえず、日本酒出して、常温で」と、丸男が言った。

 丸男は冷酒だったり、常温だったり、その時々で変わるのだ。

「酒は俺が払ってやるよ」

「流石丸男さん、太っ腹」と言うと丸男は喜んでいた。


 

 続く〜

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ