第15話 E級探索者、度胸を見せ付ける為にD級ダンジョンに挑む
エミが向かったのは、東京にあるD級ダンジョンだ。
こちらのダンジョンは人の手が加えられておらず、先程までいたダンジョンに比べると危険性は高い。
……が、E級の次のD級なので、慣れた探索者であればそこまで危険な場所ではないだろう。
しかし、今のエミはE級探索者。
(ここで動画を撮影すれば、視聴者に度胸のある奴だと思われるかもしない!)
そんなことを考え、東京にあるD級ダンジョンへと足を運ぶのだった。
「ここが東京のD級ダンジョンかぁ」
普通の洞窟といった感じである。
ディザがいたダンジョンに近い感じだ。
人の手が加えられていなければ、ダンジョンは基本的にこのような感じなのだろう。
エミは4000BPをコストにし、ディザを召喚した。
「さてと、俺がスマホを持って撮影していればいいんだな?」
「うん!」
エミはフード付きのマントをはおる。
人気作品「進撃の巨大な人々」の兵士達のコスプレアイテムを、アマゾンで買ったのだ。
当然、ダンジョン内で特別な効果が発揮されることはないが、顔を隠すのには十分である。
「顔は映っても編集でどうにかなるから、とりあえずずっと撮っておいて!」
「ああ!」
ダンジョンは何が起こるか分からない場所だ。
映える瞬間というのは、いつやって来てもおかしくない。
「ブオオオオオオオッ!!」
しばらく進むと、2本足で歩く豚モンスター、オークが出現した。
オークはエミに向かって襲い掛かる。
「ファイア!」
エミは魔法をオークに向かって放つ。
(決まった!)
と思っていたが、オークは平気そうな表情をしており、エミに向かって進撃を続ける。
「えええ!? ちょっと待って!!」
本気で焦るエミだが、後方にいるディザがオークをまるで食卓の醬油を取るように掴む。
ディザはオークを思い切り壁にめり込ませると、そのまま光の粒子となって消滅した。
「ったく、油断しやがって!」
「ディザさん、ありがとう!」
それにしても、ランクが1つ上がるだけでここまでモンスターが強くなるのか。
噂には聞いていたが、実際に経験してみるとその厳しさが身に染みたエミなのであった。
「俺が全員倒してやろうか? それでお前が倒したことにすればいいだろ! いい考えだ!」
「一応私のチャンネルだし、自分の力でやってみたいってのもあるから、それはちょっと……」
実際はエミの契約モンスターなので、ディザが倒してもエミの力ということにはなるのかもしれない。
しかし、ディザは人間のように話せるモンスターということもあり、どちらかというとパーティーを組んでいる探索者という印象だ。
「なるほどな! まっ、俺も本音を言えばずっとカメラは疲れるし、何もしないのはつまらないってだけなんだが」
と、ここでディザが何かを閃いたようで、声を明るくさせる。
「カメラマンを連れてくりゃいいんじゃね!?」
「どこから?」
「このダンジョンからだ!」
ディザはダンジョンの床に穴を開け、どんどん下へと進んでいった。
「出た! ディザさんの必殺技!」
久しぶりの更新です!
本当はもっと文字数入れようかと思ったのですが、エタっていないという報告も兼ねて投稿しました!
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