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お仕事だ

攻撃対象は石。

キャンピングカーから出て、カリフォルニアの砂漠の中、私は一人で五行の力を試してみた。

意志を檜扇に注入して葉を作って、葉を支配して目の前の石を切割してみた。頑張ってやってみたけど、切割力は弱かった。

石を半分切れない。こんな力ではみんなを救えない。もっと、もっと強くならないと!

「おいみこ、まだ練習しているかい?」

「え…」

気づいたらもう夕方、コリーンさんがここに来た。

「調子はどうだ?」

「まだまだです」

「オレは練習と勉強をしない、何もかも実戦で上手になるタイプなんだ。お前のこうやっていいんだ!車に乗れ、お仕事だ!」

こうして、私はコリーンさんの車に入った。

車に乗って果てがない道路を移動して、私は外の夕方の砂漠を見ている。

これがアメリカ。何もかも大きい世界。私はこれから故郷のためにここで修行する。

先輩のために、稲荷さまのために、それと神社のみんなのために!…

「アメリカについて教えなきゃならねぇことたくさんあるんだなー!まずは、うむ、詐欺師に気をつけっ。嘘つきはどこにでもいるけどアメリカには多い。人を簡単に信じると全てを失うぞ」

コリーンさんは運転しつつ勝手に私に説明している。って、この車のパワーは日本のクルマより強そうだ。強すぎない?

「あと、なるべく人を傷つけるな。もし刑事とか検察官とかのやつに質問されたら、とにかく誠意を出して『私は人を傷つける気はまったくありません』と言え。自分が悪い人ではないと説明したいとき、この国はみんなこう言うからな。覚えた?」

「あれはよく使う英会話ですか…?」

「最後に、一番大切なことだ。80年代と90年代のものは最高、それ以外のものは全部ゴミだ。だから何もかも80年代と90年代のものでいいんだ!」

「は、え?」

「他のものに汚染されないようにな!あ、そういえばラジオを忘れた?」

と、コリーンさんは車の古いラジオを付けた。なんか遙かな昔の西洋の楽曲が現れた。

「この正体不明の放送局はオレの重宝だ。この時空の隙に陷って永遠に80年代90年代を乗り越えられないパラレルワールドからの電波は、80年代90年代の声しか放送しない。ちゃんと聞けな!」

こんな私でも、コリーンさんが適当な指導をしていることは知ってる。

この人を信じていいのかな?ちょっと不安で、私は運転のコリーンさんを見た。

美人なのに、ノースリーブを着てるだらしない女性でした。身体が大きい。知らない飲み物を飲みながら昔の楽曲を聞いていて、楽しそうだ。

身体が大きい。この国では何もかも大きいな。飲み物も車も、車のパワーも楽曲の音量も、この大地も。

「そう言えばみこ、戦えるかい?今の破壊力は?」

「石を半分くらい切開できます」

「石は種類によって硬さも違う、これで判断できねぇぞ?明日貫通力をテストするための戦車の装甲を用意してから自分の力をちゃんと確認しようぜ。さぁ、そろそろな」

やはりどんな国でも夕方の大地が綺麗。車がとまったら、私は道にいる公務車を見た。

十数人がいる、警察ではなさそうだ。コートと防弾チョッキの文字は…FBI?

「おいクズ共!」

コリーンさんはすぐに車を降りてその人たちに声をかけた。と、私も一緒に降りた。

「標的はどこだ!?」

「…」

FBIの男性たちは何も言わずに私を見ている。みんな背が高い。

そして、上官そうなスーツ男性が、

「この子供は?」

「新しい同僚だ。部下ではないぞ」

「我々は自分の請負会社があるが、仕事を平民に任せるない」

男性は軍人気質の語調で、

「我々はお前らのことを知らない。お前らの行為は俺たちと関係ない。お前らが死んでも俺たちのことではない。早くどけ。やりたいことを勝手にやれ」

「ほいほいー」

「その個体は集団が怖がってる憶病者、各々行動するほうがいいよ。早く消えろ」

「行くぞ、みこ」

「あう」

コリーンさんは私の頭をなでなでして、

「そいつの言う通り各々行動しよう。オレは南の区域に行く、お前は西の放棄建物に行く。目標を見つけたら全力で攻撃して目標を倒し、ここのクズ共に渡す。その未知個体は硬いから手加減はしないぞ?じゃなぁ」

「あ、あの?」

「あの、このクズ共と話すなよ。こいつらの職業病は心理技法で人を支配すること。気を付けないと支配されるぞ」

私の戸惑いを無視して、コリーンさんは離れた。

私は一人でここに残った。

「…」

テンパっていて、私はFBIのおじさんたちに目を向けた。

「なにする?俺たちと一緒に帰ってFBIビルで休みたい?」

「いいえあのすみません邪魔しました!行ってきます!」

私は慌ててその場から逃げました。

嫌だなぁ。

稲荷様の直属退魔巫女として、もっと気合いを出さなくちゃ…

(人・ω・)。o↓↓↓

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