ステーキを喰いつつ
「お好きに座ろう。今日からこれはあんたのお家だ」
コリーンさんのお家は狭いキャンピングカーでした。
狭くて、臭い。それにたくさんキノコを飼ってる。小さな空間なのにゴミと服とキノコがいっぱいだ。
「一緒に住もうぜ!昼ごはん食べた?いやお前にとっては朝ごはんだろう。作ってあげるさぁ!まずはなにを飲む?日本人はコーラを飲む?」
「…コーラくらい飲みます!」
「じゃ待っててなー。食卓区域に座ろう」
こうしてコリーンさんは小さいバーカウンターで飲みものを作り始めた。え?カクテルみたいな使い方で作ったコーラなの?
「はいコーラ」
「…ありがとうございます」
「あと、スプレーガンで温めたステーキ。18オンス」
「!?」
コーラと共にステーキと焼きキノコが私の前に置かれた。これがアメリカの朝ごはん!…
「食べながら聞け、みこ。オレたちは依頼を受ける人だ。クライアントの任務を遂行するとお金もらえる。お前がいるともっとたくさんの任務を受け入れるー!」
と言いながら、コリーンさんがトーストを持ってるように自分のステーキを取り上げて食べ始めた。ステーキって食べ方はトーストと同じなの?
「さぁ、すぐにやってみる?やりたいのなら今日に出発できるよ」
「半日かけて自分の能力を確認したいです。そもそもその依頼って合法ですか?」
「合法というか、オレのクライアントはほとんど法を超えたやつだ。半日必要だっけ?じゃ夕方にオレと一緒に出発しようぜ。お仕事だ」
と、ステーキを喰いつつ説明して、
「ある未確認生物がスカンクワークスから逃げ出した、FBIもCIAもDHSもみんな彼女を探している。殺し合うほど互い譲らねぇ。オレたちの目標はCIAと州兵の先に彼女を確保してFBIに渡すことだ。オレたちがすると名義上では民間人に確保される。お楽しみー」
「…」
資訊量が大きい。ステーキもコーラも大きい。強くなるためにここに滞在するけど、その前に私は喉に詰まって死ぬかも。
「なんたそのうんこに血がつけてる顔は」
「肉は大きいです」
「獣の血肉を自分の力にすることができないやつは強者にならねぇぞ?どんどん食べな」
「それにここは狭くて臭い」
「初めてアメリカに来たやつはみんなゼロから始める。元CEOだってブルーカラーになる。だから文句をするな」
…仕方ない。
これも修行ね。今は我慢しないと。
「おや、どこ行く?」
「外で修行します。あと、よろしければ私はこれから自分で故郷の料理を作りたいです」
「いいぞー、ネットでは日本の食材を買える。じゃこれからご飯を頼むぞ」
(人・ω・)。o↓↓↓