カリフォルニア
昔に先輩が言ってた、霊脈を転移する、その本質は置換。陰陽を操れない私は理解できなく、知ってるのは私は霊脈によって遠い場所に転移させられるだけ。
目が覚めたら私はある日差しが強い場所に立っている。
暑い。周りはまばらな木がある砂漠、それと長い地平線。こんな地平線を見た瞬間に、私は「ここは絶対に日本ではない」という事実を理解しました。
ここ、どこなんだろう。
スマホは使えなくなった。持ってるものは檜扇しかない。知らない大地に立っているけど、自分の安全を心配するより私はみんなのことを考えてる。
神社が破壊された。稲荷さまと他の巫女は全員安否不明。凜先輩は「私を救う手段はここに転移させるしかない」と判断し、霊脈で私をここに転移させた。
「なんですか、これは…」
一人で果てがない砂漠で座って、迷いながら泣いている。行く場所がない。ここはどこなのかわかんない。先輩の話によると、今の私にとって日本は危ない場所、帰ると危険がある。
帰りたくなったらまずは強くなくちゃいけない。これが凜先輩の、私への最後の判断。たとえ凜先輩の判断に従って修行を始めたくても、その前に巫女服と檜扇しか持ってない私はどこへ行けばいいだろう。
「まずは人がいる場所へ行かないと…ん?」
制服の人がいる。
警察?どの国の警察なのかわからない。慎重に対話してみるか?と思ったけど、怪しい。道が見えないのに警察がいるなんて。
私はその中年男性警察官の目を見てみた。
「おい、おい!お前!」
「え!?」
英語だ。
警察官の叫び声を聞いて、私はここがアメリカだと分かりました。
「あ、あの」
「子供一人でこの砂漠で何している!こっち来い!」
サングラスをかけてるので警察官の目は見えないが、その大きな身体から威厳を感じ取れた。やはり警察の話を聞く方がいい?…
「あ、あの!」
学校で英語を勉強したことがあってよかった。
「ここはどこなんですか?…」
「ここは危険だ。お前はまずはパトカーに乗れっ、あとで教えるんだ」
パトカーが警察官の隣にある。
いいや、さっきこのパトカーがあったっけ?そもそも道がないのになんでパトカーが現れた?
「すみません。私はたくさんのことを聞きたくて、まずは…」
「おとなしくパトカーに乗って俺と安全な場所に帰る、逮捕されて監獄に入る。選べっ」
警察官が拳銃を取り出した。
初めて銃口を見た私は頭が真っ白になった。
「俺はもう一度言わない。手を見せてパトカーに入れ!」
どうしよう。
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう。
相手は警察官だから悪い人ではないはず、多分。本当に警察署に行って警察たちにちゃんと説明するしかないなぁ?
「…」
私は手を挙げました。どうやら警察署に行かなくちゃならないみたい。
私はどうなになるんだろう。人口数1万の平凡な町に生きていて他の県に行ったことがないのに、いきなりアメリカの警察と話さなきゃならないなんて。
私はおとなしく「ハイウェイ・パトロール」と書いてあるパトカーのドアに到着した。
そしたら、
銃の音を聞いた。
「!?」
警察官もすぐに倒れた。
慌てて音を確認したら、数メートル外に拳銃を持ってる外国人女性がいた。あの人が警察官を…?
「あなた!…」
怖くなった私は震えながら檜扇を取り出した。絶望しすぎて戦うしかないと思った。
「殺した?この人を殺しました!?」
「子供?日本の巫女?なんでこんな場所にこんなものあるよー。オレが警察を殺したって?自分の日本目でしっかり見ろう」
だらしない服の美人女性は日本人女性が想像できない粗野口調でこう言った。
私は再び警察官の身体を確認した。
地面にあるのは警察官の身体ではなく、タイヤと電線とかの黒い廃棄物でした。
「なんで…」
「この1年間食べられた女性は22人、お前はもう少しで23人目の被害者になるところだったなぁ。お前、もしかしてエサになるためにここに来たかい?」
「だからどうしてですか!?ここはどこなんですか!?そもそもあなたたちは、一体、なにものなんです?…」
「40号高速道路の近くだ」
「どこの?」
「カリフォルニアだ。さぁ巫女、オレだって質問したいことあるんぞ」
金髪の美人女性がこっちに来た。背が高い…
「お前はここにいる理由すらわからないみたいだなぁ。他に用事がないならオレの車に乗れよ。まずはこの危ない場所を去らなくちゃいけないんだ、どう思う?」
「…」
人間誰でも善の本性がある、私はこう信じてる。
目の前にいる女性を信じるしかない、か。