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7話  幻想世界の食糧事情

ほぼ世界観の説明なので飛ばしても大丈夫です。

 【 5歳 晩春 】



 この世界の食材についての聞き取り情報である。

前世の知識が消える可能性もあるからな、欲しい物を作ろうって記憶で上書きしとかねば。

厨房長かメイドさん、よろしくお願いしまーーす。



 穀物

米や蕎麦もあるようだが麦の生産が一番多いらしい。食べ方のせいだろうか?

結局全部粉にして水でまとめて寝かせて焼く、もしくは茹でる、これが見つけやすかったのかもしれない。

多分だが、小麦を籾摺(もみす)りした後は精米の過程を飛ばしている気がする。粥だと外側が結構固めだ。

           ※ 米でなくても(ぬか)を落とす事を精米と呼ぶようです。


蕎麦は粥として食べている。流石に麺としては出てこない。

米も何度か出たらしいが記憶にないので、粥に混ぜるなどで食べたのだと思う。頻度からして、この地では作ってないのかもしれない。


精米する文化があるのかは不明だな、出るものは今のところ未精米でしか見たことが無いからだ。


芋はあるがこの地での生産は少量らしい。消費と保管の関係でかぼちゃの方が優先されているようだ。

極太の山芋みたいな形状で小さく刻んで焼いて食べたりする。

芋に関しては果物と同じ扱いで、住人が都度収穫して消費しているらしい。

倉庫に入れても常温保存になるからな。


芋が良く採れ食べるのは北の地方なんだとか。

こちらと同じ種類かジャガイモかは判らないのだけどね。


豆類は豊富、ただ間引きなのか普段はさやえんどうみたいな状態で食卓に乗る事が多い。

そして冬は豆の状態での比率が上がる感じだな。



 塩

海水からの製塩技術があり海水塩が主流、岩塩は存在するが国内に生産地は無いらしい。

主な生産地が王都とその周辺らしい。


今でも製塩で国を治めてる時代なのだろうか?

一気に文明レベルが古くなったな。元の世界なら紀元前だぞ?



 砂糖

この世界、糖分の供給には余裕あるようだ。

なんせ人口が多くない上、植物がでかいのでハチミツのようなものが大量に採れる。

まぁ、従事者の死亡率もそこそこ高いらしい。主に平野部の領地が生産地のようだ。


間違わないで欲しいのだが、養蜂なんてものは無い! あくまで、()()()()()である。

蜂もでかいが花もでかいからな。だから変な器具を使って花から直接集めるんだよ。


近づかなければ蜜蜂自体に攻撃性は無い。もちろん時期によっては攻撃的になったりはするけどね。

ただ、大きさが拳二つ分くらいあり、突っ込まれるとなかなか重い正拳突き(ストレート)となる。

問題はこの蜂を狙って鳥まで突っ込んで来る事があるんだとか。当然、事故るよね……


どうやら蜜蜂は鳥にとって美味しいらしい。鳥って甘い物好きとかあったっけ?

異世界だから深くは考えないがな。



甜菜(てんさい)砂糖黍(さとうきび)らしき物は確認できなかった。

まぁ、砂糖黍はもっと南の国になら在る可能性もあるかな。

真逆でメイプルシロップはもっと寒い地域だろうし期待はできない。


いやまぁ、あったとして煮詰める工程で苦労するか。


……いやいや、塩ができるならどうにかなるのかな?

見つけたら考えるか~



 果物

保存は困難なものの、種類も多彩だし季節毎に色々ある。

イチゴやトマトのような地面に植えるものも無くは無いが、多くは果樹だ。


裕福とかじゃなくホントこの世界、植物が強いのだ。

時間を止める方法も無いし、手間を掛けて冷蔵するより収穫時期の異なる物を植えてるらしい。


同様の理由で輸送が困難なので他領との輸出入は無く、領内で生産している物だけが流通しているらしい。だが大体美味しいし冬以外足りなくならない。この辺は植物が強くて良いとこだな~


冬でもナッツ類の備蓄があるし間食にも困らない。ほんと発展して無いだけで貧困では無いな。

食べ物は塩以外はほとんど自領で生産なんだとか。美味しくて幸せ。


……話が逸れた。



 野菜

葉物野菜は結構硬い気がするが、品種改良されてなければこんな物なのかもしれない。

味もな……


根菜がちょっと特殊で、何種類かあるのだがほぼ人参に見える。

色が違うと味も違うので別物だとは思うんだが、何故か食感だけは全て同じ……


見栄えは悪くないんだけど、白い人参と赤い人参のスープとか食べてるとジャガイモや玉ねぎが欲しくなったりする。色んな色のパプリカだけの炒め物とか嫌だろ? そんな感じよ。

品種改良する方向、間違ってるだろ。



 肉

虫の肉が主流、鳥はすずめっぽい何かと渡り鳥的な何かを狩るようだ、両方でかい。

虫は足やハサミなどを食べる。蟹に近いと言えば近いかな。


この項目だけは詳しく聞きたく無いっっ 許して欲しい。

大量に捕れましたなんて聞きたくないだろ? 俺も鍋を覗きたくもねーよ。



畜産としては山羊になるんだが、これも結っ構ーでかい。

乳も取れるらしいがでかいので事故も良く起きるらしい。


獣肉としては森で鹿、猪を狩る方が良いのだが、こちらもでかいので事故が多いらしい。

猪はそうでもないが鹿がまぁ、かなりやばいサイズである。しかもそれを狩る狼も居るらしい。

一応、狼と人間は争わないようだ、こちらからも手出し厳禁との事。


狼側も集団戦はしたく無いようで近寄らないそうだ、もちろん大き目だぞ。

たまに獲物でかち合っても内臓周辺を残すとそれだけ持って撤収してくれるらしい。かなり賢い!


狼から見たら待ってれば食べる部分を取り出してくれる訳だし、人間はスーパーの鮮魚売り場担当と同じ扱いかもしれんがな。まー、獲物の肝臓だけでもかなりのサイズで持てないからな、襲われなくなるなら渡した方が良い。


こうなって来ると人間が小さい世界なのか?


森の獣は頻繁に狩れる訳では無いし、冷蔵庫も無いので偶にしか食卓に出ない。

虫は平地に出てくるので結構狩れるようだ。


塩がもう少し安く流通していればベーコンなんかも出来るんだろうけど、今の状態なら獲れたら食べるのが丁度良いのかもしれない。


あと、こっちの鹿は脚が6本だ……

脚の数と大きさ以外は確かに鹿なんで、取り敢えず俺は鹿と呼んでいる。

森の中の戦闘なので年間、結構な犠牲者が出るらしい。



 卵

卵はうずらからだ。たぶんな。

多分うずらだとだとは思うんだが、殻も厚いし前世の鶏の物より遥かにでかい卵……

模様はうずらだ!


養鶏はしてないようで卵は頻繁に出ない。

捕えれないし餌も用意できそうも無いしな。

そもそも「にわとり」が居るか不明なんだがな。



 魚

川魚が結構いるらしいがサイズはあまり大きくない。安心だが残念でもある。

うなぎは居ないようだ。沢蟹が少し居るが小さい。


一体どういう原理なのか、陸の生物が大きいのだろうか? 食べてる物に違いがあるのか?

元の世界でもトカゲが大きかった時代があったわけだし、厳密な理由が存在するか不明なのだが……


川の産物はほとんど食卓には上らない。漁師や養殖従事者は居ないし、暇つぶしで釣りをする人も居ない。天災などで農作物に被害が出たりすると食用に捕る事もあるんだそうだ。



 漬物

酢漬け、塩漬けがあるようだ。秋に漬けるので今は殆んど無い。

塩が高いため酢漬けの方が多いかな。


干し肉と同様で秋口に作った物を冬と春に消費する。

量は少ないが(オイル)漬けも存在するようだ。



 油

動物性、植物性の両方がある。

糖分と同じで周りの生物が大きいので余裕がある。


精製する部署が領内に存在し、食用以外に工業用も製造しているらしい。

獣脂だけでもかなりの量が取れてるからな。



 香辛料

胡椒と唐辛子がある。サイズが違うので別物だろうが味は似ていた。

気候的に探せば山椒なんかもどっかにありそうな気がするんだけど、ここでは使ってない無いようだ。

バジルに似たハーブもあるが大半は知らない物だった、ただ美味しいから得した気分だ。


これで茶が無いんだものな~




 【 夏 】



 思考を止めたらそこで終了さ。好奇心のままに動くぜ~

もちろん、迷惑の掛からない範囲でだぞ。


 お酒

そこそこ豊富らしい。蒲萄と林檎のお酒があった。

主流なのはひまわりっぽい物の醸造酒なんだとか。

これから酢も作られているらしい。

他の穀類で作らないのは主食だからのようで、山に囲まれて居ない領ではそちらが主流のようだ。


見に行こう~


大して見るものが無かった……

倉庫に(かめ)がいっぱいあるだけだった。

こっちの世界では木で出来た樽が無く、ほとんど壺か甕なんだよ。想像よりでかい壺だけどな。


秋にもう一度見に来よう!



 うま味調味料

難しいとは思うが探してみたい。

ひとつ目は海草だが厨房では使ってなかった。

次がキノコ類、シイタケのようなものだな。きのこ自体は結構あるが、干物にして使うものは無いようだ。粉末や刻んだりペーストにしたものも無し。

そして、鰹節や煮干しのような物は当然無い。魚食べないもの……

いつかは欲しいな~



 乳製品

山羊の乳が原料のチーズが存在する。

ヨーグルトも常備してはいないが食べれる認識ではあるようだ……


それをパンに入れたら良くないか?


手間が多くて出来ないらしい……

そりゃそうか、毎日ヨーグルト作ってられないし、冷蔵庫も無ければ無菌室も無いんじゃ失敗が怖すぎる。



 醸造系調味料

醤油は無いが味噌っぽい物はあった。

材料が小麦や大麦の所為か見た目は甜麺醤(てんめんじゃん)っぽいかな?

絞っても醤油なんて出そうにない感じ。


もちろん、味醂(みりん)も無し……


作る価値はありそうだが、まずは材料か~


結局は塩の流通量で加工品の製造量が決まってしまうな。




 食べ物は一時中断、文字もだが絵も練習しよう!

本の出来が怪しいのだ、絵で食ってく事もできるかもしれん。


どのみち領内を歩くならスケッチの練習をしながら行こうかな。砂盆にだけど。


ほんと紙が欲しー、色鉛筆が欲しーっ




 練習ついでに砂用の極細のコテを作った。

種類を増やし、自画自賛できる程には技量も上がっている気がする。


だがしかしだ。


このままだと画家じゃなく彫刻家か左官(さかん)になりそうな気がする!

           ※左官…… 壁等を平らにする建設職の一つ


俺の明日はどっちだ!

我、超迷える子羊っ!!



遅れましたが、明けましておめでとうございます。

ゆっくりですが確実に進めていく予定です。


あらすじを修正しました。キーワードも少し追加です。

初作品なので機能を少しずつ理解し、修正していってる感じです。


世界観の為とは言え、設定を長々と説明する文章はダレますね。

面白く説明できる方を尊敬します。


麦の精米(精麦)は米と硬度が異なるため扱いが異なりますが、それを主人公は知りません。

精米の知識があるのに精米された物を経験していないので誤解が生じています。



今日と明日で3話ずつ、計6話の投稿を予定しています。



西井シノ さま よりレビューいただきました。

ありがとうございます。今後も励みたいと思います。

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