オーディオドラマ『幽霊』
キャスト
幽霊…男女どちらでも可
人間…男女どちらでも可
ラジオドラマ『幽霊』
人「いやー今日も疲れたなぁ。あれ?真夏だって言うのになんだか寒気がするな?」
霊「うーらーめーしーやー」
人「それに心無しか身体も重い。」
霊「うーらーめーしーやー」
人「やっぱり働き過ぎかなぁ。早く寝ないとなぁ。」
霊「あれ?…うーらーめーしーやー」
人「日本人の悪いくせ悪いくせ、明日会社休もうかなぁ。有給溜まってるし。」
霊「あれ?聞こえてない?…ちょっと強めに言った方がいいかな?…うらめしやー!!」
人「うわっ!びっくりした!」
霊「あ、やっぱり聴こえてた。」
人「幻聴聴こえた!やばいな相当疲れてるよコレ!」
霊「幻聴じゃないよ〜。幻聴じゃない。話しかけてるよ〜。」
人「うわ〜、幻聴が「幻聴じゃ無いよ」って語りかけてくる!幻聴とか生まれて初めてだから解らないけど皆んなそうなのかな?」
霊「そんなわけないよ〜?私は幻聴じゃ無くて霊だよ、レ・イ」
人「え!?レイ!?レイってあの?」
霊「あの?が何なのか解らないけど多分そのレイだよ〜。」
人「うそでしょ?マジで?」
霊「マジだよ〜。」
人「アムロ・レイ?」
霊「違うよ〜。ワタシはニュータイプじゃないよ〜。むしろどちらかと言えばオールドタイプだよ〜霊だし。」
人「降谷零?」
霊「それも違うよ〜。」
人「え?声同じじゃない?」
霊「いや声は同じだけどその違うじゃ無いよ〜。ワタシはトリプルフェイスじゃ無いって話だよー。むしろ顔ボヤけてるよ〜霊だし。」
人「ああ、綾波レイ」
霊「違うよ〜。ワタシの代わりは確かにいっぱいいるけど。そこいらじゅうに浮遊霊いっぱいいるけど。十四歳じゃ無いからね〜。何歳だかもう思い出せないから〜霊だし。」
人「じゃあまさかレイ・スカイウォーカー?」
霊「違うよ〜。フォースは使えないよ、似たようなモノだけどどちらかと言うと妖力だよ?「お前が求めている繋がりは、過去には無い。未来にある」と言われてもワタシに未来は無いよ〜霊だし。」
人「今日の授業はここまで!起立!」
霊「礼!違うよ〜。なんでやねん。もうええわ。」
人「ありがとうございました〜。」
霊「…いや違うよ〜終わらないよ〜漫才じゃ無いよ〜。」
人「えー?んじゃあアレかな?幽霊!」
霊「違うよ〜。…いやそうだよー急に当てないでビックリして思わず否定しちゃった。」
人「いやいや幽霊なんているわけないじゃない。」
霊「あれ〜?せっかく当てたのに?会話までしてるのに?」
人「いや〜いくら会話が出来ていたって目に見えないモノは信じられないよー。疲れているから幻聴くらい聴く可能性有るし、その幻聴と会話する可能性も否めない。」
霊「いや否めるよ〜。普通幻聴と会話しないよ〜。」
人「いやー霊に「普通」とか言われても?超常現象に「普通」とか言われても!?」
霊「あー、じゃあもうめんどくさいから信じて貰うために姿見せるよ〜。」
人「え?マジで?」
霊「マジだよ〜。」
人「出来るなら初めからやればいいじゃん。なんでやらなかったの?手抜き?」
霊「ごめんね〜。ワタシもまさか声かけた人がこんなに頑なな捻くれ者だと思わなくてね〜。」
人「口が悪いな。」
霊「お互い様かな〜。まあとにかく姿現すからね〜。ヒュードロドロドロ」
人「待って?」
霊「何?」
人「何今の?」
霊「今の??」
人「今のヒュードロドロドロってヤツなに?ふざけてるのかな?」
霊「いや、ヒュードロドロドロは霊が現れる時の定番のBGMだよ〜。」
人「…なんで?」
霊「なんで?」
人「なんでヒュードロドロドロなの?怖くないじゃんヒュードロドロドロ。逆に聴くけどコレ怖い?行くよ?ヒュードロドロドロ。」
霊「確かに怖くないね。むしろ若干イラッとするね。」
人「ほら。言わんこっちゃない。」
霊「でもそうしたらワタシはどうやって姿表したら良いのかな?」
人「無音じゃダメなの?いきなりスっと現れた方が怖くない?」
霊「言いたいことは解るけどワタシの流派だとソレはタブーなんだよね〜。」
人「霊の出現方法に流派とか有るの?」
霊「有るんだよね〜。ごめんねめんどくさくて。重いよねごめんね。」
人「いや確かに重いけど、別にどっちでもイイよ。」
霊「ありがとう。じゃあ改めて、どんな事言いながら現れたら怖いかな?」
人「うーん…ストレートに殺すぞーとかは?」
霊「ヤクザかな?別の意味で怖いな。もう少しマイルドな方がいいなー。」
人「じゃあ、呪うぞーとかは?」
霊「ワタシの流派、呪いとか無いんだよね。ちょっと脅かしてびっくりしてる顔みて満足して帰るだけ。」
人「目的がペラッペラの霊だな。んじゃあ「お前の肩に◯◯(自由)止まってるよ?とかは?」
霊「他力本願過ぎるね。自分の力で脅かしたい。」
人「注文が多いなぁ。もうめんどくさいから「わー!」で良くない?テンション高く「わー!」って言いながら登場すれば?」
霊「テンション高い霊って何?居る?そんな霊。」
人「居る居る!海外のモンスターとかだいたいテンション高いから!ワーギャー煩いから!」
霊「うーん、わかったよ。んじゃあ試しにやってみるよ〜。「わー」」
人「…ん?どこ?」
霊「こっちこっち。」ん
人「どっち?」
霊「右右?」
人「え?右?」
霊「違う違うこっちからみて右だからアナタからみたら左。」
人「あ、こっちかぁ。」
霊「なんだか全然脅かしてる感じ無いなぁ。」
人「向いてないんじゃ無い?」
霊「存在全否定しないで?」
人「ん?あれ?何かボヤけてて良く見えないんだけど?」
霊「さっき降谷零のくだりの時にも言ったけど基本霊だからね〜。姿ボヤけてるんだよ〜。」
人「もうちょっと頑張れない?」
霊「うーん、ヒュードロドロドロなら調子出るんだけど。言ってもいいかな?」
人「ホントは嫌だけど、しかたないよね。いいよ。」
霊「え?いいの?」
人「一回だけだよ?特別だからね?」
霊「…めっちゃ優しい。」
人「よせやい照れるよ。」
霊「優しさで成仏出来そう。ありがとう。」
人「え?うそ?」
霊「ありがとう。生まれ変わったら幸せになるよ。」
人「いや、ちょっと待って気になる!姿気になるからせめて姿見せてから成仏して?」
霊「さよ〜なら〜」
人「ええぇー!?…マジかぁ…。」
終わり