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ETRAL  作者: E:自由なめこの輪
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第8話 謎の剣士

トパル(…。ナガルは私と一緒に集めましょう。)

エートラ(トパルもお兄さんになったなぁ。)

トパル(くだらないこと言わないでください。)

エートラ(はいはい。)

そうして、エートラと2匹は食料を探して別れました。

トパル(これで2匹ですね。)

ナガル「?」

トパル(あなた屋敷でサムという人につれていかれそうになったときに喋りましたよね?喋ったと行っても心の中でですが。)

ナガル「ガァ。」

トパル(喋り方がわからないのかな?)

数十分が経ち、ある程度の野草が集まったのでエートラが集合地点に帰ろうとしたときのことです。

"ドンッ!"と爆発のような大きな音がしました。その方向を見ると、夜の森が明るくなっています。

エートラ(あれだ!)

エートラは目的の馬車の可能性を考え、少し近付いて様子を見ることにしました。

森が燃えて明るくなっている、その場所では、鎧に身を包んだ細身の剣士と貴族の護衛たちが戦っているようでした。

エートラ(残念、荷馬車じゃない…。それにしてもあの人たちは、何でこんな所でこんな時間に?)

貴族「おい、なぜその魔物を庇う!」

剣士「なぜ…?お前たちは人間同士で協力したりしないのか?」

貴族「それとこれとにどう関係がある!さっさとそこをどけ!」

剣士「…。能無しには言葉も無しだな。」

剣士が鎧兜を取ると、中には誰もいません。

エートラ(!!)

貴族「な…お前も魔…」

剣士は貴族が言い終わる前に、貴族とその護衛の首を刎ねてしまいました。

エートラ(強っ…。)

剣士「誰だ?まだいるのか!?」

エートラ(え、私?ばれてる!?)

剣士「ばれてるってどういうことだ?」

エートラ(やっぱり…。)

剣士「ところで、そこの、頭の中に話しかけてくる君、魔物ではなさそうだが…いったい何者だ?」

エートラ(どういうこと?トパルが私の頭の中に話してたんじゃなかったの?)

剣士「出てきてくれないか?」

エートラ「うぅ…はい。」

剣士「やはり人間か。君みたいな弱そうなのがこんなところで何してるんだ?」

エートラ「一応旅の途中です。ロロル王国に行こうとしてて…。」

剣士「君一人でか?」

エートラ「友達と3人?でです。」

剣士「へぇ、そうか。この辺、特に夜はああいった奴も多いから気を付けてくれ。それとも、人間には私のほうが危険に見えるかな?」

エートラ「いえ…そんな。貴女はそこの傷付いた子を護ってたんですよね。」

剣士「ああ。奴らはここ最近、オコン族ばかり狙っているという話で、族長から私に護衛の依頼が来ていたんだ。」

剣士はそう言うと、兜を元の位置に戻しました。

エートラ「その気持ち、分かります。」

剣士「そう言えば、君は私の中を見てもあまり怖がっていないね。」

エートラ「え、そうですね。」(普通に怖いけど…。)

剣士「あはは、頭の中の声は君の心の声だったのか。」

エートラ「あ、すいません…。」

剣士「いいんだ。自分と違うことや、分からないこと、新しいことを怖いと思うのは当然だからな。」

エートラ「剣士さんも怖いものがあるんですか?」

剣士「ああ、勿論。しかし、剣士さんか…。」

エートラ「えっと、何か…?」

剣士「いや、今まで人間とこんなに話したことがなかったからな。私を含め魔物たちの多くは、種族名だけで特別な名前がないんだ。よかったら君が名付けてくれ、人間にも分かりやすい名前で頼む。」

エートラ「え、私ですか…そうだなぁ。」

エートラは偶然出会った中身のない鎧の女剣士に名前をつけることになりました。エートラは悩み、20分程の時間が経ちました。

剣士「あの、まだ…かな?」

エートラ「メルセル…とかどうですか?」

剣士「メルセルか…いい名前だな!」

エートラ「気に入ってくれて良かった。」

メルセル「いい名前をつけてくれたし、君が気に入ったよ。良かったらロロル王国まで護衛させれてくれ。」

エートラ「えぇ!いいんですか。」

メルセル「私もロロル王国に用があったんだ。」

エートラ「そうなんですね。町の中に入っても大丈夫なんですか?」

メルセル「ああ。ここやロロルは魔物の立ち入りを禁じてないからね。それに君がいれば、捕まったり、討伐されたりすることはないだろう。」

エートラ「そうかな。メルセルを倒せる人なんていないと思うけど…。」

メルセル「そんなことはない、私より強い者など幾らでもいるさ。」

エートラ(メルセルより強いなんて考えられないなあ。)

メルセル「ふふ。それに、もしものことは幾ら考えても考えすぎなんてことはないからね。」

エートラ「?」

メルセル「ほら、鎧をかぶったら私が人間か魔物かなんてわからないだろ?」

エートラ「本当です。便利ですね。」

メルセル「ふふん。さぁ君の仲間のところへ案内してくれ!」

エートラ「うん。」

エートラはメルセルを連れて2匹の元に戻りました。

エートラ「そういうわけでしばらくの間一緒に行動するから。」

メルセル「よろしく!」

トパル(どういうわけなんですか。まったく、遅いとおもったら…。)

ナガル(…。)

エートラ「皆、メルセルがよろしくって言ってるんだから、挨拶してよ…。メルセルってめっちゃ強いんだよ!さっきも3人ぐらい一気に殺してたんだから。」

トパル(すいませんでした。よろしくお願いします。)

メルセル「あはは…。」

エートラたちはそのあと食事をしながら自己紹介などをして、食事が終わると眠りにつきました。

そして次の日…。

エートラ「さぁロロル王国に行こう!ナガル頼むよ。」

ナガル「ガァ。」

メルセル「ナガル君でロロルに向かうのかい?」

エートラ「そうだよ。メルセルも後ろに乗って。」

メルセル「あぁありがとう。」

エートラ「トパルはいつものどおりナガルの頭の上。」

トパル(何でいつもどおりなのにわざわざ言うんですか。)

エートラ「ん?なんかパーティーっぽいなって思って。」

トパル(はあ。パーティーですか。)

エートラ「うん。メルセルもそう思うよね?」

メルセル「そうだな。私は今まで他の者と動くこともなかったから、こういうのは新鮮に感じるよ。」

エートラ「良かった!」

2日間、エートラたちはロロル王国を目指して進み、3日目の昼頃には国境を越えました。そして、日も落ちかけた頃…。

トパル(エートラさん、看板です。)

エートラ「あ、"ん"が付いたからトパルの負け~!」

トパル(なにふざけたこと言ってるんですか。看板ですよ。)

エートラ「うわち、痛い痛い!ちょっと、落ちるって!メルセル何とかして!」

メルセル「はは、2人とも忙しそうだから、私が看板を視てこよう。」

エートラ「ちょっと!」

メルセルが看板を調べに行った間、2人はそのまま遊んでいました。

メルセル「視てきたぞ。この先にカゴメという町があるそうだ。」

トパル(ようやく目的地ですね。ここまでで荷馬車ともすれ違ってませんし、エートラさんの考えすぎだったみたいですね。エートラさん…なに寝てるんですか?)

エートラ「うーん…。」

メルセル「この町が目的地だったのか?」

エートラ「そうだったの?」

トパル(エートラさんが聞いてきたんじゃないですか。)

エートラ「そうだっけ?」

トパル(はい。私達の目的はここ、ロロル王国の前にあるカゴメです。)

エートラ「トパルは覚えてたの?教えてくれれば良かったのに。」

トパル(頭の中を見れるんだから、私が考えてるときに聞けばいいじゃないですか。)

エートラ「なんかブツブツ言ってるとは思ってたけど。」

トパル(…。)

メルセル「あのー、私はロロル王国に用があるんだが…。」

エートラ「そういえば…。」

トパル(もう食器が無事な事はわかったようなものですし、ロロル王国に行きませんか?)

メルセル「いいのか?」

エートラ「もともと私が間違えちゃったんだし、最後までつきあうよ。」

メルセル「ありがとう。私も君達との旅が楽しいから、もっと話をしたかったんだ。」

エートラ「本当?よーし、ロロル王国に出発だ!」

トパル(もうそろそろ日が暮れますし、カゴメに寄っていきませんか?)

エートラ「そう?でも、野宿でいいよ。ナガルもバッグに仕舞わないといけないかもだし。」

トパル(そうですか。)

エートラ「あれ、怒らないの?」

トパル(何で怒るんですか。)

エートラ「いつも怒ってるじゃん。"私の意見にしろー"って。」

トパル(そんなこといいました?いつもエートラさんが考えなしに進むからですよ。私も納得するときは納得します。)

エートラ「えー。そうなんだ。」

トパル(そんなに怒って欲しいなら怒りますよ。)

エートラ「わっ、そういうわけじゃないって。」

メルセル「君たちは本当に仲がいいな。」

ナガル「ガゥ。」

こうしてエートラたちはカゴメ近くの森で一夜を明かしました。

エートラ「わぁぁ、おはよう…。」

トパル(やっと起きましたか、もう昼ですよ。)

エートラ「え!早くロロルにむかわないと!」

エートラは急いでナガルに飛び乗りました。

メルセル「ちょっと待てエートラ、朝食をとらないでいいのか?私達は魔物だから食事は要らないが、エートラは人間だろう?」

エートラ「あーでもそんなにお腹すいてないし、大丈夫かな。」

メルセル「そうなのか。人間も魔物までとはいかないが、食事は必要無いのだな。」

トパル(メルセルさんは人間の知識をどこで学んだんですか?)

メルセル「まあ、いろいろとな。襲ってくる人間を返り討ちにしているだけでも、人間の道具はいろいろ手に入る。」

トパル(なるほど。本とかですね。)

メルセル「ああ。文字の読み書きも大体はそれで覚えた。人間のようにスラスラとはいかないが。」

エートラ「全然気にしてなかったけど、そう言えば、看板読んでたね。」

トパル(気にして下さい。それにしても、エートラさんは食事をしなさすぎでは?2日前から何も食べてないですよ。)

エートラ「そんなことないよ。移動中に少しは食べてるし。このなんかクッキーみたいなやつとか、あと…これとか。」

トパル(草…。)

エートラ「草だけど?」

トパル(まぁ活動に支障は出てないのでいいですけどね。)

エートラたちは移動し続け、とうとうロロル王国についたのでした。

エートラ「ついたね。」

メルセル「あぁ。」

エートラ「ここでお別れなんて寂しいね。そういえばメルセルの用ってなんだった…」

メルセル「ふふ。」

エートラ「…メルセル、何で剣を抜くの?」

メルセル「ふはははは!」

トパル(エートラさん周りを見てください。)

エートラ「ロロルの兵士に囲まれてる!?」

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