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ETRAL  作者: E:自由なめこの輪
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第5話 ナガルの指輪

エートラ(まぁ一回つけるくらいならいいよね。)

エートラはナガルの指輪をつけてみました。つけるとトパルのときと同じように、指輪の文字が光りました。

エートラ「これで声が聞こえるかな…どう、ナガル?」

エートラがナガルに声をかけました。

ナガルもエートラを見ていますが、ナガルの声は聞こえません。

エートラ(あれ…これで聞こえるようになるわけじゃないのか。お店の人もそんなこと言ってなかったし。と言うかナガルには初めて出会ったときから、言葉が通じていたような…もしかして話さないだけで、みんな魔物と会話できるんじゃない?)

トパル(そんなわけないですよね。私が話せたのはエートラさんだけです。)

エートラ(ナガルは無口なのかなー?)

トパル(私が凄いのかもしれません。)

エートラ(わぁ、凄いね。)

トパル(…。種族とかで差があるのかもしれません。)

エートラ(とにかく、シロイヤに行こう。地図によるとかなり遠いし。)

トパル(まさか歩いて行く気なんですか?)

エートラ(ナガルが歩くよ!)

そう言うと、エートラはナガルに乗りました。ナガルもエートラに乗られることに慣れたらしく、別に驚いたりはしていません。

そうして一行はシロイアに向かって進み始めました。途中、エートラが寄り道で道草を摘んだり、トパルが寝ているエートラに押されて背中から落ちたりしましたが、大きな問題はありませんでした。

そしてエートラたちは、シロイア領とダルカール領を別つ山脈にたどり着きました。

エートラ「ここから先はシロイヤだね!」

トパル(また心の声が出てます。)

エートラ「今のはナガルにも聞こえるように声に出したんだよ。旅仲間だからねー。」

エートラたちは山を越え、川を渡り、とうとうシロイアの城下町にたどり着きました。

大きな門があり、兵士が沢山います。

エートラ「長い旅だったねー。」

トパル(寒いです。)

エートラ「トパルって寒いのダメなの?」

トパル(はい。寒いのダメ系魔物なんです。)

エートラ「へー私は暑いほうが嫌だな。」

トパル(そうですか。なら…)

エートラ「あの門からシロイヤに入るのかな!?かな!?」

トパル(…エートラさんシロイヤじゃなくてシロイアですよ。)

エートラ「あれ?シロイヤって聞いたような…」

トパル(あの店の店主にでも影響されてるんじゃないですか。)

エートラ「そうだったかな…」(もう、そんなことどっちでもいいじゃない。)

トパル(まったく、エートラさんは…)

兵士「おい、止まれ。冒険者か?つれの魔物はゲージに入れるなりしてくれ。街では魔物を許可なく放すのは禁じられている。」

エートラ「あ、はい!すみません。」

トパル(わがままな人間ですね。)

エートラ(魔法の袋で良いかな?)

トパル(ナガルと相部屋ですか?狭いです。)

エートラ(我儘言わず入ってて!)

エートラは2人をしまうと、門番の兵士に入国料を支払い、ついに目的地である、シロイアに入国しました。

エートラ(えーと、この住所に行けばいいんだよね…って住所を見てもどこか分かんないよ!)

エートラは道行く人にこの住所について聞くことにしました。

エートラ(聞きやすそうな人は…あ、あの人がいいかな。)

高級そうでもない、普通の服を着た、優しそうな青年を選びました。

エートラ「あの…」

青年「うん、なにか?」

エートラ「ここの住所に行きたいんですが…」

そう訊ねられた、空色の髪で、海のような深い青色の目をした青年はとても驚いて返しました。

青年「この住所…、…探してるのは俺の家だ。名前を訊いても?」

エートラ「え!エートラです。」

青年「そっか。俺はチールーエだ。」

エートラ「あの、白い魔物を連れてきたんですが…。」

チールーエ「あぁ、父さんが頼んでたやつだね。家に案内するよ!ついてきてー。」

エートラ(ちょうど、届け先をみつけるなんて、運が良い…のかな?…だれも返事してくれないとそれはそれで寂しいな。)

チールーエ「さぁ、こっちだ。」

エートラ(なんか、だんだん高そうな家ばっかりになってきたな…。)

チールーエ「エートラは魔物の店で働いてるのか?」

エートラ「え…えっと…」

チールーエ「いや、悪かった。言いたくないことならいいんだ。」

兵士「殿下!」

チールーエ「おい、ここではそうやって呼ぶなと…、で何があった?」

兵士「国王様がおよびです。どうやらレネヲ様がダルカダール国のファウ様を連れてこの国に帰ってくるそうです。」

チールーエ「おぉ兄上が帰ってくるのか!ってことは告白は成功したんだな…。良かった、グスン」

エートラ(デジャブってやつかな。)

チールーエ「こうしてはいられない、エートラ急ごう!」

エートラ「!!??」

チールーエに手を引かれるようにして、エートラは走ります。

エートラ「ど、どこに行くんですか…!?」

チールーエ「もちろん、兄上のところだよ!」

チールーエに連れられ、エートラはチールーエの家までたどり着きました。

エートラ「…あの、チールーエさん、ここがあなたの家なんですか?」

チールーエ「そうだね。君がさがしてた住所の家だよ。」

エートラ「お城…ですね。」

チールーエ「君が連れてきてくれた白い魔物は兄上の結婚祝いに父上が買ったものなんだ。」

エートラ「ナガル凄い…。」

チールーエ「ナガル?魔物はナガルって言うのかい?」

エートラ「えっと…はい。そうです。」

チールーエ「父上が買った魔物だ、さぞや珍しいのだろうなぁ。」

エートラ「はい、みんな珍しいって言います。」

チールーエ「君はその、ナガルを珍しいと思わないのかい?」

エートラ「あ、私は今まであまり魔物のことを知らなかったので、どの魔物でも珍しいんです。」

"そうなのか。"とチールーエは言うと城の扉を開けて進んでいきます。

エートラもそれに続いて歩いていき、遂に王座まで辿り着きました。

チールーエ「父上!例の白い魔物がきましたよ!」

シロイア国王「こら、チールーエ、私は今国王の仕事中だ。お前も国王として接さんか。」

チールーエ「こちら、エートラさん。魔物を連れてきてくれたんです。」

シロイア国王「おぉ、そうであったか。長旅ご苦…」

チールーエ「兄上はまだ帰ってきてないのですか?」

シロイア国王「…ああ。だが先程、連絡があった。明日には到着するだろう。」

チールーエ「そうでしたか、それは良かった!」

シロイア国王「それにしても、エートラよ。長旅ご苦労であった。して、例の魔物はどこに?」

エートラ「この袋のなかです。ここに出しても?」

シロイア国王「ちょ、ちょっと待て、檻を用意する。」

エートラ「可哀想です…。」

チールーエ「…。」

シロイア国王「安全のためだ。」

エートラ「あの国王様、お願いがあるのですが…。」

シロイア国王「申してみよ。」

エートラ「この魔物を私に譲ってくれませんか?お金ももう支払っているのならお返ししますので…!」

シロイア国王「ほう、まあ数あるプレゼントの1つだ、考えなくもない。して、なぜこの魔物が欲しい?」

エートラ「実は、この魔物、とても気が弱くて、私と会ったときも泣いてたんです。きっと、知らないところに行くのが怖いんです。それに、私に懐いてくれてて…。」

シロイア国王「なるほど…まあ、いいだろう。」

チールーエ「本当に、いいのですか…!?」

シロイア国王「ああ。その魔物の値段は600万ラレだ。出来るだけ早く支払いを頼む。ではな、ダルカールの少女よ。」

チールーエ「えっ…?」

エートラ「…!ありがとうございます!」

エートラはチールーエと共に王の元から離れます。

チールーエ「なぁ、エートラさん、さっき父上がダルカールって言っていたけど…。」

エートラ「あぁ、多分このネックレスを見ておっしゃったんだと思います。」

チールーエ「君ってダルカール出身だったんだね。」

エートラ「違います。これは…知人がくれた物なんです。」

チールーエ「そっか!君の友にも会ってみたいよ!エートラさん、お金の事だけど…」

兵士「レネヲ様が到着なされたそうだぞ!」

チールーエ「…エートラさん、一緒に出迎えに行こう!」

エートラは又も、チールーエに手を引かれて、金の縁がついた黒い馬車が止まっている、この屋敷の門の所まで行きました。

チールーエ「兄上!」

チールーエから兄上と呼ばれたのは身長の高い、チールーエにはあまり似ていない男だった。

エートラ(チールーエみたいに優しそうじゃない…。)

目だけはチールーエと同じく青色をしています。

レネヲ「おお!我ぁが弟、チールーエじゃないか。ファウ殿を連れ、帰る旅、無事に帰還したぞ!」

隣には、ダルカールの姫であるファウがいます。

カチュアノよりも薄く、白に近い金髪で、こちらはカチュアノよりも優しそうです。

ファウ「ふふ。レネヲ様は私を連れて帰るために旅をしていたんですのね。私もレネヲ様の家に一度お邪魔してみたいと思っていましたのよ。それにここに来る途中で、旅行では寄れなかった所にもいけて私、とても嬉しゅうございましたわ。ここがレネヲ様のお家ですのね。レネヲ様、弟様、これからよろしくお願いいたしますわ。あら、そちらの方は?」

エートラ「ええと、エートラと言います。」

ファウ「エエト・エートラ様っておっしゃるのですね。私はファウ・ダルカールと申しますわ。そしてこちらが…」

男「カチーアです。よ、よろしく。」

エートラ「…。」

カチーア「…。エートラ…。」

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