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ETRAL  作者: E:自由なめこの輪
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第4話 魔物の店

ダルカールから逃げるようにして旅に出たエートラが、森を歩いていると怪しげな店がぽつんとありました。看板を見上げると…。

エートラ(魔物の店?)

店の中に入るとそこには様々な魔物がいました。

エートラ「すごい……!」

店主「お嬢ちゃん、初めて見る顔だねぇ。何かお探しかな?」

エートラ「あ、えっと……この近くの町までの道を知りたいんですが…」

店主「この近くの町か…残念だがこの近くに町はないよ。」

エートラ「え、なら1番近い町はどこですか?あ、」

店主「ダルカール以外で、だろ?」

エートラ「なんで、それを…?」

店主「そのネックレスの紋様はダルカールのだろう?嬢ちゃん、ワケありと見える…」

エートラ「これ、そういえばつけたままだったな…返してくれば良かった…。」(カチュアノさん…。私に親切にしてくれたのに、何もせずに逃げてきちゃった…。)

店主「ひとつここで買い物してくってのはどうだい?嬢ちゃんだけだと、何時、野生の魔物に襲われるかわからないよ。」

エートラ「でもお金無いので…。」

店主「魔物も安いのと高いのがいる。これからのために買っといて損はないよ。」

エートラ「安いのっていくらくらいなんですか?」

店主「500ラレってところかな。」

エートラ(今の手持ちは650ラレか…)「あの、私そんなにお金もってないんです。もう少し安くなりませんか?」

店主「これ以上は…ねぇ。…いや、そういうことなら、ちょっとした仕事をしてくれれば、タダでやってもいいよ。」

エートラ「仕事…ですか?」

店主「ああ、受けてくれるかい?逃げ出した白い毛の珍しい魔物を捕まえてきて欲しいんだ。大人しいヤツだから、攻撃されたりはしないと思うけどね。」

エートラ(それって…)

店主「そいつを捕まえてきてくれたら400ラレで魔物を売ってやる。」

エートラ「タダなんじゃなかったんですか…?」

店主「してもいいってだけだよ、タダのほうが良かったか?」

エートラ「そりゃあ…。」

店主「ははは。それは無理な話だ!」

エートラ「…。捕まえるったってどうすれば?」

店主「そうだな…じゃあ先に魔物を400ラレで売るから、その魔物で白いやつを気絶なりなんなりして連れてきてくれ。いまなら、多い荷物もしまえる魔法の袋も貸してやるよ。」

エートラ(なんか白いやつ可哀想…。)

店主「決まりだな、魔物を持ってきてやるよ。」

エートラ「え!」(まだやるって言ってないのに…。)

店主「持ってきたぞ。」

エートラ「袋?」

店主「ああ。これが言ってた魔法の袋さ。」

エートラ「へぇ、その袋って何でも入るんですか?」

店主「もちろん何でも入るよ。量によるけどね。まぁ、その白い魔物と持ってる荷物ぐらいなら余裕で入っちまうよ。」

エートラ「そうですか、…私に売ってくれるっていう魔物はどこに?」

店主「この袋の中さ。ほらっ、出してみな!」

エートラ「わっ、出すって、どうやって…?」

店主「出したいものを想像しながら、手のを入れるなり、袋を揺さぶったりしな。」

エートラ「んー魔物魔物…。わ!」

エートラが袋を逆さにすると中から紫色で角の生えた水みたいな魔物が出てきました。

エートラ「…。」(もっと可愛いのを想像してた…。)

店主「可愛いだろ?魔物を制御するにはこのリングを指にはめるんだ。」

そう言うと店主はエートラに真っ黒なリングを渡しました。そのリングは指の第二間接くらいの分厚さで、つけると紫色に光った文字が浮かび上がりました。

エートラ「これ……いいの?」(なんかこのリング黒いし、身体に悪そう…)

店主「ああ、平気だよ。それに、盗るつもりなら、わざわざそんなこと言わないだろう?」

エートラ「?」

店主「それより、嬢ちゃんはこの子に名前をつけてやらないとねぇ。何にするんだい?」

エートラ「ううん……そうだなぁ……黒い角のある紫の魔物だから…トパル。うん、トパルにします!」

店主「トパル、いい名前じゃねぇか。」

エートラ(どこの指につけようかな…右手の人差し指にしよう。いや待てよ、指によってリングの意味が違ったはず…。やっぱり中指にしようかなー?どうだったっけ?)

それからエートラは指輪をつけては外しを繰り返しました。その間トパルはおとなしくなったり、逃げ出そうとしたりして忙しそうにしていました。

エートラ(やっぱり人差し指にしよう。うん。)

店主「き、決まったか?」

エートラ「はい。では、いってきます。」

店主「ああ…森は他の魔物もでるかもしれない、気を付けてな。」

エートラ「分かりました。でも、トパルが守ってくれるんだよね?」

トパル(はい。)

エートラ「えっ。」(冗談のつもりだったのにトパルが喋った…怖っ。)

店主「どうしたんだい、まさかトパルの声が聞こえた何て言うんじゃ…」

エートラ「い、いえ、行ってきます!」(私、とうとうおかしくなったのか。)

トパル(おかしくはないです。)

エートラ「えぇ!!??」

トパル(!!)

エートラ「喋れたの?」

トパル(はい。)

エートラ(これがテレパシーってやつ?)

トパル(テレパシーってなんですか?)

エートラ(私今喋ってないのに会話してる!頭の中にまで入って来ないで!?)

トパル(すみません。)

エートラ(考え事も出来なくなっちゃった…、とか考えてるこれもトパルが聞いてるし…。聞いてるよね?)

トパル(はい。)

エートラ(うわああぁ!)

トパル(さっきから急に叫びますね。怖いので、やめて下さい。)

エートラ(…。)

トパル(…。)

エートラ(よし。白いやつ探そ。)

トパル(そうですね。)

エートラ(なんかトパルの印象が全然違う。口調丁寧すぎない?)

トパル(第一印象で70%決まりますもんね。)

エートラ(もう頭を真っ白にする!)

エートラはそのあともトパルと話しながら森を進みました。

エートラ「あっ!」

トパル(いましたね。)

エートラ「ナガル、村に送ってくれた恩があるけど…か、覚悟!」

エートラとトパルはナガルを捕まえるべく、飛びかかり、ナガルは急に襲われたことに驚いています。

しかし、ナガルとのサイズの差が大きく、飛びかかったものの、エートラはナガルに掴まっているような形になりました。

エートラ「トパル!このあと、どうするの!?」

トパル(知りませんよ。エートラさんが、突っ込んでいったんじゃないですか。何か作戦があったのでは?)

エートラ「トパルがなんとかしてくれるんじゃないの?」

トパル(しませんよ。)

ナガルは自分に掴まっている二人を見て、困惑しています。

二人が何も出来ないと知るとナガルはこちらのようすを不思議そうに見つめています。

エートラ「ナガル、ごめんね。やっぱり君を捕まえることはしないよー。良い子だもん。」

トパル(しないじゃなくて、出来ないの間違いでは?)

エートラ「そうだ!店のおじちゃんに頼んでナガルを売ってもらおう!良いと思わない?」

トパル(どうだか。)

エートラ「よし。そうと決まれば、早速あの店に戻ろう!ナガルも良いよね?」

ナガルは困ったように、少しだけ頷いています。それをみたエートラは満足そうな顔をするとナガルに乗りました。トパルも同じようにします。

エートラ「ナガル、出発進行!」

エートラがそう言うと、ナガルは諦めて、店への道をゆっくりと歩き始めました。

エートラ「あのーナガ…いえ、約束の白い魔物連れてきました。」

店主「おぉー早かったな!嬢ちゃん意外と強いんだな!さっそく渡してくれ。」

エートラ「その事なんでけど…。」

店主「おぉ!そのまま連れてきたのか!」

エートラ「あの、この子売ってくれませんか?」

店主「悪いがその魔物はもう買い手がいるんだ。隣国のシロイヤって所なんだけど、ミスって俺が逃がしちまったんだ。」

エートラ「えっ…」(トパル!)

トパル(…"私が変わりに魔物を届けます"と言って下さい。)

エートラ「あ、じゃあ私が変わりに届けてきましょうか?トパルの恩もありますし…」

店主「いや、客にそこまでさせるわけにはいかねぇ。」

トパル("私なら白い魔物を逃がしませんよ。あなたと違って。")

エートラ「そうですか…、でも私ならこの白い魔物をうっかり逃がしたりはしませんよ?ちゃんと届けてみせます!」

トパル(変なアレンジいらない。)

店主「はは!痛いとこついてくるねぇ。わかった嬢ちゃんに頼むことにするよ。」

エートラ(やった!)

店主「金はこのくらいでいいいかな。」

店主はそう言うとエートラに1000ラレを渡しました。

エートラ「トパルの事もありましたし、仕事代はいただけません。」

店主「いや、これはシロイヤに入国するための金だ。あそこはやたらと金を巻き上げてくるからな。」

エートラ(なんだ、そうだったんですね。)

トパル(エートラさん、声に出てませんよ。)

エートラ(えっ!?)「あっ、なんだ、そうだったんですね。」

店主「はは、とはいえ、仕事料全く無しってわけにはいかねぇよな。この(から)の指輪をやろう。」

魔物屋の店主がくれたのは、トパルのものよりは黒くない、黒色の指輪です。

エートラ「いいんですか?」

店主「ああ、まだ魔物と繋がってない指輪は安いからな。しかも旧式だ、嬢ちゃんが自分で魔物を探してくれ。あと、これはその白い魔物の指輪だ、ちゃんと届けてくれよ?」

エートラ「はい!」

店主「あと買取り先の住所はこの板に書いといたから、サインを貰ってきといて。」

エートラ「はい!」

エートラは元気に店をあとにしました。

エートラ(それでトパルの言うとおりにしたけど、どうやって…そっか!向こうの買い主さんにナガルをくださいってお願いするんだね。)

トパル(違います。)

エートラ「え?」

トパル(このままそいつを連れて逃げます。金とリングと魔法の袋がついてきてお得です。)

エートラ(そんなことしたらダメだよ!)

トパル(なんでですか?)

エートラ(だって、ちゃんと届けないと、お店の人と約束したんだもん。)

トパル(本当に?)

エートラ(うん、お店の人に面倒みてもらったし、良い人だったし、約束は守らないと。)

トパル(でも、あの店主は犯罪紛いの行為で魔物を奪ったり、その奪った魔物にも酷い躾をしていますよ。それでも、約束を守る必要があるんですか?)

エートラ「えっ、そうだったの…、じゃあ…」

トパル(まあ、今の話は全部嘘ですけど。)

エートラ「えっ…、なんでそんなウソつくの!?」

トパル(聞こえない方がいいこともあるもんですね。)

エートラ「この指輪つけたら仲間になるんじゃないの?」

トパル(心の声とごちゃごちゃになってますよ。)

エートラ(またやっちゃった。)

トパル(指輪をつけても思考までは操れません。そうだ。記念にそいつの指輪もつけてみたらどうです?話せるようになるかもしれませんよ?)

エートラ(記念って何の記念なんだか。まぁ一回つけるくらいならいいよね。)

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