第13話 マチミルの敵討ち
ダルカール王国にむかうことになったエートラ達一行。
マチミル「ところで、ダルカールってどの辺にあるんですか?」
トパル(この森を抜ければすぐですよ。)
エートラ「この森、割りと広いんだけどね。ここ懐かしいよね。」
トパル(だから、まだ半年ぐらいですって。)
エートラ「そういえば、あの魔物屋に袋返さないとね。」
トパル(もう返さなくていいですよ。)
エートラ「そう?」
トパル(はい。店の人もエートラさんはどっかで野垂れ死んだと思ってます。)
マチミル「エートラさん、あんなに強いのにですか?」
エートラ「あれは、みんなの力だよ!」
トパル(まあ、エートラさんはあまり強そうに見えませんからね。)
エートラ「どこが!?」
トパル(そういうとこです。)
メルセル「皆、森の出口が見えてきたぞ!」
トパル(エートラさん、周りが随分、暗くなってきましたね。)
エートラ「うん。でも、今回は休まず行こう。ナガル、大丈夫?」
ナガル「ガァ!」
トパル(辺りが暗いので、奇襲などに十分気を付けて下さい。)
エートラ「うん!みんな、いよいよダルカールに着くよ!」
マチミル「わー!」
エートラ「わー!」
トパル「エートラさんは見たことあるじゃないですか。」
マチミル「凄い大きい街だね。城も凄いおっきい!」
トパル("凄い"が凄い。)
エートラ「シロイアの魔法軍いないみたいだけど、どこら辺かな?」
メルセル「それほど人数はいないと言っていたし、もう城下町に入っているのかもしれないな。」
エートラ「大変!ナガル、できるだけ急いでー!」
ナガル「ガァガァ!」
エートラ達はダルカールの城下町に急ぎます。
しかし、城下町からダルカール城に向かって歩いているのに魔法軍はどこにもいません。
エートラ「もうすぐお城なのに魔法軍がどこにもいないよ?」
トパル(もうとっくに城についていて、今頃王の首をとっているのかもしれません。)
エートラ「うぅ~。」
トパル(変な声ですね。)
メルセル「城に行こう。」
エートラ「うん。」
エートラたちはダルカール城に着きました。門は破壊されていて、兵士が数人倒れています。
エートラ「やばいって、これ!」
トパル(魔法軍は城の中に入ってますね。)
マチミル「ここがダルカール城…!」
エートラ「私も来るの初めてかも。ってそんなことより早く行こう!」
ナガル「ガァ!」
エートラたちは城の中に入ります。
そして、手分けをして王様を探すことになりました。
エートラ「王様ー!いませんかー!」
トパル(そうやって呼ぶとなんかへんな感じしますね。)
メルセル「エートラ、こっちには誰もいなかった。」
エートラ「そっか。じゃあ、マチミルが行った左の方に急ごう!」
トパル(はい。)
エートラたちが城内の入って左側にある階段を登っていくと、マチミルがボロボロになり、膝をついていました。
メルセル「!」
エートラ「マチミル!」
マチミル「エートラさん…!私、思い出したんです…。あいつが、私の家族、一族を皆殺しにした奴なんです。私はもうダメ…後のことは任せます、がくっ。」
エートラ「マチミル!」
トパル(仇を打ちましょう。)
エートラ「うん!…で、どれ?」
メルセル「5人か…」
マチミル「…赤いローブのやつです、あとは…がくっ。」
エートラ「マチミル!」
トパル(仇を打ちましょう。)
エートラ「もちろん!赤いローブの…どっち?」
メルセル「どっちも倒すのか?」
マチミル「……」
エートラ「……」
トパル(……)
マチミル「…金髪の、いっぱいネックレスとかをつけてる方です、がくっ。」
エートラ「マチミル?」
トパル(仇を打ちましょう。)
エートラ「…うん。よーし、みんな行くよ!」
メルセル「おう!」
ナガル「ガァ!」
金髪「ふん。」
金髪が他の4人に指示をだし、魔法で攻撃をしようとしてきましたが、メルセルが魔法よりも早く相手に近づき腕ごと敵の杖を真っ二つにしてしまいました。
4人「があぁぁ…!」
4人の中の1人「う、腕を!」
メルセル「ふ…!」
そのまま金髪を狙うメルセル。金髪の腕にメルセルの剣がつこうとしたその時、謎の力によりメルセルはナガルの方へ吹っ飛ばされてしまいました。
メルセル「…!!!」
ナガル「ガァ!」
メルセル「くっ…すまないナガル。」
エートラ「メルセル!ナガルも大丈夫!?」
ナガル「ガァ!」
金髪「突然切りかかってくるとは…。お前も腕が失くなったくらいで、魔法が遅れるんじゃない。」
4人の中の1人「…。」
エートラ(私が魔法使えたらな。あれ?)
トパル(どうしたんですか。)
エートラ(私魔法使えるかも…?)
トパル(急に何ですか。実は使えたんですか魔法。)
エートラ(使ったことないけど、今凄い使えそうな感じがする!)
トパル(……じゃあやってみたらいいじゃないですか。案外使えるかもしれませんよ。)
エートラ(…よし!)
青の魔法使い「魔法炎!」
エートラ「壁よ出ろ!…あれ、出ないな…。壁、カベ!」
エートラが魔法のようなものを唱えると、黄色のローブを着た魔法使いが炎の前に飛び出しました。
青の魔法使い「!」
黄の魔法使い「ぐああぁ!」
エートラ「できた!ほらトパル、これ絶対、魔法でしょ。」
トパル(なんか効果違いません?)
エートラ「うーん、なんか近くに壁になりそうな物が無かったから人が飛んできたんじゃない?」
トパル(魔法壁に材料いらないって。)
エートラ「よーし、次は炎だ!」
またエートラが唱えると、青いローブの魔法使いが残りの3人に向かって炎を放ちます。
青の魔法使い「…魔法炎!」
金髪「魔法壁!お前、どこに向かって…そうか、操作されて…!」
エートラ「ほら、炎も出たよ…?」
トパル(自分でも違うと思ってますよね。エートラさんの魔法は人を操るやつですよ。)
エートラ(まあ、マチミルの魔法を最初に見たからだよね。)
トパル(そうか…?多分、違いますよ。)
エートラ(そう?)
トパル(はい。おそらくは…)
金髪「はっ!」
エートラ「危なっ!トパル、考えるのは後!」
トパル(それもそうですね。)
エートラ「あの金髪を倒せ!」
金髪「魔法反射壁!」
エートラ「ぇ……。」
トパル(エートラさん…?)
その瞬間、エートラの姿が消え、金髪の魔法使いの後ろに現れました。
その手には壁に飾られていた剣があり、金髪の魔法使いを貫いています。
そして、金髪の魔法使いはゆっくりと倒れていきました。
金髪「いま、なにが…」
エートラ「……。」
トパル(エートラさん!)
メルセル「エートラ!」
エートラ「…あれ、私なにを…?」
魔法使いたち「ひ、ひえぇーっ!」
生き残った魔法使いたちは逃げ去ってしまいました。
トパル(エートラさん、なんかワープしてましたよ。魔法じゃないですか。)
エートラ「えっ、ホント!?」
メルセル「冗談はともかく、早く王族たちの安否を確認しよう。」
エートラ「え?」
トパル(そうですね。マチミルも寝てないで行きますよ。)
マチミル「よいしょ。…はーい!」
エートラ「??」
トパル(つきました。ここが王の部屋です。)
マチミル「失礼します!」
メルセル「いないな。」
マチミル「もう死んでしまったのかな…?」
トパル(これまで王っぽい人の死体は見なかったですけどね。)
マチミル「王冠とか綺麗だし盗まれたのかも。」
エートラ「カチィさんもつけてたけど、あんな鉄の塊綺麗かなー?」
トパル(あの人がつけてたのは王冠じゃなくてただの髪飾りですよ。)
エートラ「え、そうなんだ。」
メルセル「王冠っていうのはもっと帽子みたいなやつだよ。」
エートラ「へー。」
トパル(エートラさんは絶対に王族ではないってことがわかりましたね。)
エートラ「多分記憶喪失になったときに忘れちゃったんだよ!」
マチミル「え!エートラさんって記憶喪失なの!?」
エートラ(そうだ!もう魔法で王様のところまで行けって唱えたらいいんじゃない?えーと…)
トパル(ちょっとまだ敵がいるかも知れな…)
エートラ「えい!」
トパル(…。)
エートラ「あれ?」
メルセル「何も起こらないな。」
マチミル「エートラさんも操作の魔法しか使えないんですか?」
エートラ「マチミルはそうなの?」
マチミル「まあ、あまり得意じゃないんです。得意なのばっかりしか使わないからかもしれないけど…。」
エートラ「へ…へぇー。」
トパル(…。)
エートラ「痛い、痛い、角はダメだって!」
トパル(いつも通りの攻撃ではあまり効かなくなってきましたから。強くなって良かったですね。)
エートラ「え、これってもしかして修行か何かなの?」
トパル(いえ、話を聞かないエートラさんへの腹いせです。)
エートラ「やっぱり?」
トパル(自覚があるなら話を聞け!)
エートラ「危ないって!その角、思ってるより痛いからね!?」
トパル(点ですから。)
マチミル「私もこんなことなら他の魔法練習しとけばよかったー。」
すると、空間にグゥ~という音が響き渡ります。
マチミル(……。よく考えたら2日間何も食べてなかった…。何か食べ物…ん?わ!)
メルセル「マチミル!?」
エートラ「な、壁に吸い込まれちゃった?」
トパル(隠し扉ですかね。)
メルセル「王もこの先に隠れて魔法軍から身を隠しているのかもしれないな。」
エートラ「随分狭いね。メルセル入れそう?」
メルセル「ギリギリ。」
エートラ「なら私も行けるかな。あーナガルどうしよう…。」
ナガル「ガァ。」
エートラ「敵に見つからずにお城の入口で待っててくれる?」
ナガル「ガゥ!」
メルセル「後で合流しよう。」
エートラ「気をつけてね。すぐ戻ってくるよ!」
エートラ、トパル、メルセル、マチミルは扉の奥へと進む。
メルセル「中々長い通路だな。」
マチミル「お城ってこんなところがあるんですねー。」
トパル(お城に依りますよ。)
エートラ「でも、お城には隠し通路とかがあるイメージだよね。」
トパル(どんなイメージですか、それ。)
エートラ「どんなイメージって…。だからさぁ、なんか、例えば…『お宝をここに隠しておけば安心!』とか…?」
マチミル「へ~。他にはどんな感じを感じるんですか?」
エートラ「あとはね…『緊急事態です!早く…例の通路からお逃げ下さい…!』みたいな…」
マチミル「…どうしたんですか?」
エートラ「いや、何か思い出しそうなんだけど…。」
マチミル「記憶喪失のやつですか!?」
トパル(エートラさんの変なイメージは昔の記憶でしょうからね。)
エートラ「あっ!」
メルセル「何か思い出したか?」
エートラ「風だ!」
マチミル「風?」
エートラ「ほら、こっち!」
トパル(暗いですからあまり騒がないで下さい。)
メルセル「どうやら、この辺りが出口のようだな。」
エートラ「あ、ここだ!」
トパル(気を付けて下さいよ。)
エートラ「わっ!」
マチミル「目がっ!」
メルセル「ようやく、外か。」
トパル(気を付けてって言いましたよ。)
マチミル「わあぁ~。」
エートラ「あー、私は思ったより平気だ。」
マチミル「なんで、ズルいですよー!」
トパル(エートラさん、本当に強くなってますね。出会ったときは、もっと弱そうだったのに。)
エートラ「そう?これも強さに入るの?」
トパル(まあ、入ると思いますよ。エートラさんの最初の目の強さ知りませんけど。)
エートラ「えー。なんで知らないの?」
トパル(他人の目の強さって普通知らないですよ。)
マチミル「あ~、光が目に染みる~!」
エートラ「マチミルは目が弱いみたい?」
マチミル「もともと夜行性ですし。」
トパル(外に出てしまいましたね。)
メルセル「もう王も逃げているのではないか?」
エートラ「そうかも、カチィさんとか大丈夫かな?そういえば、まだテガも見つかってないし。」
メルセル「そういえば、ダルカールが気になってそのままこっちに来てしまったな。」
トパル(案外その人も王と国民と一緒にどこかへ逃げたのかも知れません。)
エートラ「…一回ナガルに合流しよう!」
マチミル「はい!」
エートラ達はそのまま外に出て城の入口に向かいました。するとそこには…。
エートラ「…!」
トパル(!?)
メルセル「!」
マチミル「!!」
全身が真っ白で黄金の目を持つドラゴンがナガルと話していました。
エートラ「……ナガル!」




