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ETRAL  作者: E:自由なめこの輪
12/16

第12話 魔法の使い手

エートラ(何で聞こえてたのに叫んだりしなかったんだろう。)

メルセル(叫ぶ前に気絶させてしまったのだろうな…。どうする?)

エートラ(とりあえず、テガの家を借りよう…。)

エートラ達は気絶している魔物をテガの家に運びました。

エートラ(このソファーでいいかな…。)

トパル(敵なので起きる前に倒したらいいのでは…。)

エートラ(でも、まだ敵かわからないし。)

メルセル(そうだな。でも警戒はおこたらないほうがいい。)

エートラ(うん、ありがと。)

トパル(起きるまでどうしますか。カードでもしますか。)

エートラ(この前買ったやつ?いや、部屋借りてるし、掃除でもしようか。)

トパル(それにしても、汚い部屋ですね。)

エートラ(前に掃除したんだけどね。テガは掃除が苦手みたい。)

トパル(むしろ、汚すことが得意なんじゃないですか。)

エートラ(?)

メルセル(まあまあ。私達で綺麗にしよう。なあ、このソファーは横に避けておこうか。)

エートラ(うん。メルセル、反対側持って。)

魔物「うーん。あれ、ここは…?」

メルセル(よし。早く片付けよう。)

トパル(はぁ。さっさと始末しましょう。)

魔物「わーっ!やめて、命だけは!」

エートラ「わーっ!びっくりした。」

魔物「私がすべて悪いんですー申し訳ありません!」

エートラ「え?そうなの?」

魔物「うわーん!!」

トパル(ほら、罪を認めましたよ。敵なので倒してしまいましょう。)

メルセル(待て。人間達の場所を聞き出してからじゃないと。)

魔物「うぅぅ…えん~。」

エートラ「ねぇ、人間たちの場所を…」

魔物「ごめんなさい、ごめんなさい…!」

エートラ「もういいって~。」

魔物「うう…。」

エートラ「あ、ねえ、あなたのお名前は?」

魔物「え、私の名前は…」

エートラ「なら、私がつけるね。ミルっていうのはどう?」

メルセル「いいんじゃないか?」

魔物「あの…、私はマチって名前なんです…。」

エートラ「あれ、そうだったんだ。メルセルが魔物には名前が無いって言ってたから、あなたもそうかと思ってた。」

マチ「…自分でつけたんです。」

エートラ「そうなんだ。あ、じゃあこれからマチミルにするのはどう?」

マチミル「え…?」

トパル(なんでですか。絶対おかしいですよ。)

エートラ「『そっちのほうがいい!』ってなるかもしれないじゃん。」

トパル(ならないって。)

エートラ「そう?」

メルセル「まあ、聞いてみないことには分からないな。どうなんだ?」

マチミル「あの…」

エートラ「うんうん。」

マチミル「…。私はマチミルです!」

エートラ「わーい、やったー!よろしく、マチミル!」

マチミル「はい…!」

トパル(…で、村の人たちはどうなったんですか。)

マチミル「村の人たちってあの兵士たちのことですよね。逃げた人以外は町で気絶してるだけです。」

メルセル「ちょっと待て、兵士はシロイアの者たちだ。町の人は別にいなかったのか?」

マチミル「え、はい。私が町に来たときには兵士しかいなかったので…。」

エートラ「だったら、町の人たちはどこにいるの?」

マチミル「わ、私に聞かれても…。」

トパル(シロイアですね。)

エートラ「え?」

トパル(町の人たちは、おそらくシロイアにいます。)

エートラ「そうなの?」

トパル(そうですよ。)

エートラ「なんで分かるの?」

トパル(兵士が町にいたんですよ、明らかに怪しいじゃないですか。)

エートラ「そっか…?」

トパル(わかってないですね。)

エートラ「いやいや。完璧に理解した。よーし、5人でシロイアに出発だー!」

マチミル「もしかして、私も入ってます…?」

エートラ「もちろん!じゃあ皆、ナガルに乗り込んで!」

エートラがそう言うとトパルはナガルの頭に、メルセルはエートラの後ろに座りました。

マチミル「あのー私は…」

エートラ「そっか!」

メルセル「君も人間型だからナガルにまたがれるな。私の前に座るといい。」

マチミル「いいの?」

メルセル「ああ。」

マチミル「ナガルも?」

ナガル「ガァ!」

マチミルもナガルに乗り、エートラ達は再度シロイアをめざすのであった。

エートラ「そういえば、どうしてシロイアの兵士をやっつけてたの?」

マチミル「私、この町に来たときにお腹がすいたから食べ物の場所を町にいた兵士に聞いたんですよ。そしたら、怪しいとか言って攻撃してきたから、操って食べ物の場所を聞き出したんです。それで…うわっ!」

メルセル「気を付けろ、ナガルが坂道を登っているときは少し揺れるからな。」

ナガル「グウゥ。」

エートラ「ナガル、ありがとう。皆、落ちないようにね。」

トパル(坂道よりも、寝ているエートラさんに気を付けて下さい。)

エートラ「そのことまだ覚えてるの?」

トパル(忘れませんよ。)

エートラ「いい思い出だね。マチミル、それで?」

マチミル「…それで、兵士の食料庫を漁ってたら私の魔法が通じない兵士が出てきて、それと戦ってるときに君たちが来たんです。」

エートラ「魔法ってどんな感じなの?私にも使えるかな?」

トパル(エートラさんには無理ですよ。)

エートラ「あーあ、そんなことばっかり言って!」

マチミル「私はずっと使えるから、どうやったら使えるようになるのか分からないなぁ。」

メルセル「その指輪のときのように魔法陣を使うのだろうか?」

エートラ「あんまり魔法の話って聞かないからなー。」

メルセル「魔法の道具は指輪以外見たこと無いのか?」

エートラ「いや、このネックレスと袋もあるよ。」

メルセル「私も魔法は道具しか見たことがないな。トパルはどうだ?」

トパル(使えはしませんが、見たことはあります。)

エートラ「え!そうなんだ。こんなに一緒に旅してるのに知らないことまだあるんだね。」

トパル(まだ野良だった頃の話ですけどね。何年も前です。)

メルセル「トパルは元野良だったのか。」

トパル(はい。)

エートラ「で、魔法ってどんな感じだった?」

トパル(森で見たんですけど、木を枯らしたり、生やしたりしていました。そのときに魔法陣を描いたりはしていなかったです。)

マチミル「私は人を操ったりするのが得意なんだ。だから魔法陣が無くてもできるけど、他の魔法は難しいかもしれないなぁ。」

メルセル「じゃあトパルが見た魔物は木を枯らすのが得意なのか?」

マチミル「わからない。ただ危ない奴かも。」

エートラ「なんか怖っ…。」

トパル(森にはもっと危ない奴がいますよ。)

マチミル「そうなの?」

トパル(はい。たまに家の中にも入ってきます。)

マチミル「?」

メルセル「煙のような奴だったな。」

マチミル「そうなんだ?そんなのが、まだいるんですか?」

エートラ「脱獄した凶悪犯だからマチミルも気を付けてね。」

マチミル「うん…。その人も魔法使いなの?」

トパル(そうでしょうね。でなきゃヤバいですよ、あいつは。)

メルセル「確かに、魔法を使わずにああいったことが出来るとは思えないな。」

マチミル「世の中には危ないやつがいっぱいいるんだね…。」

ナガル「ガァ!」

エートラ「ん?あ、皆、シロイアが見えてきたよ!」

トパル(前に来たときより、物々しいですね。)

エートラ「うん、大砲とかあるし。前に来たときも魔物は入ったらダメみたいな感じだったけどね。」

マチミル「私たち、入れないじゃん。どうするんです?」

エートラ「マチミルはメルセルみたいに鎧を着て、角とか隠したら入れるんじゃない?」

トパル(鎧が2人もいたら怪しいです。そもそも、メルセルさんだって入れるか分かりませんよ。)

メルセル「おい皆、あれは人じゃないか?」

エートラ「ホントだ、倒れてる!」

エートラたちは、急いでその人の下へと向かいます。

メルセル「…!」

トパル(これは…もうダメですね。)

マチミル「あの町の人…?」

エートラ「たぶん…。」

メルセル「酷いな…。」

エートラ「このまま町へ入ろうよ。もし敵がいたら袋から出すので時間とられちゃうし。」

トパル(賛成です。)

メルセル「私もだ。こうなったら堂々としてる方がいい。」

エートラ達はナガルに乗り、そのまま町へ入っていきました。

兵士「おい!お前!魔物を連れて何をしている!」

エートラ「やっぱりバレたね。」

メルセル「ここは任せてく…」

マチミル「任せて!」

メルセル「!」

マチミルは魔法で兵士を操り気絶させました。

エートラ「すごい…!死んではない…よね?」

マチミル「はい!」

メルセル「これなら無駄な争いをする必要がなくていいな。」

エートラ達は町の中央を堂々と進み、途中で会う兵士達ををマチミルが気絶させていきました。

エートラ「もう町の真ん中ぐらいまで来たね。次はどっちに向かう?」

トパル(ここまでで、ララランの人間はいませんね。)

メルセル「城に向かうのはどうだろうか?」

トパル(いいと思います。本拠地を落とせば勝ちですからね。)

エートラ(勝ち…?)

マチミル「なんかすごいことになってきましたね…!」

メルセル「シロイアを目指したときから覚悟の上さ。な、エートラ?」

エートラ「…もちろん!」

皆は城を目指して進みます。

マチミル「これがシロイア城!」

エートラ「こんな形で帰ってくることになるとはね。」

マチミル「エートラさんはシロイア城に来たことがあるんですか?」

エートラ「うん。ナガルを買いもどしにね。」

マチミル「そんなことが。ナガルさんは売られてたんですね。」

エートラ「そう。魔物屋みたいなところでねー。トパルともそこで出会ったんだ。」

トパル(そんなこともありましたね。)

エートラ「まだ1年ぐらいなのに懐かしく感じるね。」

トパル(そんなに経ってないですよ。経ってても半年ぐらいですよ。)

エートラ「そうだっけ?トパルといるのが楽しくて時間を忘れちゃった。」

トパル(そういう時って短いほうに間違えません?)

エートラ「トパルも助かったでしょ?」

トパル(いえ、とくには。野生のときや魔物屋でいるときとは別のジャンルの苦労になっただけです。)

エートラ「トパルったら、照れ屋だね!」

トパル(…そうかもしれませんねっ!)

エートラ「わーっ!」

兵士「魔物の軍団め…遂に攻めてきたのか!」

マチミル「あれは、魔法が効かない奴…!」

エートラ「ちょっとトパル、なんで落とそうとするの!」

トパル(もう落ちてましたよ。)

兵士「仲間の敵、…覚悟!」

メルセル「よし、ここは私に任せろ!」

エートラ「落ちてないって!片足だからセーフですー。」

トパル(いや、アウトですよ。認めて下さい。)

エートラ「落ちてたら認めるよ、でもこれは落ちてないから…」

マチミル「ちょっと、敵、敵!」

エートラ「メルセルが戦ってるなら大丈夫だって。ほら、互角に…互角!?」

トパル(あの兵士、かなり強いですね。)

マチミル「うん…。私の魔法も効かないし。」

エートラ「魔法が効かない奴は何で効かないの?」

マチミル「おそらくあの首のジャラジャラのせいだと思う。」

エートラ「あのネックレス、私のやつと同じで魔法がこめられてるのかな?」

トパル(そのネックレスっておじさん達がくる魔法でしたっけ?)

エートラ「え、そんなのだっけ?わぁ!とにかくメルセルに加勢しよう!」

そう言うとエートラは近くにあった木の棒をとりメルセルに駆け寄りました。

トパル(これは…。兵士、逃げた方が良いですよ。)

エートラ「おりゃ!」

トパル(まぁ聞こえてませんけど。)

エートラは兵士に木の棒で殴りかかりました。するとシロイアの兵士は倒れ、木の棒は粉々に砕けました。

メルセル「助かったよ。」

エートラ「今回は殺さないようにしたから、木の棒が壊れちゃった。」

トパル(鎧の上から殴ったのでそりゃそうですよ。)

マチミル「ねえ、この兵士の首のやつもらっとく?」

トパル(はい。取っておいて下さい。エートラさんと違って話が早いですね。)

エートラ「それじゃあ、私は話が早くないってこと?」

トパル(はい。)

エートラ「そうなの?」

トパル(そうですよ。)

エートラたちがそんな話をしていると、突然、シロイア城の扉が開き、見知った顔が出てきました。

チールーエ「エートラ!」

エートラ「チールーエ、久しぶり。」

マチミル「知り合いなの?」

エートラ「うん。」

チールーエ「兵士長をただの木の棒で倒すとは…。君はそんなに強かったのか。」

エートラ「まあね。それより、なんでララランを襲ったの?」

チールーエ「さあ、ただ、それが父上の作戦だからかな?」

エートラ「作戦って…なにをする気なの?」

チールーエ「シロイアの一大作戦だから、詳しく話すことは出来ないが…簡単に言うと、ダルカールを攻める。」

エートラ「ダルカールを…!?なんで、ダルカールなの!?チールーエのお兄さんとファウ姫が結婚してパーティーするって言ってたのに!」

チールーエ「その結婚も作戦の内だったってことだ。」

トパル(ファウ姫は、おそらく、人質か、戦争が終わったあとの国を纏めるために必要だったんでしょう。)

エートラ「そうなんだ。」

チールーエ「ああ、そうだ。なかなか考えられているだろう?」

トパル(でも、シロイアの兵士たちでダルカールに勝てるとは思えませんね。)

エートラ「確かに。」

チールーエ「そうだろう?」

エートラ「兵士長がこうやって倒れてるんじゃ、もうダルカールを攻めることなんて出来ないよ。」

チールーエ「なるほど。それなら大丈夫だ。」

エートラ「え?」

チールーエ「何故なら、シロイア最強の軍団は兵士軍ではなく、魔法軍だからだ!」

エートパル「(魔法軍!?)」

メルセル「魔法軍って事は、あんなのが沢山いるのか。」

エートラ「でもシロイアで魔法使ってる人見たことないけど。」

チールーエ「人数はそんなに多くないからな。」

エートラ「何でもいいけど、戦争やめてよ!」

チールーエ「な、エートラが聞いてきたんじゃないか。というか君、最初に会ったときから性格変わってないか!?」

エートラ「そんなことない。ダルカールには優しい人が沢山いるし、シロイアにも優しい人がいる。だから戦争とか駄目だよ!しかもダルカールの近くにあるララランまで襲って。そうだ!ララランの人達はどこにいるの!?」

チールーエ「ま、待ってくれ!とらえた人々は無事だ。危害をくわえてはいない。」

エートラ(ってことはやっぱりシロイアに捕まってたんだね。)

トパル(このままこの人間も倒して場所を聞き出しましょう。)

エートラ(倒さなくても…)

トパル(あ。)

エートラ(え?)

メルセル(…すまない。倒すものだと思って…。)

マチミル「恐ろしく早いメルセルさん。」

トパル(よし、城に入りましょう。)

エートラ(なんか罪悪感…。)

マチミル(しかたないよ。はやく行こ!)

エートラたちは城内を走り、シロイア王の下へとたどり着きました。

エートラ「いた!シロイアの王様!」

シロイア国王「お前はダルカールの…。まさか、この城に攻めてきたのが、あのときの少女とはな。」

エートラ「お願いします、この戦争を止めて下さい!」

シロイア国王「それはできん。もう魔法軍もダルカールに向けて出立してしまったあとだ。」

エートラ「そんな!」

トパル(取り敢えず、この城を制圧しておきましょう。)

エートラ(うん。)「王様、降参して下さい。」

シロイア国王「なっ!ここが敵地であると分かって言っておるのか!?」

マチミル「それだけの兵士たちより、私たちのほうがきっと強いよ!」

シロイア国王「ぐっ…!ガンテ、任せたぞ!」

ガンテ「はい。お任せを。」

トパル(エートラさん、あれは絶対に魔法使いですよ。)

エートラ(なんで分かったの?)

トパル(兵士の格好ではないですし、王様の側近には強い者を置いておくはずですから。)

エートラ(なら、気を付けないとね。)

トパル(その他の兵士にも気を抜かないで下さいよ。)

エートラ(分かってるって。みんな、行くよ!)

皆(…!)

いっせいに前に向かうエートラ達。

横からの兵士の攻撃をメルセルがガードし、マチミルが操って仲間を増やしていく。

ナガルはエートラに向かっている兵士を口でくわえて、それをメルセルのところまで運ぶ。

そして仲間達の開けた道をエートラとトパルが走り抜けた。

トパル(…これだ!)

トパルが落ちていた兵士の剣をエートラに投げる。それをエートラは掴み、王の側にいる魔法使いに斬りかかりました。

エートラ「おりゃー!」

ガンテ「魔法壁!」

エートラ「わっ、弾かれた!」

トパル(エートラさんの攻撃が弾かれるとは、あの壁はかなり硬いですね。)

エートラ(どうしよう…。)

トパル(点で行きましょう。)

エートラ(点?)

トパル(一点に集中して攻撃してみてってことです。)

エートラ(そーか、了解!)「うおぉーっ!これでどうだー!」

トパル(普通に切ってるし…。)

ガンテ「壁が!」

エートラ「え、ちゃんと力を溜めたよ?壊れたし。」

トパル(思ってたのと違う。)

ガンテ「王、お逃げ下さい!これ以上は…!」

シロイア国王「…そこまでだ。…降参する。」

ガンテ「王…!」

エートラ(おぉ、本当に点作戦でいけたよ。トパル凄い!)

トパル(いや、まぁ、そうですね。)

エートラ「じゃあ戦争やめてくれますか?」

シロイア国王「あぁ。しかし今中止しても、ダルカール国に届く頃には…。」

エートラ「皆、行こう!」

メルセル「ああ。」

トパル(はいはい。)

ナガル「ガァ!」

マチミル「はい!」

エートラ達はダルカール王国にむかったのであった。

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