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ETRAL  作者: E:自由なめこの輪
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第1話 2つの月

エートラ(あれ、ここは…?)

エートラが辺りを見回すと、草木が一本もない山のような場所でした。

崖があり、下は暗くてよく見えませんが、波の音がします。

エートラ(崖…。私のもといた所ではないようだけど…。)

辺りに道は無く、ここにどうやって来たかも分からない状態です。

しかも、彼女の顔はパリパリになっていました。

エートラ「なんで…?潮風かな…。」

彼女はしばらく迷った後、崖とは反対の方向へ歩き始めました。

エートラ(月が2つ…やっぱり元いた場所じゃない。とりあえず誰かのいるところへ行かないと。)

エートラが歩いてしばらくすると森がありました。

記憶がないため、あまり詳しいことは分かりませんが、その森は管理されているような感じがしました。

森の中を歩いていくと、誰かの泣き声が聞こえてきました。

エートラ(こっちからだ!)

彼女が泣き声の方向へ走っていくと、そこには泣いている大きく、白い毛に覆われた生き物がいました。

しかし、それはエートラが今までみた生物のどれとも違うような印象を受けました。

彼女は思いきって声をかけてみることにしました。

エートラ「あのー大丈夫ですか?」

エートラが恐る恐る声をかけるとその大きな生き物が振り返り、突然飛びかかってきました!

エートラはビックリして崖の方へ戻るように逃げていきました。

元いた場所の岩影に隠れてやり過ごそうと、崖へと足を進めます。

しかし、明らかにその生き物はエートラに付いてきていました。

エートラ(完全に尾行されてる…。あっ!)

エートラは小さな石に転んでしまいました。

起き上がろうとしましたが足を怪我してしまったようで上手く立てません。

エートラ(どうしよう!?)

彼女のケガを知ってか、生き物は彼女との距離を少しずつ詰め、そして、遂に目の前に現れました!

エートラ(喰われる!!)

しかし、その生き物はエートラの足を見て、どこからか草を取り出し、傷口に塗りつけました。

エートラ「痛い、痛い!痛いって!」

生き物「ガァ!」

エートラ「うっ…もしかして怪我を治そうとしてる?」

エートラがそう話しかけると生き物はまるで言葉が通じているかのようにうなずきました。

エートラ「…ありがとう。」

その生き物による治療が終わると、エートラはその生き物の背中に乗り込みました。

エートラ「町の場所を知ってるのね?」

突然の出来事に生き物のほうが驚いています。

エートラ(言葉が通じるってことは、町の場所も知ってるはず…。)

謎の生き物の背中はとても大きく、フサフサしていて、とても気持ちが良いのでエートラは寝てしまいました。

エートラ「うぅ…。」

エートラが目を覚ますと、まだ森の中でした。

しかしそのとき、木々の間から、ちょうど町が見え始めます。

エートラ「わぁ…。結構大きな町だね。」

生き物「ガァ!」

エートラ「ありがとう。でも、あなたは流石に町に連れていけないよ…。せっかく仲良くなったのに…。」

生き物「ガァ!」

少しの時間が経ち、遂に町につきました。

謎の生き物とも別れのときです。

エートラ「乗せてきてくれてホントにありがとう!」

町に着くと、生き物はエートラを背中から下ろしてくれました。

町から少し離れた生き物は、その場所からエートラに向かって手を振っています。

エートラ「じゃあねー!ナガルー!」

テガ「ナガルって何?」

エートラ「!!??」

突然話しかけられたことに驚きを隠せないエートラは黙ってしまいました。

テガ「もしかして、あの白い毛の生き物かな?この辺は森の中でも知ってるつもりだけどあんな白くて大きな生き物今まで見たことないや。それに君は?あ、私はテガ。私は君みたいに白い髪の人も見たことないけど…?」

エートラ「ええと、エ…」

テガ「ごめんごめん。急に聞きすぎたね。私、向こうのギルドでアルバイトしてるんだけど、良かったら来なよ!」

テガはそう言いながら、もうすでにエートラの手を取って歩き始めています。

エートラ「でも…」

テガ「ここに来たばっかりだからさ、町のこととかまだあんまり知らないんでしょ?みんな優しいから、教えてくれるかも…あ、もちろん私も教えるよ!」

エートラ「…」

テガ「ほら、もう見えてきたよ!思ったよりも近かったんじゃない?私が向こうって言ったからちょっと遠いのかなって思ったでしょ?ギルドは町の入り口の近くにあるから、さっきのとこからは近いんだ。」

エートラ「…」

テガ「あとは、宿屋とかかな、ほらあれ。あの青っぽい屋根の。暗いからよくわかんないかもだけど…。もうちょい行くと薬屋もある、あれ、君ケガしてない?」

エートラ「うん、実は…」

テガ「めちゃボロボロじゃん!しかも、なんか緑色の汁がいっぱいついてるけど、他の国には緑色の薬とかもあったりするのかな?私がいつも使ってるのは白いやつなんだー。」

エートラ「…」

テガ「あ、そうだ!君どこから来たの?私、仕事の関係で外とかにもよく行くんだけど、一番近い町でもかなり遠いし、こんな手ぶらで旅してる人始めて見たよ!あっギルドについたよ!良かったら旅の話聞かせて!」

ギルドの中に入ると、エートラが思っていたよりも閑散としていました。

テガ「あれ、もうみんな帰っちゃってるかー。それもそっか、夜だし。」

エートラ「あの、ありが…」

テガ「君ってさ、やっぱりあの生き物…ナガルだっけ、に乗って旅してたの?どこから来たの?北のシロイア、それともダルカールとか?」

エートラ「えっと…」

テガ「君ってほんっっとにしゃべらないねー。」

エートラ「私は旅はしてないよ。気づいたら崖にいて…。」

テガ「崖?それって、あっちの山かな?それともこっち?崖ってことはあっちか。」

テガちゃんの話は止まることを知らず、エートラは困ってしまいました。

エートラ「私、こっちの世界のこと何も知らないの。帰る家も無いし…。」

テガ「世界って、オーバーだなぁー。別の世界から来たわけでもないんだし。行くところがないならさ、うちのギルドに登録する?冒険者とかになれば住民登録とかめんどいのも要らないし。」

エートラ「そうなの?」

テガ「まぁどっちにしろ、金はいるけどねー!」

テガはカウンターの内側から紙を3枚ほど持ってきました。

テガ「ほら、これ読んで。あとここにサインしてね。所在は宿屋…いやお金もってないんだっけ?じゃあ、私の家の住所にしとくか!どう?それで良い?」

エートラ「え…ええ?」

テガ「オッケー、じゃあ書いとくね!…よーし、サイン書いたね?じゃあこれで正式な冒険者だよー!パチパチパチ!」

エートラ「あ、ありがと」

テガ「冒険者って言っても魔物の狩りから薬草集めまで結構何でもするから、自分のやりたいことやったら良いさ!」

エートラ「…」

テガ「ところでさー君名前何て言うの…?」

エートラ「エ、エートラ…」

テガ「エエートラって名前なの?エが2回って、噛んだ?もしかして、エートラってことかな?私の名前はテガ!と言うか、私って自己紹介したっけ?これ2回目かな?」

エートラ「う、うん、よろしくね…」

テガ「そうだ!しばらくは私の家がエートラの住所だし、良かったらうち来る?空き部屋とかあるから生活安定するまでとまっときなー。」

エートラ「でも悪いよ。」

テガ「大丈夫!私1人暮らしだし!今から行こう!案内するから。」

またもエートラの手を引いてテガは歩き始めます。

テガ「ほらこっち!左側の道!つまり、ギルドに向かって右の道だよ!」

エートラ「??」

テガはエートラに町のことを紹介しながら、家までの道を歩いていきます。30分程、経ちました。

エートラ「あの、まだ着かないの…?」

テガ「もうちょいだよ、どうしたの、疲れちゃった?旅をしてた割には体力ないんだね。あれ、旅はしてなかったんだっけ?」

エートラ「うん…。」

テガ「まぁどっちでもいいけどね。ほらここが私の家だよ!綺麗ではないけど広いでしょ?1人で住むには勿体無くてね。」

エートラ「わぁ…。」

テガ「私、この町の学校にかよいながらギルドでバイトしてるの。バイト歴は結構長いよー!」

エートラ「本当に良いの?」

テガ「いいよ!こっちおいでー。」

テガがそう言うとエートラはテガの家の中へ吸い込まれていきました。

テガ「もう明けてきたしさぁ、ちょっと早いけど朝ご飯にしようか。エートラはお腹すいた?歩いて疲れてたし、すいてるよね。疲れすぎてすいてないかな?」

エートラ「ううん、私もお腹すいた。」

テガ「あれ、なんで私がお腹すいてるのが分かったの?私たち以心伝心だね!」

エートラ「…?」

テガ「じゃあご飯にしよっか!」

二人でご飯を食べ、たくさん話をしました。(おもにテガ)

テガ「ふぅーお腹いっぱい。じゃあエートラの部屋に案内するね!」

テガが扉を開けると中からすごい量の埃が出てきました。

テガ「さすがに掃除した方がいいね。よろしく!ほら、ここに箒もあるし、たぶんどっかに他の掃除用具もあるよ。」

エートラ「うん。わかった。」

エートラが返事をすると、テガはすぐにどこかに行ってしまったので、早速エートラは掃除を始めることにしました。

部屋は全く使われていなかったのか、壁や床の木材が傷んでいるものの目立ったキズはありません。

歩いて疲れているということもあり、今日のところは軽く掃除をするだけにしようとエートラは決めました。

それでも一度掃除を始めると、不思議と集中してしまうもので、気が付くと3時間ほど経っていました。

エートラ(今日はこのぐらいでいいかな…?)

エートラが掃除を終え、多少は綺麗になった部屋の外に出ると、この家に入ってきたときは気付きませんでしたが、廊下やキッチンも少し汚れているような気がしました。

テガは掃除が苦手な可能性がある、とエートラは思いました。

そんなことを考えていたエートラが、ふとリビングのほうに目を移すと、テガがソファーに横になって寝ていました。

エートラ(どうしよう…)

エートラは困りながらもテガに洗濯物らしきものから発掘した毛布をかけました。

エートラ(そうだ…!)

エートラはテガが寝ている間に家じゅうを掃除し始めました。

エートラ(こんなもんかな。)

掃除をし終わると、もう日が暮れようとしていました。

おかげで、この家で掃除していないのはテガが寝ているソファーだけになっていました。

エートラ(疲れたー。)

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