第八話【創世記ですわぁ~~~~!!!】
かつて神は一人だった。
全てを管理し、世界のバランスをとっていた。しかし、そこへ神を地へ落とそうとする悪い人間が現れた。
悪い人間は自分こそが神でなければならない、神になれると妄信していた。
悪い人間は一国の王であった。王には8人の妃と18人の子供がいた。
悪い人間の王は8人の妃に命じた。最も優秀な子を1人選び神討伐へ向かわせよと。
選ばれた優秀な8人の王子、王女は父を疑わず、悪い神だと信じ討伐へ向かった。途中異世界から来たという少女を仲間に加えた。
神は死ぬ間際に国のバランスについて語った。そして自分は終わっても構わないからこの星を守護せよと使命を与えた。それはその場にいた9人にとどまらず、それぞれの兄弟に属性と神の記憶を与えられた。
異世界から来た少女には【聖】の属性が与えられた。
少女が力を使う時、瞳の色と髪の毛は金色が変色した。
【氷】の属性を持った王子と、その弟と妹は髪の毛の色が水色に瞳の色も水色に変色した。
【火】の属性を持った王子と、その妹は髪の毛の色が赤色に瞳の色は橙色に変色した。
【水】の属性を持った王女と、その兄は髪の毛の色が青色に瞳の色も青色に変色した。
【地】の属性を持った王子と、その兄二人は髪の毛の色が茶色に瞳の色も茶色に変色した。
【風】の属性を持った王女と、その兄と弟は髪の毛の色が灰色に瞳の色も灰色に変色した。
【木】の属性を持った王子と、その弟は髪の毛の色が緑色に瞳の色も緑色に変色した。
【雷】の属性を持った王子と、その妹は髪の毛の色が金髪に瞳の色は紫色に変色した。
後に王子、王女達は嘆き苦しむ。呪われてしまったと・・・。
そして・・・悪い人間の王は全属性をその身に宿し神となった。
しかし王は後悔した。神こそ一番の印だと思っていたが実際は世界のバランスを維持する為だけの存在。いわば世界の奴隷である事に気が付いてしまった。
王は嘆き苦しみ【闇】を生んだ。闇の力で世界を破壊しようとした時、神を討伐した王子、王女らが力を合わせて王を討った。
神に使命を与えられた王子、王女は手を取り合い嘆き苦しみながらもこの世の生命の為に尽くし生きた。
決して「めでたしめでたし」で終わるような内容でないこれがこの星の創世記だという。
ヒスイから創世記の話を聞かされて唖然としてしまうエルメラルダ。
「残酷な昔話です。魔法が使えるって、ヒトにとって良くない事なんだと自分は思います。」
「それでも、とっても素敵に見えちゃうなぁ。だって燃料がなくても火を起こせるんでしょう?草木を伐採し過ぎても【木】の属性で復活させたりきっとできるよね?だとしたら持っておくべきだと思う。」
「ん?どうしてそう思いました?」
「地球には魔法がなかったの。だから火を起こすには燃料がいって、空気中に悪いものを放つし、水だって限られてる。草木も伐採し過ぎて気温が上昇しちゃうし、まぁ…空気汚染に地球温暖化・・・色んな問題が沢山あったの。」
「空気汚染、地球温暖化・・・ふむ。どういったものか分かりませんが、恐らく古くからある星降る夜の儀式にそれらを阻止するものが含まれてそうですね。それぞれの属性の魔力を注いで国に強力な結界を張ると同時に・・・星全体に何かを放出しています。それが流星群のように見える事から【星降る夜の儀式】と呼ばれるようになりました。」
「何かを放出って…ヒスイでもわからないの?」とエルメラルダはふとヒスイの顔を見ようと顔を上げてみれば距離が近すぎて顔がカァァっと赤くなる。
「うーん、神様が作ったものですからねぇ。この星は何故あるのかと同じくらい難しい問題です。実は小さい頃に分解して仕組みを知ろうと、魔力を注ぐオーブに触れた事があるんですけど、透けた始祖の王族が出てきてしまって流石の自分も恐くなって逃げだしてしまったんです。」と懐かしむような顔をするヒスイ。
「えっ!ヒスイでもそんな事あるの?」
「はい。今から行ってみますか?」
「え!?い、今から・・・?呪いとかかかったら怖いんだけど。」
ヒスイはエルメラルダをお姫様抱っこして何かの魔法を使った。その瞬間視界が青白い静かな石の部屋に変わった。部屋の中央には真珠のようなオパールを大きな球体にしたような謎の玉が浮いていた。
「すご!ワープなんて使えるの?」
「二人だけの秘密です。自分がワープを使えるなんて知られたら、母上や父上にとんでもない結界を張られてしまいそうなんで。」
ヒスイはエルメラルダを降ろした。そして、ヒスイはとても挑戦的な笑みを浮かべて部屋の中央に浮かぶオーブに触れた。
するとぶわっと赤青水緑茶灰紫の7色の色の光が溢れ出して透けたヒトのカタチになった。
『おや、あの時の少年ではないか。』と水色の光から声。
「お久しぶりです。そこのオーブについて伺いに参りました。」
『オーブについてか。』と水色の光からの声。
「どういう役割をしているのでしょう?」
『神は星を作った。地球という名の星を真似て作ったそうだ。しかし、星はできても星を照らす光も生命を生み出す水も何もかもなかった。そこで神は全て自分で用意した。1つの力を8つの属性にわけて管理した。そうして生命が生まれはじめた。神は自動管理システムを作った。それがこのオーブだ。』
「自動管理システムねぇ。生命維持を目的とした要素が豊富に詰まっていると。つまりはそういう事ですよね?」
『そうだ。壊れぬよう、我々は一生をこのオーブに捧げている。』
「聖属性の人が見当たりませんが、そこんとこは大丈夫なんですか?」
『問題ない。オーブが破壊された場合我々が彼女を異次元から召喚する。そして彼女が修復する。』
「ふーん。あともう一つ良いですか?」
『なんだ。』
「雷属性の方に質問なんですが、アナタにとって雷とは何ですか?」とヒスイは紫色のヒトを見て質問する。
『俺にはとても不必要だ。が、利用価値の高いものだとは思っている。そこの女。』
「へっ!?私!?」と自分を指さして慌てるエルメラルダ。
『それはわざとか?』
「え?何が?何が?わかりません!!」
ヒスイは慌てるエルメラルダをじっと見つめる。
「ん?エルもしかして、何らかの封印を施されてます?」とヒスイがエルメラルダに問う。
「え?何もわかんない。」
『手を。』と言って紫色のヒトがエルメラルダに手を差し出した。
自然と手を差し返すエルメラルダ。
バチンッと激しい音が一瞬鳴り響いたかと思えば紫色のヒトは手を離した。
エルメラルダの手にはバチバチと雷が残っていた。
「わ・・・私・・・魔法使えそう!」と目を輝かせた。
『もういいか?』と水色のヒトが声を出す。
「あ、はい。ありがとうございました。」とヒスイが言えば光が消えた。
「なんだ?音がしたぞ。」と遠くの方から人の声が聞こえて、ヒスイは急いでエルメラルダを姫抱っこして、エルメラルダの自室へワープした。
「わっ。急にビックリした。」
ヒスイは再びエルメラルダをベッドの上に降ろし、そしてしゃがんでエルメラルダの両手を両手で包む。
「大丈夫ですか?」
「え?あ、うん。大丈夫。でも何か頭がスッキリしたような気がする。」
心底安心したような声で「何も無くて良かった・・・。」と呟きながらエルメラルダの手の上に頭を乗せるヒスイ。
「ありがとう、大丈夫だよ。」とヒスイを安心させるように声をかけるエルメラルダ。
(どうして・・・ヒスイは会ったばかりの私をこんなにも大切にしてくれて愛してくれるんだろう?)
エルメラルダの容姿が記載できてなかったので、編集しました。 黒髪ツインテに紫色の瞳してます。
お妃さまが黒髪になってたんですが、金髪に変更しました。よろしくお願いします!!
ブクマとイイネたくさんありがとうございます!!!感謝です!!!めっちゃ増えたら土曜日か日曜日追加更新します!!