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超最難関攻略不可能な天才王子に溺愛されてます!!~やる気のなかった王子は生きる意味を見つけた。~  作者: 無月公主


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外伝㉑【退位】

エルナザール城の玉座の間ではティファニール王が玉座に座り頬杖をついて深い溜息をついた。

「だからお前は愚王なんだ。親より、いや、この爺より先に死にやがって…。」

ティファニール王の隣でロジェル王子が泣きじゃくっていた。

「そ…ですね…。父上…っ。どうして…どうして…独りで…。」

「オマケに厄介な記憶まで置いていきやがった。愚かな息子だ。国民より…一人の友を選び、一度は国を崩壊させ…今度は他人まで巻き込んで…。どうするつもりだ。」

「僕は、クラリアス辺境伯と…話がしたいです。」

「やめておけ。クルト・クラリアスは馬鹿ではない。全て分かってるだろう。それに俺も…馬鹿孫に賛同して王冠も杖も渡してしまった。王座を降りる準備をしなければな。」

「曾祖父様っ…。」

「お前も王子を降りる準備をしておけ。この玉座はエルメリーチェのものだ。」


・・・・・・


消えたクロエルを見届けて、腕を一振りしてエルメリーチェの拘束を解除し、エルメリーチェを横抱きするクルト。

「また…泣かせてしまったな。情けない。」

クルトにしがみつき大声で泣くエルメリーチェ。とぼとぼとサルバトーレ邸へ歩き始めるクルト。

「私が弱かったから…無知だったから…。」

「それは違う。全ての原因は俺にある。お前が辛い思いをし、痛い思いをしてきたのも全て俺のせいだ。」

「それがクルト様の側にいられる代償だというなら…受け入れます。」

「大泣きしながらデレるな。」

溜息をつきながら困ったような顔をするクルト。

「クルト様は…どのように今思っていますか。」

「どのように…なるほど?今、俺は怒っている。お前をこんなにズタズタにしたクロエルに、そして原因を作ったどこぞの俺にもな。」

「そんな…私は大丈夫です。怒らないで下さい。」

「なら、泣くな。傷つくな。」

「そ、そんな…。」

「全く。俺は馬鹿は嫌いだと言ったはずだが?」

優しく微笑みかけるクルト。

「だって!クロエルの真実を知った今…悲しくって。」

「ふん。クロエルも言っていたが俺達にはアイツに関する記憶がないからな。悲しむ必要がない。お前が無敵になったせいで、また俺はより一層死ねなくなったわけだが…。どう責任をとるつもりだ?

「へ?」

「避けようと思えば避けれたはずだ。お前は話術に引っかかって、また大人しく呪いを受けたわけだろう?作り話だったらどうするつもりだ。」

「うっ…。確かに…でも、不老不死の呪いだったから、もうかかってるし大丈夫だと思って…。」

「もう完全に俺と同じになったというのに“大丈夫”…か。大した奴だな。」

「怒ってます?」

「怒っていると言ってるだろう。…が、元々の原因は俺にある。俺はお前が望むままに生きる。」

「なら、クルト様は自分が望むままに生きて下さい。私も自由です。クルト様も自由です。だけど…側にいたいです。」

「おい、涙が止まったのなら、さっさとワープしろ。重い。」

「ひっ、ひどいですっ!!」

エルメリーチェが涙を溜めた目でクルトを睨みつければ、クルトが微笑んでエルメリーチェの額にキスをした。


エルメリーチェとクルトはサルバトーレ邸へとワープした。


「お帰り、リーチェ。」とエルメロイは微笑んで出迎えた。

「お姉ちゃん!お帰り!」とクーもエルメロイのズボンを掴んで挨拶してくれていた。

「ただいま!」と言ったエルメリーチェは未だにクルトにお姫様抱っこされていた。

「熱々カップルかよ!!」とエルメロイ。

「うるさい。黙れ。」

クルトはゆっくり優しくエルメリーチェをおろした。

「そうだ。早く皆を出してあげないと。18年間も閉じ込めたままだわ。」

エルメリーチェは口元を抑えた。

「問題ないだろう。ヒスイが死ねばエルメロイも死ぬからな。」

「えぇ!?曾祖父様の共有相手って叔父様なの!?」

「おい、言うなよ。重要機密事項だろうが!!」

「とりあえず、全員を引っ張りだすわ。」

エルメリーチェの両手に虹色の粒子がキラキラと纏わりつき、その手で窓を開けるかのような仕草をすれば薄暗い虹色の空間に旧サルバトーレ邸が見えた。玄関からヒスイとエルメラルダが手を繋いで出てきた。その後ろから、わらわらとサルバトーレ家の血縁者が出てきて現世へと戻った。

「強くなりましたね。リーチェ。魂の輝きを見て、一目でリーチェだと分かりました。」と目を細めてエルメリーチェの頭を撫でるヒスイ。

「すみません、曾祖父様、曾祖母様、時間がかかってしまって。」

「良いのよ。リーチェ。」と温かく微笑んでエルメリーチェを抱きしめるエルメラルダ。

「全ての計画はエルメライドが吐きましたから。エルメライドは小さな頃からクロエル側の人間だったようですね。」とヒスイ。

「クロエルは!?クロエルはどうなった?君はエルメリーチェなんだな?」とエルメライド。

「自分の子の心配より友の心配をするか。大馬鹿…コホンッ。御義父上。」とクルト。

一瞬沈黙が走った。先にこの沈黙を破ったのはヒスイだった。

「ぷっはははは!!御義父上っ!!はっはっはっはっ!!傑作です。ぷっくくくっ!!」

ヒスイは大声で笑った。

「え?何がどうなってるんですか?」と混乱するエルメライド。

「お父様、私クルト・クラリアス辺境伯と婚約してるんです。だからクルト様もお父様の事をお父様と呼んだのです。」

「。クラリアス辺境伯と…。はっははっ。そうか…そうだったのか。成功したんだな…クロエル。」とエルメライド。

「何度も言いますが、娘は道具じゃありません。エルメライド。お前はアリアラと離縁することです。」と言ってエルメライドの肩をポンと叩くヒスイ。

「はい、御祖父様。」

「そんな…!!私は愛してるのよ!?エルメライドを!!」とアリアラが叫ぶ。

「お母様。私はお母様に私を産んで下さったお礼をしなければなりません。」と言ってエルメリーチェはアリアラに虹色のキラキラした粒子を放出した。それは…アリアラに無かったものを授けた。

真っ黒な髪の毛が金色に光り、本来の力を取り戻すアリアラ。

「え?どうなってるの?」

「お母様、もう不安に思う事はありません。実家に戻られても神官として役割を果たせます。お母様もクロエル様に阻害されていたんです。聖属性の力を発現できなくなるように。」

「そんなっ!?」

「お母様、もう貴族のあれやこれやに気を揉む必要はございません。遠い昔に一度だけお母様の愚痴を聞いた事がございます。貴族社会は醜く、酷く心を闇に染めると。」

「エルメリーチェ…。」

アリアラは唖然としていて言葉は何もでないようだった。

「それと、曾祖父様。私…。」

「偉大なる曾祖父様がリーチェの考えている事を当ててあげましょう。自分に王になれと言いたいのでしょう?リーチェを一目みた時から…いえ、未来の自分に告げられた時、腹をくくりました。エルメラルダと共に。もう自分とエルメラルダ…おまけにエルメロイも死ぬ事はないでしょう。リーチェ、お前が呪いを解かない限り。」

「曾祖父様…。」


すると、コツコツと足音を立てて、すっかり若返ってしまったティファニール王が王冠と杖を持ってロジェルと共にやってきた。

「兄上。話がまとまったようですね。」とティファニールはヒスイを見て少し嬉しそうな顔をする。

「ティ!」とヒスイも弟であるティファニールを見て微笑む。

「ティファニール王!?亡くなったはずじゃ…。」とエルメリーチェ。

「勝手に殺すでない。それにもう王ではない。王の座を開けておきました兄上。我々は離宮で暮らします。」と言って王冠と杖をヒスイに渡すティファニール。

「すみません。自分が不甲斐ないばっかりに、弟も息子も孫も曾孫にまでも迷惑をかけてしまいました。これからはエルメラルダと共に国のバランスを保って生きていきます。」

ヒスイはティファニールから王冠と杖を受け取り、王冠を被った。

「孫のクロエルの話によれば、永遠を生きるというのは気が狂うそうですが大丈夫そうですか?」とティファニール。

「問題ありません。自分には可愛い嫁がいます。それに子孫がいます。究極暇になればエルメラルダの力で地球へ遊びに行く事も可能ですから。」とヒスイ。

「ははっ…さすが兄上です。規格外な事ばかりお考えで…。」とティファニールは顔を引きつらせて笑う。


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