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超最難関攻略不可能な天才王子に溺愛されてます!!~やる気のなかった王子は生きる意味を見つけた。~  作者: 無月公主


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番外編⑤【アナスタリアとルディ㊦】

~《これはもう一人のエルメラルダの物語 3話目》~


無事に婚約式を終えて、王城で暮らす事になったエルメラルダ。

王城に移ってからアナスタリアの膝の上で過ごす事が多くなってしまったエルメラルダ。どこかへ行くというならば、アナスタリアがお姫様抱っこをして目的地まで歩いていってしまうほどだった。

「ルディ。口を開けて。」と優しく微笑みかかえるアナスタリア。

「あー。」と馬鹿っぽく声を出しながら口を大きくあけて見せるエルメラルダ。

するとアナスタリアの指を口の中にねじ込まれてしまうエルメラルダ。そして、口の中に鉄の味が広がって眉間に皺を寄せる。

「ルディ、飲み込んで。」

コグリと生唾を飲むように飲み込めば強烈な痛みが一瞬エルメラルダを襲った。

「あっ…うっ…んんっ!!いっ、痛いです…わっ!!」

涙汲みながら肩で息をするエルメラルダ。チラリとアナスタリアを見れば恍惚な笑みを浮かべており、エルメラルダはアナスタリアが嬉しそうならこれで良いかと安心し、痛みに耐えた。


いつの間にか気絶していたエルメラルダが目を覚ますと、未だにアナスタリアの膝の上だった。

「アナスタリア様、先程のは何だったのですか?」

「ん?あれは俺以外の男が君に触れれない魔法だよ。俺以外の男が君に触れると、ルディの首筋にある王家の紋章から血管にそって光りだして、相手を追い払うんだ。」

自分の首筋にそっと触れるエルメラルダ。

「ワタクシの身も心もアナスタリア様のものですのに。用心深い事。」

少しツンとした顔をして目を瞑るエルメラルダ。

「おや。不満かい?」

「いいえ、アナスタリア様が満足なさるのなら、なんだって良いですわ。ただ、少し休ませてくださいまし。ワタクシ体力があまりありませんの。」

「だーめ。せっかく公務を早く終わらせたのに。もうルディを離すなんて事できるわけがないじゃないか。」

「離せって言ってますの!!むしゃくしゃしますの!」

「はっはっはっ。もう愛おしくてどうにかなってしまいそうだ。ルディ、ほら、今楽にしてあげるよ。」と言って、アナスタリアはエルメラルダの顎を持ってキスをする。アナスタリアはキスを落とす瞬間、エルメラルダに魔力を送り、癇癪衝動を抑えた。不思議な事にエルメラルダのむしゃくしゃは嘘のように落ち着いて驚くエルメラルダ。

「…元気になりましたわ。」と自身の両頬を押さえるエルメラルダ。

「王子様のキスだからね。」とニッコリ微笑むアナスタリア。

「まぁ!」と顔を赤らめるエルメラルダだった。


-そんな甘い毎日が続き、二人にとって、最も最悪な日が訪れる。-


【星降る夜の儀式】が開催され、夜には成功を祝う夜会が開かれた。

アナスタリアとエルメラルダはピッタリとくっついて片時も離れぬようにしていた。

会場の片隅で第四王子のヒスイが邪悪な気配に吐き気を催していた。

(母上からとんでもない量の魅惑の魔力、それから外からも…いったい何をするつもりですか?)


コツコツコツと静かな足音が響く、アナスタリアは強烈な魅惑の魔力に意識が朦朧とし始める。

(どういう事だ。意識が持っていかれそうだ。ルディ…ルディ…。)

アナスタリアはギュッとエルメラルダの手を握る。

「アナスタリア様?」

エルメラルダとアナスタリアの手を引き離すかのように金色の淡いオーラを放つ女性が現れた。

(どうか…手を…離さないで…ルディ…。)と心の中で念じるアナスタリア。

「すみません、少し…通して頂けないでしょうか。」

女性の金色の魔力が直接アナスタリアに干渉した瞬間、手が離れてアナスタリアはバッと女性の手を掴んだ。

「貴女のお名前をお聞かせ頂けますか。」そう女性に声をかけるアナスタリアの目に生気が無かった。

「私は…カオリと申します。」

近くにいた王が「カオリ殿は聖女だ!!この光、間違えない!!」と大声を出した。

「聖女…聖女カオリ様。俺と結婚して頂けませんか?」とアナスタリアは急に求婚してしまう。

「え…アナスタリア様!?わた・・・ワタクシとの婚約はどうなさるおつもりですか!?アナスタリア様はワタクシと婚約しているのですわ!!」と焦るエルメラルダ。

「アナスタリア様、私も同じ気持ちでございます。」と頬を赤らめてアナスタリアに返事をする聖女。

「今!!この時より、俺はエルメラルダ・サルバトーレとの婚約を破棄し!!聖女カオリ殿と婚約する!!」と声を張り上げて言えば会場の皆が「おー!!!」と歓声を上げた。

歓声が上がる中でエルメラルダの悪口がヒソヒソと囁かれる。

「あんな癇癪持ちの我儘令嬢がアナスタリア様の婚約者でいられるわけがないじゃない。」

「私のメイドなんて引っかかれた事があるらしいのよ。」

「聖女様と結ばれれば王族は安泰ね。」

数々の酷い言葉がエルメラルダの耳に入り、その場から涙を流して走り去るエルメラルダ。

アナスタリアの左目から一筋の涙が流れる。

「すみませーん。兄上、御婚約おめでとうございます。急ぎこの後の例の件で話がありますので、少し良いですか?ほんの少しですから。」とヒスイが無理やりわってはいってアナスタリアの腕をひっぱって人混みの中へ入り、ワープして城の門前に着地する。



「例の件って何だ?」とアナスタリアが首をかしげる。ヒスイは答えずに黙ってアナスタリアに掛かっている魅惑を治療した。

「良いんですか?エルメラルダ嬢をほったらかして。」

「ダメに決まっているだろ!!!体が言う事を聞かなかった!!お前に助けて貰えなければ俺は…。」と鬼気迫る顔をするアナスタリア。

「クソッ!!位置を特定できる魔法もかけておくべきだった!!」と血が出るまで拳を握りしめるアナスタリア。

「うわっ。キモチワル。西の方角ですかね。微かに呪いの痕跡が感じられます。」とどこまでも無表情で話すヒスイ。

「わかった!!ありがとう!!」と身体強化の魔法をかけてエルメラルダの跡を追うアナスタリア。


エルメラルダは城を出てしばらくして、魔法士ウリュウに捕まってしまいワープでエルナザール帝国の外へ出されていた。

「ど…して。」

「目障りだ。国外で生きていけ。アナスタリア様は貴女との婚約を破棄なさった。それが全てだ。」

「そんな・・・何かの間違いですわ・・・。」

魔法士ウリュウはエルメラルダに背を向けてワープした。

「待って、待ってくださいまし!!ワタクシ!!魔法が一切使えませんの!!待ってくださいましーーー!!!」

そして…ウリュウが肌に触れたせいで、エルメラルダの体には頭の上から足の先までビッシリと白色の紋章が浮かんでいた。


エルメラルダは泣きながらトボトボとエルナザール帝国に向かって歩き出した。

険しい森の中を奇抜なワンピースドレスに裸足で泣きながら歩く。いつの間にかボサボサになっているツインテール、ドレスも泥まみれだった。


自分の属性や雷の事を考えなら、昔父親が必ず口にしていた「雷 その身に宿す時 時空へ旅立たん…雷…その身に宿す時…時空へ…。」という言葉を思い出して呟くエルメラルダ。


ポツポツと雨が降り始めた。そしてエルメラルダの髪の毛の色が金髪へと変化した。しかしエルメラルダはそんな事に気付いていない。


「こんな体で…どうしろと…こんな体で…どうやって生きていけと…。アナスタリア様ぁぁぁ!!!」と叫べば近くに大きな雷がピシャンっと落ちた。


「この紋章がある限り…簡単に死ぬことも…誰か他の人と添い遂げる事も叶わず…なんて酷いお人なの。捨てるくらいなら…最初から…出会わなければ良かった…。…あぁ、本当に私の事を離されるのですね…。」と自信の魔力が戻ってきた事に気付くエルメラルダ。


エルメラルダは両手を高くあげ、天を仰ぐ。


「雷 その身に宿す時!!」と叫べば雷がエルメラルダ目掛けて降ってきた。それを浴びたエルメラルダは焼け焦げる事なく、言葉通りその身に宿し、エルメラルダの体は発光した。


(神はこの国を地球という星を模したと…そんな本をたまたま目にした事がありましたの。一度見て見たいですわ。神が模したいと思った星を。)


「時空へ…旅立ちますわぁぁ~~~~~~~~~!!!!!」と言ってエルメラルダから光が抜けて体だけそこに残った。


死体のように生気を失った目。ダラリと空いた口。エルメラルダの冷たい体が横たわった。

そこへアナスタリアがようやく到着した。

「ル・・・ディ?・・・ルディ!!ルディ!!」とエルメラルダの冷たい体を抱き上げて、涙を流しながら何度も何度もエルメラルダの名前を呼ぶアナスタリア。

すると、それに答えるかのように温かい光の粒があらわれた。

アナスタリアが顔を上げれば自分の母親で、バッとエルメラルダを抱きしめたまま後退った。

「別の次元からやってきました。エルメラルダの体を渡してもらえませんか。」と和やかな口調の王妃。

「いいえ。もうアナタには懲り懲りです。絶対に渡しません!!」

「えぇ…そうですね。ですが…それはもう死んでいます。」

「良いんです・・・ずっと・・・ルディとこうして、このままでいます。」

埒が明かないと踏んだ王妃は手をかざして聖なる力でアナスタリアの脳内からエルメラルダという存在を消し去った。そのショックでアナスタリアは意識を失った。アナスタリアの体を都合の良くできた聖なる力で王城へと飛ばし、残ったエルメラルダの体を蘇生し生命維持の魔法をかけ、次元を超えて自分が来た世界へと送り飛ばした。

命をかけて魔法を使った王妃の体は光の粒となり消え去った。


『愛してるわ・・・アナスタリア。』


そして、アナスタリアの悲しい記憶は、王妃の力により、今のアナスタリアへと受け継がれ、魂体でエルメラルダの魂を迎えにいった時、アナスタリアは心の底から「迎えに来たよ。」と声をかけるのであった。

遅くなりました!!やっと色々ひと段落したかと思いきや、コロナ後遺症が猛威をふるってきまして・・・(泣)今は落ち着いております!!なんとか書けました!!

はー・・・遅くなってすみません、ほんと。沢山のイイネとブクマ本当にありがとうございます!!

皆さんに楽しんでいただけるように頑張ります!!

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