番外編④【アナスタリアとルディ㊥】
~《これはもう一人のエルメラルダの物語 2話目》~
【アナスタリア視点】
--母上は俺を溺愛していた。俺は成人して18歳になった。-
「さぁ、アナスタリア。服を脱ぎなさい。」
-嫌です。と言えないのが不思議だ。「はい。」と返事をして、母上の前で服を全て脱ぎ去る。もちろん下着もだ。-
「あぁ!私のアナスタリア…素敵だわ。あとは聖女が現れるだけね。完璧だわ!」
-そして母上は俺の唇にキスをする。父上がこんな事をしていると知ったら絶対に激怒するに違いない。-
-だけど不思議と母上には抗えない。唯一自由なのは心だけだ。-
-この、訳の分からない儀式が終わった後は唇をゴシゴシ袖で拭きながら絶対にサルバトーレ邸へと向かった。-
-サルバトーレ邸へ着くなり、エルメラルダが俺に抱き着いて歓迎してくれた。-
「アナスタリア様っ!!」
-俺も抱きしめ返してよしよしとルディの頭を撫でた。ルディから漏れ出る香りが唯一俺の精神をまともにしてくれた。-
「あぁ…愛しのルディ。今日も可愛いね。プレゼントを持ってきたんだ。」
「そんな、いつも頂いてばかりですのに。」
-少し困った顔をするルディも可愛い。-
「じゃあ…ルディが成人したら俺と婚約してくれるかい?ルディを俺に頂戴?」
「わっ私をですのぉ!?で、ですが…わたくしってば…いつもイライラしてしまって…メイドや執事に当たってしまって…酷い女ですの。とてもアナスタリア様の伴侶には…。」
とても悲しげな目をして影を落とすルディ。
-あぁ…なんて君は謙虚なんだ。俺がしかけた呪いのせいで君は癇癪を起しやすく、イライラしてしまっているというのに自身でそれを理解して俺の事が大好きなはずなのに、そうやって俺の幸せまで考えてくれるなんて…女神じゃないか。-
「どんなルディでも俺は愛してるし大好きだよ。だけど、次期王がだいたい決まるまでは婚約を申し込めないんだ。…俺もルディが大好きで我慢できないから今日はお揃いの指輪をプレゼントしようと思ってね。」
「ゆっ指輪ですの!?」
「俺の瞳の色と同じ宝石の方をルディに。」
アナスタリアは懐から小さな小箱を取り出してパカッと開けばキラキラと輝く青い宝石がはまっている美しいデザインの小さめな指輪とエルメラルダの瞳の色と同じ紫色のキラキラと輝く宝石がはまっている大きめの指輪が入っており、アナスタリアは小さめの指輪を取り出してエルメラルダの小指にはめた。
「アナスタリア様・・・///」
「ルディ、俺にもはめてくれるかな?俺のは人差し指にはめてほしい。今はまだ、ルディが俺の想い人だってバレると都合が悪いんだ。だから…。」
「わかりましたわ///」
ルディはそっとアナスタリアの人差し指に指輪をはめた。
そしてアナスタリアは屈んでルディの耳元へ顔を近づけて「実はね。ルディの指輪の裏に俺の名前を小さく彫ってあるんだ。」
「…///」
ただただ赤面してしまうルディ。アナスタリアはその全てが愛おしすぎて、抱き上げてしまう。そのままサルバトーレ邸へ入り、ルディの部屋へ行った。ルディの部屋は白色ベースに赤の縦線の入った物でいっぱいだった。クッションから絨毯からカーテンからベッドまで、全てアナスタリアを象徴とする色で埋め尽くされていた。
そしてソファーに腰を下し、膝の上にルディをのせるアナスタリア。そして決まってルディの香りを嗅いだ。
「あぁ…ルディ…こうしていると、とても落ち着くんだ。」
アナスタリアは首筋に鼻を近づけて大きく息を吸った。
「は、破廉恥ですわ!!///」
「そうだね・・・。あぁ…好きだよ。ルディ。君を愛しても愛し足りない気がする。俺と一緒に国外へ逃げようか…。」
「…アナスタリア様。何か嫌な事でもおありですの?」
「うん…そうだね。ルディと離れている時間が俺にとっては苦痛で仕方ないんだ。俺から離れないでほしいくらいだ。」
「アナスタリア様がダメって仰る日以外は毎日王宮へ会いにいってますのに…。」
「公にこうしてイチャついて皆に見せびらかしたいんだ。隠れてコソコソを後何年続ければいいんだ。」
愚痴をこぼすアナスタリア。ルディはアナスタリアの頭を撫でた。
「アナスタリア様、ワタクシの心はいつだって…貴方様のモノですわ。アナスタリア様が私を必要としなくなるまで…一生…いいえ、そんな日が来たとしても、なんとしてもお側にいようとしてしまいますわ。このワタクシの心はアナスタリア様に捧げますわぁ~!!」
「うん、俺が拒絶したとしても必要ないと言ったとしても絶対に俺から離れないで…俺だけを見ていて…ルディ…。」
……
…
時は過ぎ去り、俺が24歳になってルディが18歳になった。
一ヶ月に一回母上は俺を儀式に呼んだ。俺はその時だけ、ルディとお揃いの指輪を信頼する部下である魔法士ウリュウに預ける。それから母上の部屋へ向かった。
-今日で母上との儀式も最後にしよう。抗うんだ。俺はルディと婚約する。その事も告げないと-
母上の部屋の前には母上の直属の侍女がいて、俺に風呂に入るよう指示を出した。母上の執事が浴室へ案内してくれて、丁寧に俺の体が現れ、まるで初夜にでも向かうかのようなバスローブを着させられてから、母上の部屋へと入った。
-下着をつけさせてくれなかったな…とても嫌な予感がする。聞いても、王妃様のご命令ですのでとしか返事が返ってこない。おかしい。-
部屋へ入ってみれば母上も、まるで初夜を迎えるかのような透け透けのネグリジェを着用しており、その下に下着はなく、全てが透けていた。
-母上!!そのような格好は!!-
既に俺の口は動かなかった。なんてことだ。俺はどうなる?
そのまま執事に導かれて体は進み、母上に何度も口付けをされた。
-気持ちが悪い。やめて下さい。…やめろ!!やめてくれ!!-
心の中で何度もそう叫んだ。何度も何度も何度も。
「さぁ…口をあけて…。」
パサっと俺のローブを脱がす母上、俺の口が薄っすらと開く、そこへ母上が唇を近づけてきた。
-嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ!!!!!!-
ドンッと母上を突き飛ばすかのように押してしまった。自分でもびっくりした。母上は尻餅をついてとても驚いた顔をして俺を見る。体の自由が利く、口も自由に動かせる。
「母上、今後このような事はおやめ下さい。度が過ぎます。吐き気がします。俺はエルメラルダ・サルバトーレと今日婚約をします。今日です。今すぐ向かって婚約をします。父上にも許可を得ております。金輪際…このような破廉恥な行為に俺を呼ばないで下さい。」
母上がひるんでいるうちに俺はローブを着用して、急いで部屋を出た。
-言えた。解放された。直前に沢山ルディを吸ったからか?ルディを吸うと体の調子が嘘のように軽くなるんだ。やっぱりルディは俺の女神だったんだ。-
部屋を出てすぐに「ウリュウ!」と叫べばワープでウリュウが側へ来てくれて、ワープで自室へ飛んでくれた。
急いで正装に着替えて俺はサルバトーレ邸へ、ルディの自室へとワープした。
「ア、アナスタリア様!?どうしたのです?もうディナーの時間ですわよ?」
突然現れた俺に驚くルディ。あぁ!!今日も君は素晴らしい!!女神のようだ!!光輝いて見える!
「ルディ!!今日にしたよ!」
俺はルディを抱きあげてクルクル回った。
「何がですの!?」
「君との婚約さっ!!今日だ!!明日には城で一緒に過ごそう!!」
「はい!?ど、ど、どういう事ですのぉ~~~~~~~!?」
は、破廉恥ですわぁ~~~~~~~!!!!王妃も転生者でアナスタリア推しだったのですわぁ~~~~~~!!!っていう補足です。推しを産み、推しを育て、推しを愛でる。
もともとのエルメラルダはお馬鹿さんだから、下剋上も何もできないのです。
とってもアブノーマルな内容ですが、エルメラルダに執着するアナスタリアの裏側です!
沢山のイイネとブクマ!いつもありがとうございます!!ギリギリアウトな気もしますが、よろしくお願いします。




