番外編①【ティファニールの後悔】
-あぁ、全く。聖女の力を封じた今でも、コイツの事が好きだなんてな。-
「帰りたい…帰りたい…パパ…ママ…。」と呟きながらベッドの上ですすり泣く聖女カオリ。
「そんなに俺が嫌いか?」とティファニールが怪訝そうな顔をして問うがまともな返事が返ってこない。
-俺はただ、コイツの笑顔が見たい…だなんて。言えるわけないよな。沢山傷つけて、沢山泣かせて、それでも俺は俺が満足できると思ったんだ。俺さえ満足できればいいと思ってた。まさか、この俺が愛だの恋だの。-
ティファニールは気分転換に外へ出た。
庭園の方で楽しそうな声が聞こえて覗いてみれば、兄のアナスタリアが嫁のルディと笑いあっていた。
-俺もカオリとああして笑いたい。-
「アナスタリア様!エル様って凄いのですわよ!お野菜を冷やし続ける冷蔵庫という装置を作って、お料理の道具をいくつも発明してらっしゃいますの!!地球という星の記憶はとても素晴らしいのですわぁ~~~!!!」と目をキラキラさせてアナスタリアに話して聞かせるルディ。
「ははっ。ルディは本当にエル嬢の事が好きだね。」と言って愛おしそうにルディの頬を撫でるアナスタリア。
「はい!とってもとっても好きですわぁ~~~~~~!!!」
-冷蔵庫…地球か。なるほどな。-
ティファニールは良い事を思いつき、雷領サルバトーレ邸へとワープした。
「ティ。どうしましたか?」とティファニールのワープした魔力を感知して直ぐに出迎えたヒスイ。
「地球という星の知識を頂きたくて。その…冷蔵庫…とか。そう言った家具を教えてもらえませんか。」と少し目を逸らしながら話すティファニール。
「良いですよ。魔法レシピを用意しますね。使い方と用途も記載しておきますね。ティなら問題なく作れると思いますよ。」と優しく微笑んで、すぐにレシピを魔法で用意してそれを束ねて本にしてティファニールに渡すヒスイ。
「にー様は凄いですね。こんな事がパッと直ぐにできて。」と渡された分厚い本をぎゅっと抱きしめるかのように握りしめる。
「良いんですよ。ティはティのペースで。自分みたいに力がありすぎると、ろくな死に方しませんから。それに感情面に関してはまだまだです。」
「なら僕は全然ですね。」と影を落とすティファニール。
「分からなければ聞けばいい、調べればいい。ただそれだけです。最初は誰も何もできなくて当然なんです。できるように頑張る事が重要です。頑張った結果ダメだったのなら、ダメだったという事実を学べば良い。」とヒスイ。
「にー様…。わかりました。ありがとうございます。」と少し涙ぐんでしまうティファニール。
「ティ。いつでも力になります。行き詰ったら何時でも。」と言ってニコリと微笑むヒスイ。
「ありがとうございます。」
ティファニールは急ぎ王城へ戻り、部屋を改造した。できる限り地球に住まう人々の部屋を模した造りにした。その間カオリには目隠しをした。
「どうだ!カオリ!」と言いながら期待を込めて聖女カオリの目隠しを取り去るティファニール。
「地球?戻ってきたの?私。」と驚いた顔をする聖女カオリ。
「いや、カオリを元の世界に戻す事はできない。」と俯いてしまうティファニール。
「…そっか。私、殺されるの?」
「は?殺さないに決まってる。俺は、絶対にお前を殺さない。」
「私、助かるの?」
「助かる。この部屋から出してやる事はできないけど、できる限りの事は全部やる。だから…。」と涙ぐむティファニール。
「ありがとう…殺さないでくれて。」と薄っすらと力なく微笑みを浮かべる聖女カオリ。
ティファニールはぎゅっとカオリを抱きしめた。
「ごめん、ごめんなさい。ごめんなさい。俺が…君を傷つけた…。ごめん。もう酷い事しないから…だから…笑って…。」とティファニールは子供ように泣いた。
そしてカオリは弱々しくティファニールを抱きしめ返した。ティファニールは一瞬驚いた顔を浮かべて再び泣いた。
-いつか君がちゃんと笑えるように。一生をかけて償うから。-
イイネとブクマ、いつもありがとうございます!!
番外編なので短めなものも長めなものもできてくるかと思います!!
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