第二十七話【とんでもない乙女ゲームですわぁ~~~~~~~~~!!!】
大人気乙女ゲーム麗しき王国の麗しき人々…
略して【ウルコク】。
不幸な事故がキッカケで異世界転生する事となった少女がいた。名前については自分が カオリ だったとしか思い出せない。自分が転生してしまった場所が【ウルコク】の世界だと思った理由は【星降る夜の儀式】を見たからだ。色んな人が杖を持って城目掛けて魔力を放出している。
そのシーンは【ウルコク】の最初の最初に出てくる。【ウルコク】ファンなら誰がみても分かるシーンだ。
少女は 『行かなきゃ』 と思った。光が指す方へ歩き始めた。
纏った覚えもないスマートな純白のドレス。そして頭には美しいヴェール。
内心ドキドキが止まらなかった。始まるんだ…【ウルコク】が、自分はそれを生で感じられるんだ。
夜会が開かれる為、エルナザール城の門は開いており、沢山の人が出入りしていた。
そこへ淡い金色の光を纏い純白のドレスを着た、明らかに不思議なオーラを出す少女が夜会会場へ足を踏み入れようとする。
「おい、アイツで間違いないか?」」とクマのぬいぐるみを腕だけ掴んで、ダラリと床につけて、足を丁度良い高さの塀に置いて異色のオーラを放つ少女を見つめた。
「恐らく。エルメラルダ様の予見通りだね。ニール。」と王宮の神官、ハリルが言った。ハリルは髪も肌も何もかも白くて瞳だけ黄金だった。つまり、聖属性を持っている。ハリルの家は代々神官として王宮に勤めているが、国が滅んでしまうくらいの事件が起こらない限り、その力を行使してはいけない掟があり、聖女がどれだけ暴れようが国が滅ばないのなら無視をしなければならない。
だからティファニールはハリルをただの友人として接していた。
「あぁ。それに…お前も感じるだろ?」と挑戦的な笑みを浮かべるティファニール。
「はい。とても好きです。あの方。」とニコリと微笑むハルク。
「間違いないな。さて、熱烈なプロポーズと行きますか。」と言ってワープして聖女の元へ向かうティファニール。
聖女の目の前には第五王子ティファニールが現れた。
(え!?ティファニール様!?出会いはここじゃないはずなのに…どうして?しかも、とってもニコニコしてる…。可愛い///)
聖女は軽く会釈した。
「ようこそ、聖女様。初めまして、エルナザール帝国第五王子。ティファニール・エルナザールです。以後お見知りおきを。」と丁寧に挨拶するティファニール。
「え、えぇ…私はカオリ。よろしく。」と少し驚いた顔で挨拶し返す聖女カオリ。
(え?ティファニール様ってもっと可愛い感じじゃないの?普通に普通の男の子してるけど…クマのヌイグルミを絶対口元において離さないんじゃ…って!!クマのヌイグルミ地面に引きずられてるーーー!!!)
「美しき姫、カオリ嬢。今宵素敵な夜を記念してプレゼントを宜しいですか?」と婚約指輪のような小箱をハリルから受け取るティファニール。
「え!?え!?…プレゼント!?」とストーリーに無い事をされて慌てる聖女カオリ。
「お姉ーちゃん!ほら!飴だよ!!お口をあけて?」と普段ヒスイの前でのみ被るネコを今被って小箱から赤黒い飴を取り出して「あーん」と言いながら聖女の口に運ぶ。
(よ、良かった。今のはサービスみたいなものかな?そうそう、これよ。ティファニールはこうじゃないと。可愛いだけが取り柄なんだから。)
聖女は何の疑いもなくパクリとそれを食べた。
「美味しい?」とフワリと優しい笑みを浮かべて問うティファニール。
「ん?…ウーロン茶みたいな味が…。」
「ふふふ…ハッハッハッ!!」と突然ティファニールが笑いだしてギョッとする聖女カオリ。
「え?何?」と顔を引きつらせる聖女。
「驚かせちゃったね。お姉ーちゃん!あのね!僕がお城を案内してあげる。良い…かな?///」と言って引きずっていたクマを抱き寄せて口元を隠して可愛くおねだりするティファニール。
「え、えぇ。えーっと。」と戸惑う聖女。本来なら会場に入って王の前に立たなければならない。
「とっても綺麗な庭園があるんだ!そこの薔薇を一輪、美しい聖女様にプレゼントしたくって///」と可愛く言って手を差し伸べる。聖女は顔を引きつらせながらもコクリと頷いてティファニールの手を握った。
(まぁ薔薇1輪だけもらったら会場に戻ろう。始まったばかりだからきっと間に合うはず。それに神官のハリルがいるし…ハリルルートクリアに必須な条件かもしれないし。)
「ここはー一番短い廊下でー!」と無邪気に子供のようなふりをして説明していくティファニール。
(ちょっと子供っぽすぎかなぁ。でもティファニールのこれは表の顔だから堪能できるうちに可愛さを吸っておかないとね。)
しばらく歩けば薔薇が美しく咲き誇る庭園についた。
(やっぱりね。ここはハリルとの思い出の場所になる場所。ハリルルート関連のイベントなんだ。)
「飴はもう無くなった?」と可愛い顔をして聞くティファニール。
「う、うん。とっても美味しかったよ。」と作り笑いをする聖女。
(ウーロン茶の茶を抜いたような味でわりと不味かった。)
「ふーん、美味しかったのか。嬉しいよ///俺の血を美味しく頂いてくれて。」と恍惚な笑みを浮かべるティファニール。
「…………は?」と素になって固まってしまう聖女。
「エルお義姉様から聞いてたんだ。俺はカップに自分の血を注いで聖女に飲ませるって。知ってる?そのシーン。」とティファニール。
「……知ってる…王族にのみ伝わる古代に消滅した血の契約。でもそれは…最後のラブラブエンドクリアでしか見られないイベント…。でも、エルお義姉様って誰…。」と言えば聖女の体はドクンと脈打ち、真っ赤な紋章が首に現れた。
「あ…あ…熱い!!助けて!!熱いっ!!痛いっ!!!」と聖女は苦痛に悶え倒れ込んでしまう。
「最初は痛いらしんだ。体中の血液に俺という存在を刻み込んでいるからね。これで君はもう…俺以外を愛せない。俺以外の誰かと口付けをすれば特殊な電流が発生して阻止される。もう君は大人しく俺のモノになるしかないのさ。」と不敵な笑みを浮かべるティファニール。
「ど…して…こんな…事。」と痛みに耐えながら質問する聖女。
「君を愛しているからさ…心の奥底から…。」と言ってクマのヌイグルミをハリルに押し付けて聖女を抱っこするティファニール。
「そんな・・・事って…。」と一筋の涙を流す聖女。
「相手がいないよりマシだろ?このお優しい俺様が厄介者の聖女を娶って、おまけに愛してまでやろうっていうんだから。君は恵まれているんだよ。カオリ。あぁ…君からとても良い匂いがするね。いいぞ…いいぞ…。俺も兄上のようにヒトに興味を持てなかったんだ。君の強制力とやらで…心から愛せるよ。」とコツコツと足音をさせながらダラリとした力なき聖女を自室へ連れていくティファニール。
(こんな事って…こんな事って…どうなってるの…。)
一方サルバトーレ城では。
「エル、真剣な話をしても良いですか?」とエルの為に果物ジュースを入れてそれをテーブルの上に置き、エルメラルダが座っている隣に座るヒスイ。
「ん?どうしたの?」
「無事聖女も現れて、ティに貰われたようですし、関係を進めようかなって思ってます。」と目を少しだけ細めて優しく微笑むヒスイ。
「か、関係を進めるって…えっと…それはつまり…///」と顔を赤くして俯くエルメラルダ。
「もちろん、今すぐエルを食べたいですよ?なんていったって、一緒に寝てるにも関わらず2年も我慢してるんですから。それをする為の儀式・・・と言いますか、明日、少し自分に付き合ってくれませんか?」とヒスイ。
「え。うん。良いけど…。ヒスイとなら何処へでも。」と笑うエルメラルダ。
そんなエルメラルダが可愛くて額にキスを落とすヒスイ。
実は、この物語をより楽しめるように、そしてヒスイとエルメラルダのイチャイチャをもっと見られるように、この物語が完結次第、新ストーリーとして出します!!!それに伴い、更新頻度が少しゆっくりになります!!よろしくお願いします。そして沢山のイイネとブクマありがとうございます!!コロナ後遺症で大変疲れやすい体となってしまいましたが、最後までよろしくお願いします。




