第十六話【に、ニヤニヤが止まりませんわぁ~~~~~~~!!!!!】
「ティファニール。」と第五王子の名前を呼ぶのはヒスイだ。
剣術の訓練の帰りを待ち伏せしていたヒスイは弟であるティファニールに声をかけた。
「にー様…どうされたのですか?」と抱えてるクマの人形で口が隠れていて、なんとも言えない可愛さを出すティファニール。金色のふわっふわな癖っ毛もとてもキュートである。
「そのクマのぬいぐるみ、少しほつれてませんか?」と少し首を傾げてクマをみつめるヒスイ。
「え?そうですか?」と言ってクマを見るティファニール。
「貸してもらっても?」と優しく微笑んで手を出すヒスイ。
「あ、はい。」と言ってティファニールはクマのぬいぐるみをヒスイに渡す。
「随分と大切にされていたようですね。」と言ってヒスイはクマのぬいぐるみを魔法で綺麗にして返す。
「わぁ!新品みたいだぁ!!にー様ありがとうございます!」と可愛く喜んでみせるティファニール。
「いえ、ティ。最近嫌な事とかないですか?」と優しく微笑んで質問するヒスイ。
「………にー様を…あの癇癪持ちにとられた事です。」と可愛さを残しつつ膨れるティファニール。
「ティ。にー様は取られたんじゃないです。」
「え?」
「にー様はエルを…大切にしていた人達から奪ったんです。」と影を落として言うヒスイ。
「…にー様が?」とティファニールは唖然とする。
「はい。クマさんにおまじないをかけておきました。大事にしてやって下さいね。」と言ってヒスイはティファニールの頭を撫でて自室へ戻る。
自室には影がいて、少し汚れたクマのぬいぐるみを抱いていた。
「上手く回収できた。次は…第三兄上か。」と少し溜息をつくヒスイ。
ヌイグルミがデスクに置かれる。
ヒスイは雷と木の属性の光を指に灯してクマの腹に手を突っ込み火で燃やした。
「雑魚が。」と低い声で吐き捨てるヒスイ。
一方、監禁生活2週間目のエルメラルダ。
コンコンと部屋をノックされ「はい。」とオミドーが返事しドアを開けられた。
「また見張りをお願いします。」とヒスイが言えばオミドーは「畏まりました。」と言って部屋を出て行った。
ヒスイは部屋に入るなり、ニコニコしているエルメラルダの頬をつねって「浮気者。」と呟いた。
「なっ!失礼な!これは浮気とかじゃなくて推し活っていうの!」と膨れるエルメラルダ。
「また訳の分からない単語を。あ、そうでした。いよいよ明日、兄上の誕生日パーティーですね。」と言ってヒスイが影をチラリとみれば影が一度姿を消して、すぐに大きな箱を持って帰ってくる。
「いよいよ明日…うわぁ~~どうしよう…。」としゃがみ込んで青い顔をするエルメラルダ。
それに合わせてヒスイもしゃがむ。
「大丈夫、エルはダンスも歩き方も貴族を覚えたりとちゃーんと練習してきたじゃないですか。自信を持って下さい。」とヒスイは優しく微笑んでエルメラルダの頭を撫でる。
「でもぉ…。」とうるうるした目でヒスイを見つめるエルメラルダ。
「今日は頑張ったご褒美があります。」と言ってヒスイは影から小さな箱を受け取り、エルメラルダに渡した。エルメラルダは受け取って「これは?」と聞くと「開けて見て下さい。」とヒスイ。
エルメラルダが小さな箱を開けるとダイヤモンドの指輪が入っていた。ダイヤモンドの両サイドには極限まで小さく美しく見事にカッティングされたヒスイと紫っぽい石。見事なバランスで可愛らしいデザインになっている。
「え…ヒスイこれ…。」と唖然とするエルメラルダ。
「遅くなりましたが、婚約指輪です。」とヒスイはエルメラルダの手の中にある小さな箱を持って、中の指輪を取り出して、それをエルメラルダの左手の薬指にゆっくりとはめる。
エルメラルダは顔を赤くして、とても感動するかのように「う、うわぁ~///」と声を漏らして見つめる。
「それから…これはもう、今日でお終いです。」と言って、エルメラルダの腕にハマっている手枷を解除した。
「あ…。」と床にカシャっと落ちた手枷を見つめるエルメラルダ。
「後はギリギリになってしまったんですが、明日着ていくドレスの試着をお願いします。」と言ってヒスイが立ち上がると、エルメラルダがちょんちょんとヒスイのズボンを引っ張る。
「ん?」
エルメラルダは上を見上げて「ヒスイ!!ありがとう…///」と心からお礼を言う。
ヒスイはエルメラルダに上目遣いで可愛い顔をされたものだから、ストンとまた座ってしまう。
「…可愛すぎる事をしないで下さい。心臓に悪すぎます…///」と初めてまともに照れてしまうヒスイ。
(ス…スチルだ!!!!絶対スチルだー!!うわー!!!眼福~///)等とエルメラルダに思われているとは思ってもいないだろう。
その後ドレスの試着をしてみるエルメラルダ。
エルメラルダはいつも奇抜なドレスしか着ていなかったが、ヒスイと出会ってからは毎日ヒスイセレクトの大人しいドレスを着ていた。だから今回も大人しい感じのドレスかと思いきや…ふんだんにヒスイやエメラルドの宝石をはめこまれた重たそうな白と緑のドレスで実際に着てみるとかなり重いようだ。
「…す、すごい重さ。どうするのこれ!!歩けないよ!?ドレスはとっても素敵だし、着たいけれど…。」と困った顔をするエルメラルダ。
(どうしよう…絶対高いよコレ…いくらするの!?歩けなかったらどうしよう…。)
「エル、ドレスとはそういうものです。」と真剣な顔をして言うヒスイ。
「…う。」と辛そうなエルメラルダ。
「冗談です。」と言ってヒスイがパチンと指を鳴らせばドレスが急に軽くなった。
「はう!?え?」と驚いて少し半回転してヒラっとドレスの重さを確認するエルメラルダ。
「困ったエルを見ないと、さっきの可愛いエルがチラついてチラついて、どうにかなってしまいそうだったんで。重くないようにちゃーんと調整されてますよ。」と良い笑顔を浮かべるヒスイ。
「良かったぁ~・・・せっかくこんな素敵なドレスなのに着れなかったらどうしようってヒヤヒヤしたぁ~。」と半泣きになるエルメラルダ。
「よしよし。ふむ、ピッタリですね。苦しくないですか?」とエルメラルダの回りを一周して自分の目で確かめるヒスイ。
「うん!凄くピッタリ!!どこも苦しくない!ありがとう。」と嬉しそうにするエルメラルダ。
「自分もエルと並んで歩く為に、数年ぶりに自分の正装を注文しましたよ。」と半笑いのヒスイ。
「数年ぶりって…いつもどうしてるの?」
「このまま出てます。」
ヒスイのお決まりの服装は正装の宝石が散りばめられて、いくつか勲章バッチがついた上着を羽織って、中はカッターシャツのようなものと黒いズボンだけ。
「えぇ~~~~~~!!!!」とドン引きといった感じに驚くエルメラルダ。
「興味がなかったもので。…でも今回は、宝石を美しく魅せる為に、自分も頑張りますよ。」と力なく笑うヒスイ。
「ほ、宝石?」
「はい。エルの事ですよ。自分は…いや、エルは宝石のようにキラキラしてますから、並ぶにはそれなりに着飾らないとなって。不思議ですね。今まで全く興味がなかったのに。」
「ほんとに何にも興味が持てなかったんだね。よしよし。」とエルメラルダは何故かヒスイの頭を撫でた。
「……っ///」
ヒスイは照れて手で口元をおさえる。
「わぁ、今日のヒスイ可愛いかも!」と物珍しそうにヒスイを見つめるエルメラルダ。
「なっ…いや…エルも可愛いです。とっても。」と真顔で言われてエルメラルダも赤面してしまうのだった。
さて、土日だったのとブクマやイイネが沢山きていてモチベが高かったので1日3回更新してました!
平日は1回更新になるかと思います。皆さんに元気づけられて後遺症の方も治ってきました!まだまだ頑張れそうです!!見てくれてありがとうございます!! 13話の誤字報告適用しました!




