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不幸イベント参加者様とモブ擬態主人公たち

作者: 青嵐空翔

新の力を持ちし転生者や転移者は、不用意な争いに巻き込まれることはない。

あれは力に惹かれて無謀な道を選択したキラキラ系主人公と言う名の称号を得た者達の道のりであり、それとは別の道を歩む者たちがいるのは当然のことだ。


主人公という称号を得ても、それを秘匿し続けて存在し生活が出来る者達がいる。

彼らはモブと呼ばれる──物語の脇役といえばわかるだろうか──者達に擬態して生活しているか、まず人々の生活の中に存在されていないかのどちらかだ。


目立たないにはどうすればいいのか。


なんでもないうちに消え去ればいい。

自身の力のみで生きていけるのだから、人々がいる場所でわざわざ目立つような行為をするはずがない。

これが一番楽な方法だが、自給自足ができるか、1人で生きていけるかという問題があるのでその辺りをクリアできる能力があればの話になってくる。


別に一人はではなくてもいい。

家族がいてもいいが、人は争うし嫉妬するし裏切るから注意が必要となる。

一人が知ったら10人が知る可能性を考えるべきだ。

自分が教育できる状況なら可かもしれないが、やはり秘匿は難しいと考えるべき、対応策はあるけれど。

安全なのは、言語が理解できないか意思疎通の能力ないか少ない動物などの生物との生活になる。

もしくは対自分以外の他者と意思疎通ができない者であればいい。


正直言ってこちらの方が個人的にはおすすめだ。

例え会話ができたとしても知能が少なければ全てを話す必要性もないのだから、無駄に悩まなくてもいい。

どうも秘密にしていることが罪悪感になる場合があり悩む者が多いらしい。

それも時間をともにすればするほど、言いたくなる傾向にあるようだ。


そこを上手く乗り越えて、自身の判断基準を全てクリアしたもののみに絞れる者は本当に少ない。

馬鹿かと思うほど安易に打ち明けてしまうのだ。

相手のことを考えず。


罪悪感を薄れれさせるため、自分を正当化するためなのか、サクサク打ち明ける道化たち。

彼らは何かがきっと壊れてしまったのだろう。

例え対抗できる素敵な力があったとしても、一瞬でかたがついてしまって、物語の最終回でひっぱってひっぱってたどり着く場面が最初にきたらどうだろうか?

現実ならそういうこともある、いやそういうことばかりのはず。


より現実味のある話をしよう。

例えば安易に家族に力について打ち明ける。

主人公の行動や言動からいつの間にか情報を得ようとする相手がいる。

家族の誰かがターゲットになり、洗脳や催眠などあまり身体にいいとは思われない力を行使されたら?

もちろんその標的となった家族を助けるために主人公は動くだろう。

でもその時では遅かったら?

口を割らせるためだけに利用され、殺されてしまった場合主人公はどうするのだろうか?


きっと復讐者になるのかもしれない。

それもまたそういう道を歩む主人公でいることにはいるが、正当性はあるのかなー。

たまごが先か鶏が先か。

そのような状況下にならないような対策を整えてから打ち明けるのが最低限の筋だと思うのだ。

場を整えきれなかった主人公のミスとも言えるが、誰も主人公を責めはしない。

探った相手が悪人という認識になるらしい。

確かに間違ってないけど、目立つ行為をしなきゃそんなことにならなかったのでは? と考えてしまう。


さて、逆にターゲットとなった相手が情報だけ吐かされて残った場合。

これもきっと不幸だと思う。

安易に打ち明けられたから聞いただけであり、別に誰かに話す気はなかったかもしれない。

ただ、一番無防備であったからこそ標的にされ、怖い目にあい、そして主人公についての秘密を話してしまった。

どうしようもないことかもしれないが、助けられてもそのことについて罪悪感が生まれるだろう。

対象が弱かったからなども理由になるかもしれない。


心の底では主人公の秘密なんて知らなければよかったと思うかもしれない。

ただ、助けてもらった本人にその言葉はいえないだろう。

怖い思いをしたのは主人公のせいだと考えるかもしれない。


その言葉を飲み込んで悩みつつ消化してくれるかは家族によるし、環境にも立場にもよる。


例えば貴族階級の婚約者がいる女性がターゲットにされた場合、決まっていた結婚はなくなるかもしれず、何もなくても何かあった可能性が捨てきれないからという理由だけでそのような状態になることもなくもない。


さて女性的な立場の転落をしてしまった彼女は主人公に対して家族の優しさだけで生きていけるだろうか。

我慢の日々がはじまるのだ。

幸せな未来が壊されて、明るい明日が迎えられなくなる絶望を感じつつ優しいままでいれるだろうか。

別にすべてを包み隠さず話してくれと彼女が思ったわけではない。

主人公の罪悪感や正当化のためだけに、使われたのだ。


ま、主人公が話そうが話さなかろうが、彼女はターゲットにされた可能性はあるかもしれないが。


さてこのように思った彼女の優しさが裏返ってしまった場合どうなるだろうか。

主人公の身内から敵対者が現れることになるのだ、行動するのは彼女だが、原因は主人公にある。

やりすぎかもしれない?

でも未来を壊されたら何もないのと同じではないのか。

生きてる意味はあるのか?

彼女は自分を保つために、主人公に復讐するかもしれない。


こうなる未来も1つとしてある。


それでも主人公達は今日も打ち明ける。


そして相手が壊れるのをみて悔しい気持ちになるのだろうか。


地球で生きているときだって、全てを家族に打ち明けることはない。

別に隠し事というほどのことでもないから黙っているというより、どうでもよさそうな情報だから言わないだけだ。

今は赤が好きで、数年後には青が好きなんて情報はわざわざ口にして言わない。


自分の力についてはそれくらいのこととして考えておいた方がいい。

それが非日常だと理解してる主人公がおかしいと気づけない。

気づいているからこそ普通を演じてるかもしれないが、ボロはボロボロ出ている。


さて、そこをボロを出さずに生活できてしまえるのが新の変た……いやモブ擬態主人公達である。

確かに主人公達の道のりはドラマチックだ。

だって物語になるほどだから、山があって谷が無いとね?


でも擬態主人公たちには、山も谷も必要ない。

人様のことや客観的にみえる物語ならドラマチックもいいだろうが、「では貴方の人生に」とされたら嬉しくない。

いや、嬉しいと思う安易な主人公達ももちろんいるのだろうけど。


例えば、事故死し神と対面し素晴らしい力を得て別の世界にいくとか……。

本当安易すぎる判断だよ。


言っておくがこの場に選ばれた相手は幸運の持ち主ではない。

正直に言おう、不幸イベント参加者様だ。


でも彼らは気づけない。

神に逆らえないから仕方がないというかもしれない、でも拒否をする人々も時にはいる。


神にあっている時点で、選ばれた本人の心の奥底にある願望によって作成された場の可能性が高いのだけど。


いい条件と思える力を得ての場合と、無謀の強制で最弱の状態の場合もあるだろう。

その辺りも本人により左右されて決定されているのだ。

自分ならこんな最悪の状況でも打破できると心の底で思っていたりなど……。


さて、なぜ不幸イベントなのだろうか。

いい条件だろうが最悪な条件だろうが、新しい生を得れて成功する可能性のある切符は憧れるものだ。


都合のいい神と言う自称の相手を信じる点がまず1点。

こんなことがあるはずがないと、思えないところも。


死しての邂逅後、1度だけでもアレなのに。

その後一定の条件で会話やあうことが出来る状況。

さらにいつでも、すぐにでもつながることが出来る状況が一番最悪のパターンだ。


まず、素敵な力を得て相手の思考を読むことも成長すればあるだろう。

その時点で、疑問に思わないのだろうか。

はたして、あれは本当に神だったのかという点に。


ちょっと不明確な空間を演出して、死した主人公たちと対話さえ出来る能力さえあれば、誰だって自称神になれるではないか。


さて自称神は本物なのか。

自身と同様に素敵な力を過去に得ただけの同種の存在だとは思うこともない?


そこにたどり着ければ、さて自称神はなぜ主人公を選んだのか?

そんな疑問に突き当たるが、主人公たちは自分が選ばれし……などと供述しはじめることが多くて、話が通じず疲れるので、彼らの理論に付き合うのはやめよう。


簡単に考えて、手軽に使える主人公脳のキャラクターだから。

これに尽きると思うのだ。

主人公だからこその魅力もそれぞれにはあるが、苦難に対応出来なくなればあっという間に役割が変わり、そして終わる。物語の完であり、連載の打ち切り。もしくは読みきり。


長期連載の主人公に成れればいいのか、苦楽が山積みの人生をお望みならありかもしれない。


自称神の紐付きなど、手のひらの上で転がるように余興を繰り返すのを楽しんでいる愉快犯に唆された哀れな相手でしかない。


不幸イベント以外の何者でもないだろう?


読んでいただきありがとうございました。

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