表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自警団〜異能サスペンスミステリー・荒木団員の事件簿〜  作者: いるか
裏切り者と足手まとい
65/121

喧嘩

すみません、リアルが忙しく投稿遅れました。

これから3日くらいのペースになりそうです。


あと今日中に消えた異能の編集をしようとおもいます。

終了した際は活動報告で報告させていただきます。

「荒木、大丈夫か?」

「……」

 自警団の病室、俺はそこに搬送されてきた。

沙羅さんは別の病院に搬送されたらしい。

再生能力もあり、ある程度傷の治った俺は自警団へと送られたようだ。

 あれから1日だったが、今はまだ誰とも会話をしたくない。

「ほら、パンとか買ってきたぞ」

 斎藤はそんな俺の心中を察しもせず、食べ物を俺の前で広げる。

「朝から何も食べてないんだろ? 食べないと力でないぜ?」

「……いらない」

 今はとても何かを食べる気なんて起きない。

俺のせいで沙羅さんは重傷を負った。

その時の目の前で行われた光景が脳裏に焼き付いている。

「……そっか」

 斎藤には悪いが、俺を心配してくれるなら1人にしておいて欲しい。

「それで、これからどうするんだ?」

 食べ物を袋に回収しながら斎藤はそう言う。

どうする?はっ、決まってるだろ。

「もう、ほっといてくれ」

 俺の不用意な行動で沙羅さんを傷つけた。

どこから湧いてくるか分からない自信だけで動いて、その結果があの様だ。

 もう俺には沙羅さんの隣に立つ資格なんてない。

「なあ、ちょっと動かないか? 少しは気が晴れると思うぜ」

「……分かった」

 こいつは何かしないと一生ついて回る気だ。

1人になるために、適当に合わせて納得させて帰ってもらおう。

 そう思って俺は斎藤について行って、自警団にある運動施設についた。

「いやー、いつ見ても懐かしいよなぁ」

 自警団の待機施設は元々廃校の学校を引き取り、そこから改装されて作られたものだ。

そのため、見た目は大きく変てってもグラウンドや食堂などには学校だった名残がある。

 運動施設もその例に漏れない。

ここは体育館だったのだろう。

床の質感や、先生が立つようなステージが残っており斎藤のいう通りいつ来ても懐かしさを感じる。

「自警団、やめるのか?」

 俺がぼーっとしていると斎藤が話しかけてきた。

「ああ、当たり前だ。これ以上足を引っ張れない」

 そう答えた時、斎藤が殴りかかってきた。

「っ! いきなり何すんだ!」

 ギリギリかわして、殴ってきた斎藤に怒鳴る

「体動かないか、て言ったよな?」

「ふざけんな、今はそんな気分じゃない」

 俺は踵を返し、入ってきた入り口から出ようとするが斎藤に肩を捕まれ止められる。

「まあそう固い事いうなよ」

 そのまま肩を大きく引かれ、俺の体は斎藤の方を向くように半回転させられる。

そしてすぐに拳が目の前に来た。

それを避けて斎藤から距離を取る。

「お前何がしたいんだ!?」

 俺がそういうと斎藤は睨んで俺を見る。

「何がしたい……? 決まってるだろ、ヘタレなお前を殴るんだよ!」

 その言葉の後、斎藤は得意の踏み込みで一気に俺の懐まで近づく。

「くそっ!」

 俺は飛躍を使って一瞬で斎藤から離れた。

「逃げんなよヘタレ、一発殴られた方が頭冴えんじゃねぇのか?」

「ヘタレヘタレって、俺がいつヘタレたってんだ!」

 さっきから斎藤は何を言っているんだ、俺は失敗をしたからその責任を取ろうとしているだけで……。

「分かってねぇなら教えてやる、お前が自警団をやめたら誰が一番悲しむと思ってんだ」

「……そ、それは」

 それは多分、沙羅さんだ。

きっと俺を守れなかった事に責任を感じてしまうかもしれない……。

「分かってんならウジウジしてねぇでさっさと事件解決しに行けよ!」

 斎藤のその言葉で俺の中の何かがプツンと切れた

「……人の気も知らないで分かった事言ってるんじゃねぇよ!」

 その言葉でたじろいた斎藤に一気に飛躍で近寄り、渾身の力で頬を殴る。

 斎藤は俺の殴りを食らい、よろよろと下がっていった。

「俺なんかがやらなくたって事件は解決する! そもそも俺が小林さんの裏切りに気づかなかったから起きた事件なんだ。今更どの面下げて行けっていうんだよ! 沙羅さんだって警察だって俺がいない方がいいと思ってるに決まってる!」

 そもそもあのアジトに突入したのは小林さんの裏切りに気づかなかった俺が招いた事だ。

もし最初の時点で違和感に気づけていれば起きなかっただろうし、沙羅さんだって重傷を負わずにすんだ。

 そんな俺が今更警察に顔出したって足を引っ張るだけだし、沙羅さんだって俺みたいな危なっかしい奴ともう一緒にいたくないはずだ。

「軽い……軽いんだよお前の攻撃は!」

 斎藤はそう言って俺に殴り返す。

それを受け止めようとしたが、あまりの衝撃の強さに後ろによろめいてしまった。

「いてぇだろ、当たり前だ。俺はお前と違って踏ん張って生きてるからな!」

「……! だまれぇぇぇぇ!」

 心の中で斎藤に対しての憎悪が現れる。

俺はその勢いのまま、なりふり構わずぶん殴った。

「誰もが……お前みたいに強くないんだよ!」

 俺の攻撃で後ろに下がった斎藤に怒鳴る。

「俺が強いだと?」

「そうだ! 俺はお前のように暁さんが倒れても、すぐに立ち直れるように強くない……強くないんだよ……」

 斎藤にも俺のように上司でありバディである暁さんに大怪我を負せた経験がある。

 だがあの時はすぐに立ち直って捜査を再開した。

俺にはそんな事真似できる気がしない。

怖い……怖いんだ……。

俺の行動で誰かを傷つけるのが……。

「俺が強い男って見えてるなら、それは大間違いだな」

 斎藤は口から出た血を拭き取り、よろよろと立ち上がる。

「俺だってあの時はお前みたいに色々諦めたさ、だけどな沙羅さんに言われて気づいたよ。それを受け止めて前に進まなきゃ始まらないってな」

「沙羅さんがそんな事を……?」

 沙羅さんはスパルタだが、俺が悩んだ時はいつも優しく逃げ方や心待ちを教えてくれた。

だから沙羅さんがそんな事を言うなんて今の今まで全く知らなかった。

「そうだ、前に進まなきゃ何も始まらない、この結果だって無駄になるんだ。もう、誰も守れないんだぞ!!」

「でも……俺は……」

 斎藤の言っている事に間違いはない。

むしろそれが俺のやるべき事だと分かっている。

 だがそれでも、一歩進む勇気が出てこない。

俺が悩んでいると、斎藤に胸ぐらを掴まれた。

「お前は何のために自警団入ったんだ!!」

 斎藤にそう言われてハッとなる。

「沙羅さんを守るために入ったのか? 違うだろ! 目の前の誰かを守るために入ったんじゃないのか!」

「それは……」

「だったら歯を食いしばって立て! 何度間違ったて何度失敗したって立て! じゃなきゃ誰も守れないぞ!」

 その言葉を聞いた時、俺は至極単純な事を思い出した。

あの親を殺された雨の日、誰にも助けてもらえずに悔しかった思い。

 俺はあそこで諦めなかったから、歯を食いしばって立ったから今の俺がいる。

「はは、まったくその通りだな……」

 何て単純な事に迷っていたのだろう。

これじゃあ昔の俺に笑わられる。

「ああ、単純な事だろ?」

 斎藤はそう言うと、笑って胸ぐらを離す。

「そうだよな、進まなきゃ全て無駄にしちゃうよな」

 親の死も、沙羅さんが庇ってくれた事も、俺が動かなければ無駄になっていた。

ならやる事は最初からたった1つしかなかった。

俺には落ち込んでいる暇なんてない。

「斎藤、ありがとう」

「ふん、お互い様だ。早く行け」

 斎藤に背中を思いっきり叩かれる。

まったく……怪力の能力者を少し自覚して欲しいが、それでもおかげで前に進むことが出来た。

「ああ、行ってくる!」

 俺は斎藤に礼を言ってダッシュで警視庁へと向かった。



「たく、思いっきり殴りやがって」

 立つのもしんどくなって床に寝そべる。

「俺が強い、か……」

 天井を見上げて俺は呟いた。

ふっ、どの口が言うんだか。

「お前の方がよっぽど強いってんだ」

 俺は暁さんの時はただ逃げて、逃げて、どうしていいか分からなくて、結局動けないでいた。

 しかし荒木は俺と違って、沙羅さんの事を自分のせいだと受け止めていた。

 逃げない荒木だからこそ、俺の言葉1つで全てに立ち向かう事を決められたんだ。

 俺はまだ立ち向かう覚悟が無いから、鍛錬を積む事で覚悟をするための答えを見つけようとしている。

この時点でどう見たって荒木の方が強い。

「自覚して欲しいもんだなぁ」

 俺が呟くと、暁さんの声が聞こえた。

「おや? もう決着ついたんだ」

「あ、暁さん!?」

 目の前の景色が天井から暁さんに変わり、驚いて飛び起きた。

「派手にやってたね、人払い大変だったよ」

「え、すみません……」

 まさかバレてた上に人払いまでしてくれていたとは。

色々と恥ずかしい。

「荒木くんはいい友人を持ったねぇ」

「やめてくださいよ、恥ずかしいです」

「ふふふ、ほら立てるかい?」

「はい、まあ何とか」

 俺は差し出された手を掴んで立ち上がる。

「さ、じゃあ僕達も一仕事しようか」

「へ? なんかありましたっけ?」

 俺が首を傾げると、住所と見取り図や色々金額が書かれた紙を取り出した。

「もちろん、荒木くんのサポートさ」

 俺はその言葉がよく分からず、言われるがままに暁さんについて行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ