覚醒
初投稿です。
めちゃくちゃ初心者で見様見真似で投稿しました。
拙い文、少ない引き出し、むかつく言い回し。
色々あるかと思いますが頑張っていきます。
目標は皆さんの暇つぶしになる事です。
よろしくお願いします!
※(2020/06/26)
若干、文を変えました。
今後ちょくちょく色々と他の話も変えていきます。
当たり前ですがストーリーを変えたり、いきなり情報を付け足すような真似は致しません。
「ひどい雨だ……」
そう呟く青年は決死の覚悟をした顔つきだった。
「……」
青年の呟きに対して無言を貫く女性がいた。
その女性は迷いながらも確固たる意思を持って言葉を紡ぐ。
「いってらっしゃい」
青年は笑ってそれに返した。
「いってきます」
※
「ちくしょう……」
強い雨の中、少年は呟く。
「何でだよ……助けてくれよ……」
雨は無情にも強く降り注いでいた。
※
「いってきます!」
「はい、いってらっしゃい剛太くん」
いつもの時間、いつもの変わらぬ挨拶、そしていつもの返事。
俺は見慣れた住宅街を自転車で駆け抜ける。
いつもの日常だ。と言っても俺、荒木剛太は無職で目的地はハローワーク。
これが変わらぬ日常というのは悲しいものがある。
俺の親代わりになってくれてる紫藤守さんは焦らなくていいと言ってくれてるけど、20歳となった今、現状に焦らずにはいられない。
だから俺は毎日この日常が変われと祈っていた。
そんな俺の下らない祈りは数秒後に届く。
「オラ! 抵抗すんな、早くのれ!」
目の前で屈強な男が少女を無理やり掴んで車に乗せようとしている。
そう、祈りは届いたのだ。
俺の日常は今ここで大きく変わる。
……いや、これなら変わらない方が良かった。
戻してください、今すぐに!
「ちょ、なにやってるんですか! 警察呼びますよ!」
この状況は流石に見逃す事は出来ない。
時を戻す事も出来ないので、助けるしか無い。
俺は自転車で叫びながら近づくが、当の少女は抵抗するどころか叫ぶことすらしなかった。
だから俺が叫んだところで間に合わず、少女を乗せた車は出発してしまった。
「まてぇぇぇぇぇぇ!」
俺は必死に自転車をこいで車を追跡する。
幸か不幸かこの時間は周りに人は誰もいなく辺りを気にする必要はそこまでなかった。
そうやって追いかける事およそ10分、近所で廃墟エリアと呼ばれる廃墟だらけの土地についていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
この廃墟エリアに向かうために車が右折した後、俺も右折をしたが見失ってしまった。
だがこの廃墟エリアは行くにも戻るにも一本の道しかない、そしてここから先の道もない。
つまり誘拐犯はここを根城にしているという事になり、更にはここで見張っておけば出ようとしてもすぐに分かる。
そうと決まれば警察に連絡だ。
「もしも……アガッ……」
俺は警察に連絡しようとしたその時、後ろから強い衝撃を受けた。
『もしもし!大丈夫ですか!もしもし!もしも……』
薄れゆく意識の中、警察の声が微かに聞こえたがその声が聞こえなくなると同時に俺は薄い意識を完全に手放した。
「ん、んんん……」
目を覚ますとそこは廃屋の中だった。
お世辞にも綺麗とは言えず所々ゴミが目立つ。
そしてその廃屋には連れ去られた少女が奇妙な格好で座っていた。
汚い廃屋には似合わない綺麗な白髪の少女だ。
だが気になるのはこの少女、まるで足も腕も縛られているかのような座り方だ。
実際は拘束などされていないのに。
「んもご……もごごご」
気になって声をかけようとしたが喋れない。
理由はすぐに分かった。
テープで口が塞がれて、なわで両手両足を拘束されていたからだ。
なんだこの差は……。
目の前の少女は無傷で拘束されておらず自由な状態なのに対し、俺は頭を思いっきり殴られた上に拘束されている。
……ん?
いやそもそも拘束されていないなら何故逃げないんだ?
そう考えていた時、扉からガン!と大きな音がした。
音の主は少女を誘拐した屈強な男で、ナイフを持って俺たちを見下すと安堵したかのように一息つく。
「よし、2人とも拘束されているな。妙な真似すんじゃねーぞ?」
俺はその言葉を理解するのに時間がかかってしまった。
いや、時間がかかっても理解できなかった。
思いっきり目の前にフリーな状態の少女がいるじゃないか。
……もしかしてアホなのか?
意味が分からないのと頭がジンジンするのとで、ついその思った事を口に出してしまった。
だが幸い口にガムテープが巻かれているので、「もごご」という情けない言葉に変換されたが。