86 造作さまざま 2001年2月
86 保護区はいつも現在進行 すずがも通信126号 2001年2月
造作さまざま
目下取り組んでいるのは、浄化系列の末端に近く、リンや窒素の大半がすでに消費されつくしたはずの長靴池の水をポンプアップし、この水だけで浄化池の一部をまかなおうということ。ようやく、計画していたすべての流路をつけ終えて、予定通りの水配備ができるようになりました。丸く切り抜いたぽんぽんマークも、その作業の一端です。ポンプアップする水の量、それに各池の水位変化を毎日のようにこまかく記録して(そのデータをようやく入力して作図を終えて)、どのくらいの水を入れれば、長靴池からのポンプアップを中断せずに続けられるか、見当をつけました。
夏になって、水面からの蒸散や水の逃げがはるかに激しくなる時期には、だいぶ様子がかわるはずですが、今冬は雨に助けられたおおかげもあり、限りあるはずの長靴池の水がまだまだ当分使えます。思いきり下がった水位のおかげで、切り立った土の崖が1mほども出ています。カワセミの営巣場所や、シギが入る汀線確保に役立つかもしれません。おもしろい!
さて、改修工事をやるには、どんな作業にせよ、材料なしではできません。水口補修にはコンパネや塩ビパイプに加えて、土が必要になります。土を確保するため、大黒柱さんたちは、一石二鳥どころか、三つも四つも得をしそうな計画を立てて、人力中心にゆっくり実行中です。要は、浄化池まわりの高い土手を切り下げて、緩傾斜に変えてゆこうというもの。これまでは自転車を引き上げるのもちょっとつらい急傾斜で、段々を切り込んでいたところが、トラクターならどうやら上がれるくらいになりました。ゆくゆくは軽トラックも往来できるようにしたいとのこと。
船橋漁港にある飼料・肥料等の原料を加工したり、冷凍保存したりしているカネハチ産業さんから、大量の貝殻粉をいただくことができました。12月はじめ、10トン車で4台分来ています。春から営巣場所確保に使わせていただいているものですが、通路や路肩の補修にずいぶん役立ちそうです。もとは鶏の配合飼料の原料ですが、近くの飼料工場が遠くに引っ越してしまい、次の売れ口が見つかるまで、大量に余ってしまうとのこと。春のうちに県や市の了解も得られているので、当分はいろいろな形で利用できそうです。もっとも、貝柱等若干の貝の身が含まれているらしく、水を含むと分解が終わるまではにおいます。使い道、使い方についてはこれからの修練が必要。
「いつも現在進行」のあるべき姿は、一見、何も様子が変わっていないことかな、と、ふっと思いました。じわーっとした現状改善をめざして、ダウンしないように、じっくり進行したい。無事これ名馬。これって、けっこうスケール大きな夢なのかもしれない。




