65 トラクターがけとカーポートづくり 2000年4月
65 保護区はいつも現在進行 すずがも通信121号 2000年4月
トラクターがけとカーポートづくり
「思ったよりも耕運機がはねるというか、足をとられないんです。上池の観察壁の前はうまく終わって、ぜんぜんはまりませんでした。ただ、かたまりをくずすのは意外に手間がかかって、6回ぐらいかけないとむずかしかったですけれど」
服にも顔にも点々と泥はねをつけて、大黒柱1号の一樹くんが戻ってきました。2月15日からスタートした春先のトラクターがけが、思いのほか順調に、ペースも快調に、3月4日で一段落したところ。水を戻した浄化池には、うれしいことに、アカガエルがさっそく卵を産んでくれました。抱接している(おんぶガエル)ヒキガエルも見られているので、産卵は確実です。あとはもう少し季節が遅くなってから、トウキョウダルマガエルやアマガエルが産卵してくれることを期待しています。願わくは、卵やオタマが順調に育つ程度には、水の浄化が確実に続いてくれますように。
感動的なことには、今回のトラクターがけでは、ただの一度もトラクターがはまらなかったのですよ。ぬかるみにタイヤが埋まってにっちもさっちも行かなくなることを、私たちは「はまる」と言っています。これを「抜く」のは、ありったけの知恵と力をふりしぼる、充実感、達成感たっぷりの作業でありまして、大黒柱1号氏などは「はまらないと面白くないですよ。次は水をつけたままでやるからチャンスがありますね」などと公言してはばからないのであります。
でも、はまらなくてすんでほんとうによかった。乾燥した晴天に恵まれたことをはじめ、ともかく運がよかった。それに、まる2年の経験から、若干は技術やら、見きわめの力がついてきたのかも。
トラクターがけは、はらはらどきどきの花形作業ですけれど、もっと地道な現在進行もいくつもありました。秋から少しずつ進めていた浄化池の水位維持・調整のためのパイプ埋設がほぼ終わり、殺風景なのが難とはいうものの、水のコントロールがとても楽になりました。パイプの中でヒキガエルが抱接していたそうですが、昨年は同じ場所の松板の水路のところに卵があったので、まあ、認めてくれたことになるのかな。
カーポートづくりも初めて手がけたもの。森田昭次さんの全面的な指導とバックアップで、5m四方のりっぱなものができあがりました。ミリ単位で柱の位置を出したり、垂直・水平をとったり、森田さんがおられなければとても歯がたたなかったと思います。
もともとトラクターのために作ったビニールハウスの収納場に、トラクター(トラちゃん)ばかりか芝刈り機/(しばちゃん)、自走式の草刈り機/(オーレックくん)、中古購入の耕運機(耕太郎)、新品購入の耕運機(耕次郎)と、5台もの作業機械がひしめき、肩掛け式の草刈機やスコップ、塩ビパイプ、燃料タンクなども入っていました。カーポートのおかげで、ゆったりと整理がつくことでしょう。でも、ぴかぴか新品金属製のカーポートは、ビニールハウスと同様、いかにも風景になじみません。風雨よけと修景を兼ねて、竹材とオギやススキで壁をつくることにしています。




