60 カモメはむずかしい 2000年2月
60 鳥の国から すずがも通信120号 2000年2月
カモメはむずかしい
餌場に集まるセグロカモメの中には、足が黄色いものが、特に春先には必ず混じっています。今年もいます。ふつう、セグロカモメの足はピンク色なのですが、足が黄色いのは別亜種ということになっています。1月9日の新浜探鳥会の日、「黄色い足のセグロカモメ」が問題になりました。別種と言う説も出ている「ホイグリンカモメ」ではないかということ。結局のところ、体の大きさから、これではなかろうという結論になったようです。この日は昨年から話題になっている「シロいカモメ」こと、たぶん「アイスランドカモメ」だろう、というお方も出現されたので、ますますややこしいことになりました。プロであるはずの私どもですが、もはやカモメの珍種の見分けにはいっさい関知できそうもない、という無責任な気分でおります。これも、いかんなあ。
もっとわかりやすい、ぴっかぴかのビロードキンクロの雄が旭町から入院してきたばかり。図鑑のとおり、とても面白い顔をしています。豆アジをがつがつと食べてくれるので、放せるようになるといいなあ。
昨日はキジバトとノスリが入院。ノスリは衰弱しきっていたらしく、翌朝死んでしまいました。キジバトはそのう破裂の重傷ですが、わりあい元気にしています。窓か何かへの衝突が原因ですが、7,8ミリほどの大きな種子をそのうにぎっしりつめこんでいて、衝突の衝撃で内側から破れてしまったという傷口。傷を縫合する前に、たっぷり25グラムもの種子をそのうから出しました。半分くらいは残しておいたけれど、本人(?)はおなかがさみしくなったかも。
1月10日の新・成人の日、餌場対岸でコサギがもう1羽にいじめられ、動けなくなってしまいました。幸い、お客さんの目の前でうまく捕獲することができました。2日ほど箱の中でぼーっとしていましたが、餌はしっかり食べてくれて、14日は箱から飛び出すほどになりました。
保護された鳥が餌さえ食べてくれれば、人のほうも元気が出る鳥の国です。




