58 保護区はいつも現在進行 コジュケイ放鳥 1999年12月
58 保護区はいつも現在進行 すずがも通信119号 1999年12月
10月22日(金)、千葉県の東葛支庁によって、地元の南新浜小学校の野鳥観察クラブにも参加していただいて、コジュケイ20羽が保護区に放されました。コジュケイはもともと中国原産で、1919年に東京と神奈川で放鳥されたものが日本各地に増えたという移入種です。保護区にも当初からいましたが、10年ほど前から全く見られなくなっていました。もともと外来種であったものをわざわざ再導入することに意義があるのか、とか、蛇、タカ、猫と外敵がたくさんいる中で定着できるのか、とか、不安材料はいっぱいあります。まあ、コジュケイはやぶ地の鳥。市街地付近では目の敵にされているやぶは、鳥やその他の生きものにとってはかけがえのない大事な環境です。やぶ地の復権という意味でも、コジュケイにシンボル役を務めてもらうのは悪いことではない、ということになりました。
1羽1羽袋に入れて新浄化池の中央部で放されたコジュケイたちは、てんでんばらばらに、それでもしっかり飛んでゆきました。翌日はあちこちで声がしていましたが、2日後には群れがまとまって、かなり離れた場所で見られました。
その後、もののみごとに姿を消してしまいました。おそらくやぶの多い鴨場内にかたまって移動したものと思われます。3日後に猫にとられた死体とタカにとられたらしい羽が見られており、3日で2羽、これではひと月で全滅じゃないか、と心配されたのですが、あとは死体も生きたのも全く見られていません。春になって鳴き出すまで、所在不明のままかも。元気でいてくれるといいけれど。
11月に入ると、あわただしい管理作業が一段落して、ちょっと息がつけるようになります。それまで月2回だった観察会をすべての日曜・祝日にふやしたのも昨年11月。今年は大黒柱2号の達ちゃんが鳥の標識調査(|バンディング)を試したり、1号の一樹くんが浄化池の水位調整のためのパイプ埋設を試したりしています。来年の繁殖期へ向けて、コアジサシ営巣のための裸地づくりも、第一段階の草刈り予定を終えました。
管理作業が順調で、冬の小鳥たちも出そろって、ヤマシギ、アリスイ、オオタカ、クイナといった珍しタイプの滞在連中も記録されて、ほくほくしてはいるけれど。今年度のうちに丸浜川に橋がかけられ、行徳高校方面の緑地の一部開放が来年度に実施されます。これまでになかったことなので、プランが出た段階からびくびくはらはらの連続。実施が間近にせまった今はもう不安でいっぱい。
なにごともきっとうまく行く、と無理にでも考えるようにしています。
楽観が仕事、心配は趣味。現状維持プラス前進志向ができれば、なにごともきっとうまく行く‥‥保護区の現在進行状況、見ていてください。




