53 ボランティア研修 1999年10月
53 保護区はいつも現在進行 すずがも通信118号 1999年10月
ボランティア研修
「県立高校教師は勤続10年目の研修で、2日間のボランティアが義務なんです。観察舎でお願いできないかと思って」
学生時代にアルバイトをしてくれていた農工大後輩の三浦陽さんから電話があったのは、たしか5月上旬のこと。思わずふたつ返事をしてしまいました。生物関連のお仲間4名が来てくださるとのこと。8月30・31日と日取りが決まった7月初めから、どんな仕事がよいかと相談を重ね、だいたいのプランは固まっていましたが、お天気や作業の進行状況を考え合わせて、きっちり計画を練り上げたのは2日前。
第1の目標は、岸が45度もの急傾斜になっているため、水鳥が利用しにくい三島池で、岸の一部をけずり、垂直に近い崖とゆるやかな岸にすること。崖はカワセミの営巣場所もめざしています。第2には、南側の地盤が低く、北側が高い竹内ヶ原(南)―上池(北)の湿地で、地盤が低い南側はシギが入りやすいごく浅い状態を保ちながら、なおかつ北側の観察壁付近にも水を入れようという計画。要するに、途中に畔を設けて水に段差をつけようというわけです。作業の進行が予定より早かったり、仕事にバラエティをつけるため、天候が許せば2ヶ所ある岬の草をあらかじめ刈っておき、干して取り込む作業も第3の目標に入れました。
天気予報は大丈夫そう。よしっ、と日曜には岬の草を刈りました。一方では、三島池に簡単な作業用の通路をつけました。ところが、三島池の現場のまん中にアシナガバチの巣があったらしく、一樹君が2ヶ所も刺されたということ。しばらく様子をみていたけれど、草刈機を動かしはじめると、とたんに蜂がやってくるとのこと。おまけに夕方遅くなってから激しい雷雨。これでは干し草が取り込めるかどうかおぼつかない。どうしよう。
思い悩む暇もなく、翌朝。かんかん照りの上々天気です。9時すぎにはたくましい先生方4名が勢ぞろい。男衆7名! いざ出動。




