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現在進行 鳥の国 1  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
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52 鳥の国から   夏休みの実習生さん   1999年10月

52 鳥の国から  すずがも通信118 1999年10月


   夏休みの実習生さん

 暑いけれど、いつものようにホットな話題はいっぱいあります。

 8月2日から15日まで、北里大学獣医学部5年の有田恵美子さんが実習に来られました。実家の九十九里町から片道2時間の通勤をものともせず、毎朝きっちり8時には作業服に着替えて下りてきます。

「9時からでいいのよ」「なぜか7時半には新浦安についてしまうんです」

 作業服、いつでも洗濯するから置いていって、と言ったら「毎日持ち帰って洗ってます」 おまけに、「ふだんはマウスしか扱えないので、ここはパラダイスなんです。休まずに毎日来てもいいですか」

 とうとう14日連続、前人未踏の皆勤賞を通しました。小鳥の世話が好きでたまらない、という彼女。最初は大きいカラスやゴイサギの世話をこわがっていたものの、掃除などでやむなく手づかみを覚え、手もしっかり傷だらけに。2週間の実習期間中、鳥の国は大だすかりでしたが、身につく勉強になったかどうか、少々不安。

 同じ北里大生で、三陸海岸にある水産学部3年の斉藤一匡君が帰省中に顔を出してくれました。中学生のころ、丸浜川の調査などをいっしょにやってくれたお兄さん。北里大同窓で話がはずんで、「獣医学部は十和田市で、まるで町なんでびっくりした」「うそ、みんなに田舎だっていわれるのに。でも水産学部は、ほんと山の中で、海べりで」脱都会の大学生活もなかなか楽しそうでした。

 もう一人の実習生、岩田吾郎さんは江別市の酪農学園大学獣医学部2年生。「帰省中なので、2日ほど実習に来させていただければ」 岩田さんは私と同じ51歳。一級建築士としての会社を退職し、駿台予備校に一年通って合格を果たし、獣医を志しておられるとのこと。「単身留学中です。息子がまだ浪人中で、親父の方が先に入学してしまったもので」 8月14・15日の2日間、プール掃除や餌やりに汗を流していただきました。「クラブにも入ったんですが、やはり勉強について行くのがたいへんで」

世の中、すごい人がいる、とひたすら感動。

 9月4日、コガモ初認、同6日、オオタカ初認。8月中は水位を思いきり下げた竹内ヶ原でタカブシギやアオアシシギをはじめ、ヒバリシギ、ウズラシギ等淡水湿地のシギが久々に見られ、大感激でした。とても面白いことですが、シギがたくさん入る水位、あまり入らない水位の差というのはほんの1~2㎝です。厳密には9~12ミリくらいではないかと思います。もっと面白いことですが、「こちらはひとまわり深いです」とわが大黒柱1・2号さんたちが表現した時の水位差も、ほんの3~4㎝でした。感覚というもの、大切ですね。それにとても微妙。またシギが入ってくれるように、こうした微調整もきちんと心がけたい。

 良きにつけ、悪しきにつけ、毎朝毎夕、発見、勉強、感動の鳥の国です。



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