48 鳥の国から カワウのコロニー 1999年8月
48 鳥の国から すずがも通信117号 1999年8月
カワウのコロニー
湾岸道路沿いのカワウのコロニーが、一辺1100mのうちの800m近くを占拠するようになりました。ちょうど観察舎の正面の巣でヒナが育っているらしく、6月末、図書室外の非常階段の上で、風に乗ってくるピルルル、ピルルルというかわいいヒナの声を聞きました。最後のヒナの巣立ちも近いことでしょう。
緑地は幅20mしかなく、樹木も大きくはないので、コロニーは横へ横へとひろがります。今年の営巣数は、合計では軽く1000をこえるでしょう。ごひいきのマテバシイがあまりいたまないといいなあ。
カワウがコロニーを作るのに選んだ緑地は、ご近所迷惑にもならない理想的な場所です。ここは鳥の保護区で、樹木の保護区ではありません、とか、カワウがもしピンク色だったらもっと喜ばれるはずです、とか、とかく風当たりの強いカワウを弁護しているところです。でもねえ、せめて白ければいいんだけど。みなさん「カラスがあんなにいっぱい」と言われます。
保護区の中は、次々にヒナが見られて喜んだのに、これまた次々にヒナが消えるという状況で、悲しい思いをしています。前号に書いたオオバンのヒナ4羽も、6月8日に見られたセイタカシギのヒナ2羽も、もっとくやしいのは、ヒナを実際に見つけてはいないけれど、親鳥の様子から見て、確実にふ化したと思われるコアジサシ(6月13~16日まで、下北岬付近を通ると親鳥が2羽で頭上に舞い下りて激しく威嚇したが、17日にはまったく姿を消してしまった)まで。どれも数日で消えてしまいました。カラスよりもむしろ蛇を疑っています。
旧・田の字池のカイツブリは、もうヒナを2回かえして、ちゃんと育てているようです。セイタカシギ(6月8日のものとは別)のヒナも(6月25日に初めて見られ、7月9日にも健在)、1羽だけは間もなく飛べるほどに大きく育ちました。
来年は、もっとうまく行くようにやってみよう、と、鋭意作戦検討中の鳥の国です。




