39 カモがいない 餌確保 1999年2月
39 鳥の国から すずがも通信第114号 1999年2月
カモがいない
年末から年明けごろから、カモがほんとうに少なくなってしまいました。竹内ヶ原―上池をトラクターがけに備えて干上げていること、土づくりや手入れのために湊池の棚田を冬中干してあること。島がくずれてなくなってしまった三島池にカモが上がるための木の台を新しく作ってもらったこと、旧淡水池のへりに目隠し用のスクリーンを作っていること‥‥‥カモが喜ばないような事情は色々あるけれど、それにしても少ない。オオタカ、ハヤブサ、ノスリ、チュウヒとタカが多すぎるから昼間はカモがいない、ということかも知れませんけれど、三番瀬のスズガモの大群も見られない、となれば、保護区内だけの問題ではないのかも。
田久保晴孝さんが心配しておられたように、昨年夏から秋の台風による被害で、三番瀬の貝類が大量に死んだことが、冬のカモの餌不足を招いたのかも知れません。観察舎のまわりでは、まあまあの数の鳥が見られます。でも、出演料として餌をやって招待しているカモメ類やカモ類だけなんていうのは、ちょっとねえ。カワウやサギ類がいてくれるからいいけど。
餌確保
魚市場のお正月休みに備えて、鳥の国では12月中旬から必死になって餌用の魚のアラをためこみました。その量、約400㎏。外のカモメなどにやる分はたっぷりためたのですが、少し質のよいアラは「室内用」と呼んで、野鳥病院の患者さんたちのために小さめにカットし、2~3㎏ずつアルミのトレーに入れて冷凍します。これが、意外なほど早くなくなってしまいました。トレーに30枚分くらいはためたはずなのに、毎日2、3枚分がなくなるので、1月7日についに全滅。8日と9日は泣く泣くアジをやりました。ただで入手できるアラと違って、いくらいちばん安いお店で、価格が安い時に大量に仕入れていただいているとは言っても、アジは1㎏につき300円くらいにはなるのです。9日に、ためしにアジだけだったらどのくらいの量が1日に必要かを計ってみました。なんと、夕方までに10.2㎏も食べられてしまったので、餌入れが空になっても、最終の夜の追加はやめました。
前日の餌が少なめだったことや、新鮮な冷凍アジはみんなの大好物であることを差し引いても、この半分の量では足りません。10羽もいるカワウが1羽につき400gは食べるし、アオサギをはじめとしたサギ類も10羽以上、カモメ類は20羽近く、と、魚食いの連中がいっぱいいるから無理もないけれど。あーあ、とみんなであきれてしまいました。
日本獣医畜産大学で、ダイオキシンや環境ホルモンの関連を含め、カワウをひきとって飼育実験をするというお話があります。はやく実現するといいのですが。
元旦は快晴で、ほんとうにみごとな初日の出でした。1999年。よいことがいっぱい降ってきますように。




