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現在進行 鳥の国 1  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
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21 潮風モニター(気温調査)をやってみました   1997年10月

すずがも通信106号  「潮風モニター」気温調査をやってみました  1997年10月


 海をわたってくる涼しい潮風。自転車がさびて困ることもあるけれど、夏の盛り、大事な行徳の財産だと思っています。気温が1℃変わるだけで、クーラー等々に消費される電力にはたいへんな差が出るでしょう。涼しさは、お金に換算できるたいせつな環境要素だと思うのです。

 「海が近いと涼しい」「海が遠のくと暑くなる」という証明をしたいとずっと思っていました。埋立に対するひとつの反論になるはずです。今年、友人知人を動員し、最高最低温度計を買い込んで、大それた試みをやってみました。

 参加者21名、測定箇所22ヶ所。調査期間は7月10日から8月10日の32日間。原則として、自宅玄関かその付近に最高最低温度計をとりつけ、毎日夕刻から夜にかけて結果を記録し、リセットします。参加者を探す段階から、○東京山の手、○東京江東地区、○市川中心部、○行徳・浦安市街中心部、○新浜鴨場(保護区)周辺、とおおざっぱにグループわけしていました。このほかに、○大規模マンション、というグループができました。

 さて、結果はどうだったでしょうか。

 実は、行徳・浦安市街中心部のグループは、最高気温の平均がいちばん高くなりました。一方、新浜鴨場周辺グループは予想どおり全体を通じてもっとも涼しいと言ってよさそうです。

 最高気温の平均がいちばん低かったのは、大規模マンショングループの2軒で、どちらも30℃を超えた日がありません。ところが、このグループは逆に最低気温も下がらず、一日の温度差は平均で3℃弱になりました。大きな建物では、建物そのものにいわば「体温」があって、気温の上下がゆるやかになるようです。

 行徳・浦安中心部は、これとは正反対で、最高気温は高く、逆に最低気温がぐっと低くなり、温度差の平均は7~9℃。東京や市川中心部はこの中間です。面白いのは、比較的緑が多い東京山の手や市川中心部よりも、江東地区のほうが最高気温の平均が若干低めだということです。

 マンション2軒では、海に近い美浜が塩浜より最高・最低気温とも平均で1℃近く低くなりました。また市川中心部の4軒では、最高・最低気温とも真間川きわの2軒のほうが、そうでない2軒よりも1.1℃も低くなっていました。

 このように書き並べると、いかにも海や川に近いと涼しいということが間違いなくわかったように思われます。(たぶん、そうだとは思うのですけれど) ただし、実はとんでもない落とし穴があったのです。

 なにしろ、今回購入した最高最低温度計は、中国製のものらしく、2,500円と安価なのはありがたかったのですが、実に個性豊かな連中で、1℃や2℃の差など、ものともしていないのです。まず、ぜんぶを1ヶ所にならべて1週間記録をとり、その結果から記録を修正しましたが、均一なデータかどうか、疑わしいものです。

 次に、温度は設置場所によって大きく異なる(同じ家でも、西と東とか、下が土か、コンクリートか等、さまざまな要素で変わるということ。一筋縄ではゆきません。

 さらに、最低気温が記録される夜明け方は、通常の生活時間帯からはずれていることが多く、最低気温が低いからといって、住んでいる人にとっては、涼しいという実感がないようです。そんなこんなで、あまり確実な成果が上がったとは言えませんでした。

 それでもともかく、気温の傾向に地域差、環境差がありそうだ、ということだけは、言ってよいかも知れません。まあ、参加者みんなでおもしろい思いができたので、よかったと言ってよいでしょう。ありがとうございました。

 可能ならば、潮風そのものを測定したかった! 我ながらこりない性分です。


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