16 みなと池現在進行+再整備工事 まっ赤なトラクター 1997年6月
すずがも通信104 1997年6月号 みなと池 現在進行 再整備工事
3月26日に「平成8年度行徳内陸性湿地帯再整備工事第二期」の仮検査が終わりました。広大な水質浄化・水鳥誘致用の棚田や四ヶ所の観察壁等ができあがり、あとは水がたまるのを待つばかり‥‥‥というはずでしたが、仕上がりの電気工事が遅れに遅れています。まあ、ゴールデンウィーク明けに電気工事の検査が終わるとのことですので、この稿が印刷されるころには、新しい湿地全体に水が入っているはずですけれど。
仕上がりが遅くなったため、よいこともありました。小さいユンボー(パワーショベル)くんが残されているおかげで、やりたいと思っていた作業がだいぶ進みました。
①新しい浄化池は二系列になっていますが、一系列分については水の出し入れが自由にできるように、水路をひととおり掘りました。もう一系列は、水路がある方が便利なのか、なくてもよいのかを見極めるために、そのままにしてあります。
②池と池をつないだり、池から海へ水を流すための水路を何ヵ所か掘りました。水路が観察路や管理用通路をよこぎる部分では、パイプを埋めて上を車が通れるようにしました。
③観察路と新しい池の間に低い土手を積んで、将来は草が生えて人が隠れるようにしました。
④オーバーハングした土の崖を掘りました。カワセミの営巣用です。
⑤下池などで、密生したアシ原の部分の天地返しをしました。もっとも、地下茎を除く余力まではなかったので、アシのコントロールにはなりそうにありませんけれど。
⑥みなと池から流れ出る水の浄化を更に進めるため、棚田ができるように土を盛りました。
手作業のほうもずいぶん進みました。まず、ユンボーくんが自由に動けるように、新しい浄化池の水路には厚板で橋を七ヶ所かけました。浄化池の土手には何ヶ所も階段を掘りました。みなと池の流出水浄化用の棚田「三色パン池(かっこうが似ているので)」を仕上げました。こうした作業は、観察舎のたくましい戦力である石川・佐藤両氏に加えて、ボランティアで手伝ってくださる伊藤貴博さん、森田昭次さん、竹内暉雄さんなどのおかげでできたものです。長靴池に浮かぶ浮島も森田さんの傑作です。
それから、すばらしいニュースがひとつ。市川南ロータリークラブが設立二〇周年の記念事業のひとつとして、市川市にトラクターを寄贈してくださいました。この保護区の管理用に、です。贈呈式は4月20日に終わっていて、実物が届けられるセレモニーは5月14日の予定です。借り物(実のところ「暗黙の了解」で使わせていただいている)のユンボーくんとは異なり、行徳鳥獣保護区専用の初めての作業用機械です。一昨年購入の軽トラックもりっぱな管理用機械ですし、草刈機はもっとずっと前から何台もありますが、土を動かす機械は今度が初めてです。どういうことが、どのくらいできるものか、まったく初めての助っ人さんですので、こわいけれど、楽しみです。
二大戦力の片方である佐藤氏が5月6日から三週間あまり、アホウドリの調査の手伝いで鳥島に出かけています。水入れ開始、トラクター登場、野鳥病院のラッシュのスタート‥‥‥片肺飛行の期間にこれらぜんぶがかかってきます。あとを守る石川氏ともども、なんとかしてこの時期を乗り切らなくっちゃ、と、どきどき、ひやひや、それでもわくわくしています。




