1 はじめに 2019年(令和元年)11月21日 記
現在進行 鳥の国 1
1 はじめに 2019年(令和元年)11月21日 記
この「小説家になろう」に場をお借りして、これまでに4作を掲載させていただいています。まず「鳥と人と イギリスから世界へ ハーバート・アクセル自伝」 これは世界最大の環境保護団体とされるイギリスのRSPB(イギリス鳥類保護協会)の黎明期から、同会の隆盛のもととなったサフォーク州ミンズメア保護区の管理に携わり、リタイア後も世界各地で精力的に環境管理の指導に当たられた故ハーバート・アクセル氏の自伝です。筆者がイギリスのお師匠さんと慕う方の文章は生き生きとしていてわかりやすく、ユーモアにあふれていて、しかも勇気を与えてくれるものでした。
次は「新浜だより 1992年~2000年」。日本野鳥の会東京(支部)の機関誌「ユリカモメ」に毎月、8年にわたって連載したものの再録です。続いて「新浜だより 行徳新聞掲載再録」(連載中) こちらは地域紙、1976年創立の明光企画「行徳新聞」にだいたい毎月掲載していただいたものの再録。1976年から1981年までの分は明光企画により「新浜だより」として書籍にしていただきました。1981年3月からの書籍化されていないものを連載させていただいています。行徳新聞への掲載は10年以上も前に終わっていますが、地域の方々が楽しんで読んでくださったものでした。
100部分でいったん完結とする予定の「鳥の国から」は、行徳野鳥観察舎友の会の機関誌「すずがも通信(隔月発行)」に、いろいろな形で掲載された文章のまとめです。1980年ごろからおおむね1995年度までのものを再録しています。この間、行徳鳥獣保護区では行徳野鳥観察舎友の会によって、汚れきった生活排水の遊水池に養魚用の水車を回して酸素を供給し、生物によって汚水を浄化し、水鳥を誘致するという画期的な試みが行われていました。
この試みが成功したため、いよいよ千葉県が1995・1996年の2カ年にわたり、「行徳内陸性湿地再整備事業」という大がかりなプロジェクトに踏み切りました。これにより、陸地部分の大半が乾燥し、水鳥にとっては好ましくない環境となっていた行徳鳥獣保護区での本格的な湿地復元がスタートしたのです。
本稿「現在進行 鳥の国 1」はその現場の様子を伝えるものです。決して平たんな道のりではありませんが、いっしょにがんばり、いっしょに楽しんでくださったみなさんに、なつかしく思い出していただければと思います。そして、お会いしたことがない読者のみなさまにも、私たちの「見果てぬ夢」をお伝えできれば、と。