表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

夕暮れシンドローム

この物語は誰かが一人、嘘を付いている。


俺は間違い無く嘘つきだ。自分で意識せずともなんだかんだで嘘付きだ。見栄っ張りでもあるしな。


だから嘘を吐き続ける。自分だって騙すくらいにずっとずっと。笑われるのにも慣れてるし、見栄っ張りと言いながら自分自身はそんなに大事にしてる訳でも無い。勝ち負けなんてどうでも良いけど負けたく無い。もう生き方から矛盾してるだろ?


俺は雨の日が好きだ。


ザァーーーっと全てをかき消す雨音。屋根から落ちる水滴の音。そこに通り過ぎる車の音。


シャー...って音が近づいて通り過ぎていく。この時間の流れる感じがたまらねぇんだ。


だけどよ?自分がいざ出かけるとなれば話は別だ。もう有り得ない。面倒臭い。

雨なんてこの世から無くなれば良いくらいの事、考えるから。


夕暮れ時はどうだ。朝っぱらからウルセェ位によ。散々イキってた太陽の野郎が少しずつ大人しくなって大人しくなっていく時間。ガキならそこで1日のするべき事も終わる奴も多い時間。

橙色の、紫色の、そんな色と闇が空を覆うんだ。

大袈裟に言えば世界の終わりって奴なんじゃないだろうか?

トワイライト。黄昏時。この時間帯は人は判断能力が鈍くなるらしい。

好きな奴が居りゃこの時間帯に告白してみりゃ良いんじゃねーの。


まぁこんなヲタ話してても話はすすまねぇし、この物語の主人公は俺では無いが、俺が神であり負ける事は無い。主役がどんな能力を持っていたって俺には関係無いし俺に勝つことは出来ない。

言っただろ?俺は負けず嫌いだって。

ただ自分の扱いはどうでもいいんだ。けどモブってのは嫌だな。

少しぐらいチヤホヤされたって良くないか?

なんたって神さまなんだぜ。かーみーさーま。


巷の物語では殺せる神様で溢れかえってるけど俺は違う。俺は神であり登場人物であり特別目立とうともしない。

特殊な能力なんかもねぇしぶっちゃけあーあいつも誘ってやるかってたまに思い出される程度の存在なんだよ。一番偉いのにな。

ただ、とてつも無く性格も意地も悪いから。せいぜい屑共が必死に足掻いてる姿を傍観したくて苦しくて辛くて残酷なストーリーをプレゼント♪なんてな。

俺の世界では当たり前だけどトラックに轢かれたらそのまま死ぬから。いや、転生して異世界でもトラックに轢かれ続ける設定にでもしておこうかな。


なんつーか。俺は俺の事見下してる奴が実は俺の掌の上〜みたいな展開結構好きなのよ。

みんなみんな、どんどん狂ってけばいいって思ってるから細かいところは何もしない。俺はあくまで登場人物の一人。


昼と夜の間が俺の時間。雨の日が俺の時間。要は根暗な俺にぴったりと...


ん。よくわからないがとにかく俺が、



だったはずの世界。わからない。どうしてこうなっていったのか。


ーーーーー


なぁ。白かった、青かった世界が真っ赤に染まる時お前は何か感じる時があるか?

そういう曖昧な時間ってな。何かが決定的に変わる時なんだよ。


な?


ーーーーー


信じられるか。絶対無敵の神が冒頭から。


何度も言っただろ。俺は嘘つきなんだ。


今までずっと当たり前た事だってふとした瞬間、前提から間違っていた事なんてよくあるじゃんか。

だから最初にそうだと思って口にして、それからずっと信じられてたそいつも嘘つきで終わるんだよ。


そのはずなんだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ