表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/76

第44話

  その場所にはあれから何度も行っていたので、暗闇の中でさえ楽に行く事ができた。唯一の気がかりは、上村家で夜を徹しての山狩りをするのではないか、という事だった。たとえ上村家の人々に見つからなかったとしても21世紀に戻れるかどうかわからないのだ。しかし良はその瞬間に全てを賭けようと思った。草むらに身を潜め、じっと時が来るのを待つ。耳を澄ますと遠くで何やら騒いでいる声がした。おそらくは上村家の人達だろうが、幸いにもこちらに近づいてくる気配はなさそうだ。周囲には誰もいない。たった1人である。それを肌で感じた途端、どっと疲れが押し寄せ良はそのままの姿勢でウトウトし始めた。


  ゴゴゴゴ!地鳴りのような震動が直接良の身体を刺激し、彼はハッとして目が覚めた。いつの間にかぐっすり寝込んでいたらしい。時計を見ると午前五時を少し回っていた。

(あの音は何だろう。B29の音にしてはちょっと違う感じがする。・・・もしかしたら・・あれが?)

不幸にも彼の予感は的中した。次ははっきり身体で感じる音がして、南の海上が一気に盛り上がった。―――― 次の瞬間!真っ白な閃光と共にドーンという大音響が島全体を襲い、たちまち噴煙が巻き上がった。間もなくあたり一面何も見えなくなった。のちに放射能を大量に含んだ雨が降ってきた。その雨は5日間続き、その後止んだ。ようやく太陽が顔を出し、あたりに春の日差しと元の静寂が戻り、全ては元通りになったはず・・・だった。しかし何かが違った。・・・その何かとは、鼓島が島ごと跡形もなく消滅していたことだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ