プロローグ
仕事は無敵の最強女子事務員…自分では勝手にそう思ってるあたし、権田 藍 29才
下手な営業マンより売上持ってるわよ、向かうとこ敵無しの気合と根性とアタマの回転があたしの武器。
そんなあたしだけど、勿論コンプレックスがありました。
ズバリそれは… 女子力。
あたしだって、妙齢の女子だもん、それなりに恋愛とかは…興味があるけど、如何せん!如何せん!自信がない。
いや、一個だけ言い訳させて。なまじ自分がオトコ並に働いてきたから、興味が持てなかった。いや、むしろ幻滅してきたの。そんなあたしが 女子力なんつう価値観に興味が沸くはずもないでしょ?
そんなある日、
「あーなんか、付き合ってもいいかな〜」的な男子が現れたのよ。
現れたまでは良かった。
でもね、そこで大いなる壁が有ったの。あたしの中に大きくそびえたつその壁とは…自分自身のコンプレックス。
あたし、女として全く自信ないの。
体格的には…悪くないとは思うけど、良いとは全く思えない。
顔だって、美人とも可愛いとも思えない。トドメは、もはや言い訳も出来ない奥二重の瞳。笑えば目が細くなりそのまま消失してしまう。
髪だって、パーマを拒否するほどの超ストレート…かとおもいきや、毛先だけ!は 自由奔放の超癖っ毛
性格だって、気が強くて荒いし… グルグル、ウジウジ、グルグル、ウジウジ。
あー
どうしよ。
傷つきたくないから、引いとく? でも。
久しぶりに素敵だなって思った男子なんだよね。攻めとく?
今まで、仕事は極力攻めてきた。でも、恋愛っていう自分直結の分野は、引いてきた。だって、自分自身の性根が傷ついたら立ち直れないもの。どうする?
グルグル、ウジウジ、グルグル、ウジウジ
あー
どうしよ。
これは、仕事しか自信が持てなかったあたしが、女子として何だかんだで誇りを持っていく物語。