表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
候ふて  作者: 空と雲
4/6

fireflower

 大きく轟き、盛大に夜空を飾りつける『夜に咲く大輪の花』夏限定というところも、いとをかし。

 あたし達は、パラパラと降ってくる火の粉を眺めて、誰から問わずため息をついた。そりゃそうだもん、こんなの見せられてため息が出ないほうがおかしい。


 赤青黄緑桃紫橙……パラパラパラッ……


ドド――――――ン……ひゅるるるるるr……ドドドドーン!!!



「おおきいねー」

「うん」

「すごい綺麗……」

「うん」

「……夏だね」


 あたしたち、いつの間にか大事なことを忘れてた。小さい頃すごく楽しかった思い出を。

 夏祭りに行ったら、とにかくはしゃいで大人を困らせてた。迷子になって、皆に迷惑かけてた。

 でも、いい思い出だった。

 今はもうそんなことは無くなって、大人と一緒に来ることもなくなって、こうして友達と遊びに来ている。それがなんだか大人になったように感じて、嬉しくもあり寂しくもあり。だけど、この変わらない風景だけは残しておきたいと思った。


「そういえばさ」

「んーっ? 何ー」

「お前の浴衣……」

「金魚柄だよねー。可愛い!」

「え、本当?」


 よく見たら花びら模様だと思ってたのが、金魚柄だった。笑える。


「ありがとう若葉くん」

「おーまーえー……俺が言うことわかっててわざと(さえぎ)ったな……?」

「いやぁ。たまたまだよ」

「あれっ、青葉くんさっきなんか言いかけてなかったぁ?」

「べ、べつになんでもねーよ」

「ひゅーひゅー」

「いい加減黙ってくれるか、ワカバ」

「クスクス……。なんて言おうとしてたのー?」

「それはねー、サキちゃんの浴衣が……」

「いっいいから! 花火みようぜ!!な??」

「むー、気になるのにぃ」


 花火大会は、もうすぐフィナーレです。

 来年も同じ3人でこうして夜空を見上げていたい。


続きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ