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プロローグ⑧
真奈とウサコは比奈の前からパタパタと走り去った。比奈は夢を見ているような表情だった。そんな比奈の前にまたしてもテレビドラマのヒロインに抜擢されてもおかしくないような絶世の美少女が現れた。またしてもアリスと同じ型のビデオカメラを回していた。「せっかく上手くことが運んだのに、噴水に邪魔されちゃった」
「ちょうど長針が十二を差したんだね、」比奈はうーんと背伸びをした。「でも、私は満足だなぁ、いいもの見せてもらったからね」
「比奈さんはいつカメラを向けても絵になるね」
「そう?」チラッと比奈がこっちに視線を向けたところを美少女は一枚撮った。「あっ、そうだった、」比奈は携帯電話のトランシーバー機能を利用する。「梨香子、そろそろそっちに行くわ、ごめんね」
トランシーバー機能を切ると比奈はベンチから立ち上がってスカートを叩いた。比奈は「それにしても、」と呟く。「セーラー服ってエロいなぁ」
美少女は比奈を置いてまた二人を追いかけた。




