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(私を苦悩させるさまざまな女の子たちの)ミソラ  作者: 枕木悠
第六章 私を苦悩させるさまざまな女の子たちのミソラ
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第六章②

「どういうことか、説明してくれる?」

 第四詰所に連行された麻美子は宮古の予想に反して余裕そうだった。腹をくくったというか、そういう十七歳らしくないふるまいだった。藤堂先輩はまだ本調子ではないのか、奥に引っ込んでいた。

「ええっと、」麻美子は宮古に赤城真奈の一件、ミソラのコレクションルームのこと、それに生徒会、それに所属する風紀委員が関与していたこと、そして麻美子は自分が生徒会を裏切り天樹とともにウサコに協力したことをつまびらかに話した。「……とそんな感じなんですけど」

 宮古はそんな世界がこの学園にあるなんて想像もしてなかったからしばらく絶句する。それから宮古は自身の立場を考えて発言した。「なんとかしなきゃいけないよね」

 言うと、麻美子は少し反抗的な表情をした。

「なんとかしなきゃってどういうことですか? 生徒会や風紀委員を解散させるんですか? コレクションルームからミソラを追い出したりするんですか?」

「いや、具体的には、まだ考えられないけれど、でも、いけないことをしていたんだから」

「宮古さん、違います、イケないこと、誰かが望まない行為をしたのは、今回、赤城真奈の件が初めてです、それまでは正当な理由がありました、少し補強を加えたかもしれませんが、でも、赤城真奈は宇佐美唯子のところに戻りました、元の位置に戻ったんです、すっかり解決じゃないですか?」

「麻美子、なんか違うよ」

「何がですか?」

「何っていうか、元の位置に戻ったんじゃないでしょ、複雑になっている、赤城ちゃんは笑ってなかったよ」

 麻美子は一瞬黙った。麻美子もソレには気付いていた。真奈は戸惑っていたから。麻美子は真奈をウサコの元に返せば解決だと思っていたけれど、ことは全然簡単じゃなかった。真奈はミソラの世界に触れて、きっとウサコとの世界を忘れてしまったんだと思った。「一人の女の子の人生を変えてしまったのは分かってます、私がミソラの命令を拒絶していたら、こんなに複雑なことにならなかった、不幸を産むことはなかったんだと思います、だから、私、風紀委員、辞めます、辞めてどうなることでもないけれど」

「……えっ?」



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