11.おそろしき4人
ふざけんな。
女4人が殴りこみだと?あ、いや、1人は男か。オネエっぽいし。
4人の様子から見て、おそらく事情は把握しているようだ。
全くバカなやつらだ。俺にたてつこうなんざ……百万年早ぇつうの!
4人が乗り込んできた時、藤沢は心の中で悪態をついていた。
だが、ジュースを飲んでいた女子が幕開けのセリフを投げた瞬間――――
彼らは、自分たちの身になにが起こったのかさえ理解できなかった。
部長が幕開けの言葉を言ったのだが――――どちらも、一線を越えようとはしない。
少女側の方は様子を見ている、という所だが、藤沢の方は女だから手加減してやろうという一応なりの心遣いだった。いや、あるいは見下していただけだったのかもしれないが。
どちらも譲らずといった、この緊迫した微妙な空気の中で、場違いな間延びした声が響いた。
「あのさぁ~、なんていうか……こうゆうのダルいし、めんどくさいし、さっさと終わらせない?言っとくけど、あたしら、手加減とかしないからね?」
「なんやそれ部長……いくらなんでも、下に見すぎとちゃう?かわいそうやってー」
「Because it is a fact, it is reluctant. 」
「まぁたしかにねぇ~。あたしらの方が上って事実は覆せないわけだし?」
――――この状況で……!!
藤沢の怒りはマックスに達していた。
だが、それは舎弟2人も同じことで。
「てっ……手前ぇらぁ!!」
「強くもねぇくせに好き勝手言ってんじゃねぇよ!!」
さけぶと同時に、2人はすでに駆けだしていた。
「おぉぉぉおおおお!!!!」
舎弟Aは部長に向かって、拳を入れようとした。のだが――――
ものすごい衝撃を後ろから受け、床に伏した。
オカマが素早い動きで後ろに回り、右手一本で制したのだった。
きょう子はそれを唖然と見つめている。
「なんやアイツ……英ちゃんの言葉は理解するし、意外と察しがいいし……それになんやねんあの動きは。早すぎやろ」
「オイ」
きょう子は、オカマの動きに夢中になって背後に気を配れなかったために、後ろの人物に気付かなかった。
そこにいたのは、もう1人の舎弟――
舎弟Bだ。
「お前ら、身の程知らずだな。命拾いしたくなかったらさっさと逃げた方がいいぜ」
「へぇ……極悪非道なやつなんかと思ってたけど、実はそうでもないんかもね、君って。
女性の事、心配できるやなんて」
「あ……?」
バキバキバキ……!
舎弟Bのすぐ後ろの壁が、本来の形を失った。
目の前にいる女子生徒の手が壁へ向かって伸びていることを確認し、彼はようやく、この信じがたい状況を理解した。
この女が、壁を破壊した……
そう理解した直後、自らの顔から血の気が引き、瞬時に青ざめるのが分かった。
「でも、ウチらのこと、ふつーの女子高生と同じにしたらアカンと思うよ……?」
彼の目の前にあったのは、善意とも悪意とも取れる、だが真意がはっきりとつかめない女子高生の不敵な微笑だけだった。
まもなく彼は、意識を失った。
最強の美術部員です!
THE 無敵(笑)




