表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

1.脅威的な部活動

はじめまして。

駄文ですが、よろしくお願いします。

「ジュース、飲んだ?」


 それが彼女の第一声だった。

 意味がよく分からず――いや、問われている意味は分かるのだが、なぜ、今、俺はそのようなことを聞かれているのか……それが全く理解できなかった。


「あの、いえ、飲んでませんけど……」


 理解できないままに、少し困惑した表情を浮かべながら返答した。


 すると、第一声の説明をするどころか、彼女はとつぜんジュースのビンをテーブルの上に置いた。


「りんごアップルジュース」


 俺はますます困惑した。というか、混乱した。というか、リアクションに困った。

 ジュースを飲んだかと聞かれて、飲んでないと答えた男に差し出されたこれは、飲め、ということだろうか……?

 いや待て、そもそも『りんごアップルジュース』って、どんだけりんご強調したいんだよ……


 いやいや待て待て、そもそも俺はジュースを飲みにここに来たわけじゃない。『依頼』をしに、ここに来たんじゃないか。







     *           *          *          *






 俺は、あまりカバンにストラップだなんだのをぶら下げる趣味はない。だが、そんな俺もたった一つだけ飾りをつけている。うすいピンク色をした、愛らしい瞳のウサギのストラップだ。それは俺にとってはとても大切な……間違っても決してなくしたりしてはならない宝物だ。宝物だった、のに……


 俺は昨日その宝物をなくしてしまい、かなり落ち込んでいた。


 そんな俺のもとに舞い込んだのが、奇妙な美術部の話。

 友だちの話によると、我が校の美術部は少し変わった活動内容で、美術部のくせに絵を描いている者はほとんどいないという。困っている生徒を助ける『便利屋』的活動をしているとのことだ。

 校内の生徒はほとんど知っているらしいが、俺はそういうことには疎い人間なので初耳だった。



 それで、ほとんど期待はせずにこの美術部に足を踏み入れたのだが……


 なんとまあ、お気楽な部活だろうか。

 便利屋的活動をしているのなら、部室に入ってきた人間に対しては「依頼ですか」とか、「何かありましたか」とか言うべきだろう。

 少なくとも、ジュースをすすめるべきではないと思う。


「飲まないの?りんごアップルジュース」


 なぜこの人は、こんなにもりんごジュースを押しすすめてくるのだろうか。俺にはそれが不思議でたまらない。


「あの、俺、探してほしい物があるんスけど……あの、ウサギのストラッ」


「あらやだぁ、りんごジュースじゃなぁい」


 俺の言葉をいとも簡単にかき消したのは、野太い男の声だった。が、俺の目の前に現れた、おそらく声の主であろう部員は、男なのかどうか疑うべき容姿をしていた。

 髪は長くつやがあり、口には深紅の口紅が、目にはアイシャドー……それに加えてオネエ言葉。


 そう、それは俺が、生まれてこの方17年、初めて目にする『オカマ』の姿だった……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ