ティナ消失とピンクの夢
『えるてん! 』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(ピンクの煙が晴れていく。視界が戻ると、そこはいつもの BAR☆バイブス ――ではなく美容院「サロンズ・ガルブ」だった。)
ティナ(ちょっと怒りながら)
「ガーちゃん! 今忙しいんだ! ギャル講座してる場合じゃないんだよ!」
(奥のカーテンをくぐり、ガーちゃんが登場。ピンクのメッシュが入ったショートボブを揺らしながらウィンク。)
ガーちゃん「乙女のピンチの波動を感じ取ったのよ〜ん♡
で、ティナちゃん、一体どうしたのぉ〜?♡」
ティナ(しどろもどろ)
「え? じ、実はカレンが高熱で……リリサにポーションをもらいに行こうと思ったら、急に転移して……!」
ガーちゃん「なるほどねぇ〜♡ 病める乙女とそれを支える天使エルフ……尊っっ♡」
ティナ「いや、そんなことより薬を――」
ガーちゃん「オッケーオッケー♡ そういうことなら、アタシにお任せあれぇ〜♡」
(くるっとターンして棚へ。色とりどりの瓶が並ぶ中から、
ピンクのハート型のラベルが貼られた瓶を手に取る。)
ガーちゃん「これをカレンちゃんの枕元に置いてあげて♡
ガーちゃん特製《バイブス☆アゲアゲ⤴⤴アロマ》! 香りで免疫もテンションもブチ上げ☆
風邪なんてイチコロよ〜ん♡」
ティナ(瓶を受け取りながら)
「あ、ありがと……(ほんとに効くのかこれ……)」
ガーちゃん「アタシを信じなさい♡ ギャルのアロマは“祈り”と“ノリ”で効くの♡」
ティナ「(いや、科学的根拠どこ……)」
ガーちゃん「じゃあ、元の場所に戻してあげるわ♡」
(手をひらりと振ると、床に淡いピンクの魔法陣が展開する。)
ティナ「え、もう!? ありがと、ガーちゃん!」
ガーちゃん(ハイテンションをすっと落とし、穏やかな声で)
「ティナちゃん。」
ティナ「……え?」
(ガーちゃんの瞳が、どこか母親のように優しく光る。)
ガーちゃん「あなたはとても優しい子ね。
きっとカレンちゃんも、その優しさに――助けられてるのよ。」
(ティナ、息をのむ。ピンクの光が足元で強く輝き出す。)
ティナ「……ガーちゃん……ありがとう。」
ガーちゃん(微笑んで)
「行きなさい、優しいエルフちゃん。」
――バシュンッ!
(再び光が弾け、ティナの姿が消える。
鏡越しに残った微笑を見せながら、ガーちゃんは静かに髪を整える。)
ガーちゃん「……青春って、いいわねぇ♡」
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(夕暮れ。
小高い丘の上、すすきが風に揺れている。
茜色の空が広がり、空気は少し冷たく、冬の始まりを運んでくる。)
カレン「……ここ、どこだろ?」
(見渡すと、遠くに湖と街の影が見える。
けれど音がない。鳥の声も、風の音も、どこか遠い。
世界が薄いガラスの中にあるような静けさだった。)
カレン「ティナ……?」
(振り返ると、少し離れたところにティナが立っていた。
淡い光に包まれ、風に金の髪をなびかせている。)
ティナ「……カレン。」
(その声は穏やかで、どこか寂しげ。)
カレン「ティナ……どうしたの? なんか、変な感じ。」
ティナ「ごめんね。カレンに、ずっと秘密にしてたことがあるんだ。」
(カレンの胸が高鳴る。)
カレン「秘密……?」
ティナ「うん。わたし……普通のエルフじゃないんだ。」
(風が止まり、空気が張り詰める。すすきの音も止む。)
カレン「……じゃあ、ほんとのティナって――」
ティナ「本当のわたしはね――」
(空が真っ白に光る。視界がぐにゃりと歪む。)
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(鏡張りの床。どこまでも続くネオンの世界。
ピンクと紫の光が反射し、天井には「LOVE」「VIBES」「HONEY」の文字がぐるぐると回転している。)
カレン「な……なにこれ!? えっ!? ティナ!? どこにいるの!?」
(足元にピンクの光の魔法陣が浮かび上がる。
BGMのように低いビートが響き、風が逆巻く。)
???「クックックッ……♡」
(声がした。甘く、そして妙に艶っぽい。
光の中から、巨大な羽を背にした影がゆっくりと現れる。)
カレン「ま、まさか……ティナ?」
(光が弾ける――)
ガーちゃん「本当のアタシは――ガーちゃんなのぉぉぉぉぉっ♡♡♡!!!」
(ドォォォン!!!)
(ピンクのハート型爆煙が舞い上がり、ミラーボールが回転。
香水とラメの嵐。空から薔薇の花びらが降り注ぐ。)
カレン「えぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」
(ガーちゃんがポーズを決める)
ガーちゃん「ウイルス? 風邪? 疲れ? んなもん全部、ギャルパワーで吹っ飛ばすのぉ♡!!」
ガーちゃん「愛とラメとビタミンカラーがあれば、病も退散☆ アタシが浄化してあげるぅ♡!」
(ハート光線が炸裂、地平線までピンクの閃光が走る)
カレン「ティナぁぁぁぁ!!助けてぇぇぇぇぇぇ!!!」
(ガーちゃん「バイブスは救い、ラメは祝福♡」と叫びながら回転)
カレン「意味わかんないぃぃぃぃぃ!!!」
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カレン「わああああっ!!!」
(飛び起きて、布団の上で息を荒くする)
カレン「……はぁ……はぁ……っ……ゆ、夢……?……悪夢だ……」
(天井を見上げ、額の汗を拭う)
カレン「……あれ? 喉、痛くない……?」
(手を伸ばしてみる。体のだるさも消えている。)
カレン「……身体も軽い……もしかして……治った?」
(ベッドから起き上がろうとしたその瞬間、隣の椅子に寄りかかって眠るティナの姿が目に入る。)
(ティナは獣人衣装のまま、ベッドにもたれるように座っていた。
手には小さなピンク色のアロマ瓶を握りしめたまま、静かな寝息を立てている。)
(瓶の口からは、ほのかに甘い香りが漂っていた。
その香りは不思議と心を落ち着かせ、どこかあたたかい。)
カレン(小声で)
「……ティナ……ずっとそばにいてくれたんだ……」
(ティナの髪が頬にかかっているのをそっと直す。
彼女の手の中のアロマ瓶が、淡く光を放つように見えた。)
カレン(小さく笑いながら)
「……ありがと。ほんと、優しいんだから……」
(カレンはもう一度ベッドに腰を下ろし、目を閉じた。
頬は紅潮していたが──それは熱のせいではなかった。)
――ガーちゃん特製《バイブス☆アゲアゲ⤴⤴アロマ》。
効果は未知数。けれど確かに、そこには“想い”が宿っていた。
次回【ティナ、浮遊魔法の実験】
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