地を駆ける少女、槌より速く
『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(会場の熱気は最高潮。観客の声が一段と響く中、砂地の闘技場へ二人の影が向かい合う。)
司会「それでは初戦第1試合――若き挑戦者、カレン・ホワイトロック!!」
観客「おおっ!中学生!?」「子どもじゃん!?」「頑張れぇー!」
(カレンが軽く棒をくるりと回して構える。背筋はまっすぐ、目は真っ直ぐに相手を見据えていた。)
司会「対するは、“戦槌のグラッド”!五年連続出場、怪力の猛者だぁっ!」
(グラッドが観客に向かって片手を上げ、豪快に笑う。背丈は2メートル近い巨体。
筋肉が鎧を押し上げるほど盛り上がり、背負うのは鉄の戦槌。)
グラッド「こんなガキが俺の相手だと? 運営はどうかしてやがる。
潰しても文句言うなよ??」
カレン「……言っとくけど、女の子をナメると痛い目見るよ?」
グラッド「ハッ、威勢だけは一人前だな!」
(司会の手が上がる)
司会「――試合、開始ッ!!」
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開戦!
(開始の合図と同時に、グラッドの戦槌が地面を叩く。轟音と砂煙!)
グラッド「潰れろォッ!!!」
(砂が爆ぜる中、カレンの姿が一瞬消えた。)
グラッド「なにっ!?」
カレン(背後から)「こっちだよっ!!」
(長棒が風を切る音――バシィッ!! 背中を浅く叩く。)
グラッド「ぐっ……素早ぇ!」
(カレンは軽快に跳ねるように移動し、棒をくるくると回転させる。)
カレン「“地の力、身体に宿れっ”――《アースブースト》!」
(足元から土の粒子が舞い上がり、カレンの動きがさらに速くなる。
跳び、滑り、回り込み――フットワークがまるで風のようだ。)
リオナ(控え席から)「まぁ……あの子、速すぎますわ!」
ティナ「カレン、あんなに動けたんだ……!」
サラ「土属性の身体強化、やるじゃん☆」
リリサ「安定した魔力制御ね。……訓練の成果、出てるわ。」
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(グラッドが怒り狂って戦槌を振り回す。砂煙が渦巻き、地面が割れる。)
グラッド「チョロチョロすんじゃねぇぇっ!!」
(カレン、ギリギリで回避しながら棒で槌の柄を弾く。)
カレン「力はすごいけど、動きが単調っ!」
(跳び上がり、逆手で棒を振り抜く)
カレン「えいっ!!」
(グラッドの腕に直撃――ドン!)
グラッド「ぐあっ!?」
(よろめいた瞬間、カレンが地面を蹴る)
カレン「――これで決めるっ!」
(足元から土の粒が巻き上がる)
カレン「《ストーン・インパクト》ッ!!!」
(棒の先端が岩のように硬化し、グラッドの胸当てを真正面から打ち抜く!)
グラッド「う、ぐぉぉぉぉぉぉッ!!!」
(巨体が宙を舞い、背中から砂地に叩きつけられた!)
(観客、一瞬の静寂――そして爆発する歓声!)
観客「うおおおおおおおおッ!!」「勝った!?」「子どもが勝ったぞ!!」
(グラッド、動けないまま両手を上げる)
グラッド「……認める。お前、強ぇな……!」
カレン(にっこり)「でしょ?」
司会「勝者――カレン・ホワイトロック!!!」
(観客総立ち!歓声と拍手!)
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(控え室。ティナが口をぽかんと開けて見ている。)
ティナ「……マジか……あの人、化け物みたいだったのに……」
リリサ(微笑んで)「ふふ。カレンは“努力型の天才”よ。」
リオナ「本当に……見事でしたわ。あの動き、まるで舞のようでした。」
ティナ「(すげぇな……俺……次、あれのあとに出るのか……)」
(膝、ぷるぷる震える)
次回【ティナ「魔法!《物理》」】
今日も『えるてん!』を読んでくれてありがとう♪
ティナ「学校とか仕事とか……正直めんどくさいよね!
でも“えるてん!”読んで、今日も笑顔で行こーっ!」
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それじゃ、いってらっしゃい!




