ティナ、逃げ場なし
『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(朝。街の中心へ向かう道はすでに人で賑わっている。
色とりどりの旗、屋台の香り、太鼓の音――まさにお祭り一色。)
ティナ「うわぁ……すごい人……」
カレン「でしょ!?建国祭のメインイベントだもん!」
リオナ「この熱気……まるで闘志が形になったようですわね。」
サラ「うぉ〜テンション上がってきたぁぁ!!!」
ティナ「お前ら元気すぎだろ……!?」
(中央広場の特設闘技場。すり鉢状の観客席が設けられ、歓声が響く。)
リリサ「朝からすごい盛況ね。……あ、選手受付はあっちよ。」
ティナ「やっぱり本当に出るんだ……」
リリサ「何を今さら言ってるの?」
ティナ「いや、せめて“参加取り消し”って項目があるかと思って……」
カレン「甘いよティナ!ここは戦う者たちの聖地!」
ティナ「聖地っていうより地獄だよ!」
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選手受付前
(受付のテントには、すでに多くの参加者が並んでいる。
筋骨隆々の男、怪しい仮面の魔術師、そしてなぜか可憐な少女たちの列も。)
ティナ「……なんか場違い感やばいな……」
サラ「だいじょーぶ☆見た目じゃない、中身よ!」
ティナ「説得力ゼロ!!」
(カレンが用紙を受け取る)
カレン「カレン・ホワイトロック、中等部代表!っと!」
リオナ「リオナ・ヴァレンシュタイン。――よろしくお願いいたしますわ。」
(受付係が一瞬ビクッと背筋を伸ばす)
受付「は、はいっ!ヴァ、ヴァレンシュタイン様!?こ、光栄です!」
ティナ「貴族パワー強すぎだろ……」
(サラも余裕の笑みで)
サラ「狩人・サラ、参戦よん☆」
受付「はいっ!……あれ、年齢欄、空白ですが?」
サラ「書かなくていいわよ、永遠の17歳ってことで☆」
ティナ「いや成人どころか100歳越えだろ!」
(リリサもさらっと)
リリサ「リリサ・フローレンス、研究員枠で。」
受付「研究員……?ま、まぁ出場条件は満たしてるので問題ありません!」
ティナ「ちょっと待って!? やっぱ全員出る流れになってるの!?」
リリサ(微笑んで)「ええ、もちろん。あなたの登録もちゃんと済んでるわよ?」
ティナ「うそだろ……ほんとにエントリーされてたぁぁぁ!!!」
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控え室
(出場者控え室。カーテンの隙間から眩しい朝の光と歓声が聞こえてくる。)
ティナ「うぅ……胃が痛い……」
カレン「緊張してんの?大丈夫!あたしも初出場だし!」
ティナ「お前はワクワクしてる顔だろ!」
リオナ「ふふ、ティナ様ならきっと大丈夫ですわ。」
ティナ「根拠は!?」
リオナ「なんとなくですわ。」
ティナ「曖昧ぃぃ!!」
(そこへサラが背中をバシィッ!)
サラ「気合入れなって!アタシが優勝したら打ち上げに行くからさ☆」
ティナ「……先に勝つ前提で話すのやめて……」
(リリサが穏やかに笑ってティナの肩を叩く)
リリサ「大丈夫よ、ティナ。
もし危なくなったら……私がすぐ回収してあげるから。」
ティナ「なんか“保険”みたいな言い方やめて!?」
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開会宣言
(外から盛大なファンファーレ。司会の声が響く)
司会「さぁ諸君ッ!今年もやってまいりました“建国祭・闘技大会”ッ!!」
観客「うおおおおおおおッ!!!」
司会「老若男女、魔族も人族も関係なし!力の限りを見せていただこうッ!!」
(ティナ、カーテンの隙間から会場を覗いて絶句)
ティナ「ひっ……観客、多っ!!」
カレン「観客席埋まってるね!あ、あそこ屋台もある!」
ティナ「そんな余裕どっから出てくんの!?」
(司会)
「ではまず第1試合、――カレン・ホワイトロック選手!」
カレン「おっしゃー!行ってくる!」
ティナ「マジで出るんだ……」
(カレン、闘志全開で拳を握る)
リオナ「頑張ってくださいまし、カレン様!」
ティナ「……うん、頼むから“死なないで”ね……」
(カレン、笑顔で親指を立てて)
カレン「任せな!勝ってくる!」
(控え室を飛び出していく)
ティナ「(……ほんと、すげぇな。
俺、絶対こんな舞台立ちたくないのに……なんでみんな、あんな楽しそうなんだよ……)」
(ティナ、外の歓声を聞きながら深く息をつく)
リリサ(穏やかに)「……ティナ。」
ティナ「ん?」
リリサ「あなたも、もうすぐ出番よ。」
ティナ「……嘘でしょ……!?」
次回【地を駆ける少女、槌より速く】
今日も『えるてん!』を読んでくれてありがとう♪
ティナ「学校とか仕事とか……正直めんどくさいよね!
でも“えるてん!”読んで、今日も笑顔で行こーっ!」
☀️毎朝6時更新!通勤・通学前のひとときに、ティナたちのまほうをどうぞ✨
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それじゃ、いってらっしゃい!




