ティナ、戦いは避けられない
『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(昼下がり。フローレンス家のリビング。
ティナ、カレン、リオナ、サラが冷たいハーブティーを飲みながらまったり中。)
ティナ「は〜……この部屋、極楽すぎる……。魔晶石クーラー最高……」
カレン「分かる。外とか歩く気なくすレベル。」
サラ「アタシなんて日焼けで腕ヒリヒリ〜☆」
リオナ「まぁまぁ、日焼けも健康の証ですわ。」
ティナ「日焼けで健康ってギャル理論……」
(玄関の扉が開く音)
リリサ「ただいま〜。おや、今日は賑やかね。」
ティナ「おかえり〜。また買い物?」
リリサ「ええ。ついでにこんなの貰ったわ。」
(リリサ、チラシをテーブルに広げる)
リオナ「まぁ、これは……?」
リリサ「“建国祭”のパンフレット。来週開催されるんですって。」
ティナ「お祭り!? やった!屋台ある!?かき氷!金魚すくい!」
リリサ「あるわよ。出店に花火、それに——恒例の“闘技大会”。」
ティナ「……と、闘技……?」
(カレン、ガタンッと立ち上がる)
カレン「マジ!?今年もやるんだ!!!」
ティナ「え、知ってるの!?」
カレン「当たり前じゃん!毎年見に行ってるんだよ!
中学生以上しか出られないけど、今年からあたしも出場できるんだよ!!!」
ティナ「出るの!?」
カレン「もちろん!ずっと憧れてたんだ!闘技大会デビュー!!」
ティナ「……やばい、テンションがスポ根方向に行ってる……」
サラ「アタシももちろん出るよ☆ 恒例行事だもん!」
ティナ「恒例!? 毎年出てんの!?」
サラ「優勝狙いよ〜☆ 去年はミノタウロスに押し負けたけど!」
ティナ「そんな猛者出る大会なの!? 平和どこいった!?」
(リオナ、チラシを手に取る)
リオナ「“優勝者には魔王国産ハチミツ一年分”……!」
ティナ「なっ!?魔王国の高級ハチミツだぞ!?ひと瓶で金貨数枚のやつ!!」
リリサ(くすっと笑う)「ふふ……あなた、目が輝いてるわよ。」
ティナ「……っ、だって……でも戦うのは無理!!」
カレン「え〜出ようよ!せっかくだしさ!」
リオナ「皆様が出場するのでしたら、わたくしも出場いたしますわ。」
ティナ「お嬢様出場して問題ないの!?」
リリサ「私は……観測者として出ようかしらね。」
ティナ「観測者!? 研究者じゃなくて!? ってかあんたも出るの!?」
リリサ(にやり)「データは“現場”でしか取れないのよ。」
ティナ「いやいや、現場で取るタイプのデータじゃないでしょそれ!!」
(その横で、サラが拳を挙げて笑顔で)
サラ「リリサ出るとかウケる! 闘技の血が騒ぐ〜☆」
ティナ「なにその爽やかな笑顔! 恐怖を覚えるんだけど!!」
(ティナ、机に突っ伏して)
ティナ「……もう誰も止められない……」
カレン「よし、ティナも申し込みだ!」
ティナ「しないからぁぁぁ!!!」
(その横でリリサがパンフレットを見つめながら)
リリサ「ふふ……いいわね。久々に刺激的な夏になりそうだわ。」
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(翌朝。湖畔のフローレンス家。
朝日が差し込むリビングで、リリサがティーカップ片手に新聞を読んでいる。)
リリサ「さて……今日が申し込み最終日ね。」
ティナ(ソファでごろ寝しながら)「……関係ない話をするなぁ……」
リリサ「昨日あれだけ騒いでたのに、まだ抵抗するの?」
ティナ「するよ!?闘技大会とか絶対ムリ! あんなの筋肉と魔力の暴力でしょ!」
リリサ「はいはい。
でも“ハチミツ一年分”の文字を見てヨダレ垂らしてた人が何言うのかしら?」
ティナ「垂らしてないっ!!」
(そこへカレンが勢いよく入ってくる)
カレン「おっはよー!ティナ!今日から特訓ね!」
ティナ「特訓て何!?誰の許可で!?」
カレン「あたしのやる気で☆」
ティナ「無許可じゃねぇかぁぁ!!」
(すぐにリオナも登場)
リオナ「カレン様が“みんなで練習会をする”とおっしゃっていたので、来ましたわ。」
ティナ「ちょっ、待って!? “みんな”って誰!?」
(ガチャリ)
サラ「よぉ〜!日焼け止め塗ってきたー☆」
ティナ「全員集合してるゥゥゥゥ!!!」
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湖畔・特設訓練場(庭)
(リリサが魔法陣を展開し、簡易結界を張る)
リリサ「これで安全面は大丈夫。死にはしないわ。」
ティナ「その“死にはしない”がもう不安なのよ!!」
カレン「まずは基礎体力ね!湖の周り一周!」
ティナ「え、ちょ、ちょっと!?」
サラ「はい行くよー!3、2、1、GO☆」
(スタート音代わりに花火が上がる)
ティナ「花火いらねぇ!!」
カレン「走れー!根性ぉー!!」
ティナ「体育会系こえぇぇぇ!!!」
(その頃リリサとリオナは木陰で優雅に見学)
リオナ「皆さま……楽しそうですわね。」
リリサ「ええ、とても。……ティナは今、人生で一番健康的よ。」
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魔法訓練タイム
(全員汗だくのまま、今度は魔法訓練へ)
カレン「次は魔力制御ね!」
ティナ「もうムリぃ……」
リリサ「はい、ティナ。これはあなた用。」
(リリサが渡したのは、小さな木製の人形)
ティナ「これなに?」
リリサ「“基礎集中装置”よ。魔力を乱すと、爆発するわ。」
ティナ「爆発!?!?」
リリサ「まぁ、軽く焦げる程度よ。」
ティナ「軽くで済む気がしねぇぇ!!!」
(ティナが集中して魔力を流し始める)
カレン「すごっ、ティナの魔力、空気が震えてる!」
リオナ「まるで……風が彼女を包んでいるようですわ。」
サラ「おっ、けっこうやるじゃん☆」
(直後、バチッ!)
ティナ「わっ!?!?」
(人形がボフッと黒煙を上げる)
ティナ「やっぱ爆発したぁぁ!!」
リリサ「はい、合格ね。」
ティナ「なんでぇぇぇ!!!」
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夕方・休憩中
(湖畔の木陰で一息。オレンジ色の空が映る)
カレン「はぁ〜、いい汗かいたー!」
サラ「ティナ、けっこう動けるじゃん☆」
ティナ「……もう一生分走った気がする……」
リオナ「でも……あなたの表情、悪くないですわよ?」
ティナ「へ?」
リオナ「なんだか、“戦士”の顔をしてましたわ。」
ティナ「いや、戦いたくねぇよ……」
(その横でリリサがノートを取りながら)
リリサ「ふむ……ティナの筋反応、悪くない。
魔力流動も安定してきた。……これなら初戦突破も可能ね。」
ティナ「いや出ないってば!」
リリサ「申し込み書、もう出しておいたわ。」
ティナ「リリサァァァァァァァ!!!」
次回【建国祭当日!どうなるティナ!?】
今日も『えるてん!』を読んでくれてありがとう♪
ティナ「学校とか仕事とか……正直めんどくさいよね!
でも“えるてん!”読んで、今日も笑顔で行こーっ!」
☀️毎朝6時更新!通勤・通学前のひとときに、ティナたちのまほうをどうぞ✨
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それじゃ、いってらっしゃい!




